UNKNOWN (講談社ノベルス コI- 1)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821200

作品紹介・あらすじ

侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。犯人の残した微かな痕跡から、朝香は事件の全容を描き出す。完璧に張り巡らされた伏線!重厚なテーマ性!リアリティ溢れる描写力!!熱く、そして端正な本格ミステリが登場した。第14回メフィスト賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 2000年。第14回。
    自衛隊ミステリー。掛川城あたりにある自衛隊。そこで盗聴器が仕掛けられるという事件が。調査班の朝香二尉がやってくる。補佐&語りは野上三曹。
    税金泥棒とか、そんなに悪く思われてるのかなぁ、自衛隊。盗聴も二重スパイが・・とかのエスピオナージュになるではなく、出世するしか達成感がない、が発端。
    それでも辞めないでほしい、気にくわないところを矯正する気でいてほしい。朝香二尉の思い。

  • 事件自体は地味だけど面白かった

  • 読んでおいて損はない

  • 元自衛官の小説だけあって 内部の情景がよく判る。外部侵略、内部の上下関係 普段から気を付けている情報管理
    そういったものが 細かに書いてありまた 推理物としても面白かった

  • 自衛隊/ミステリー
    自衛隊ものということで読みにくいかと思ったが、非常に読みやすい。
    探偵役の朝香二尉、補佐役の野上三曹、どちらも親しみやすいキャラクターで感情移入しやすい。
    正直、自衛隊に対して良い感情は持っていなかったが、認識を改めることができた。

  • 自衛隊もので、その内幕の描写が面白かった。
    主人公の内面が生真面目一本じゃないのがいい。
    かっこいい探偵役は大森南朋さんでイメージしてました。またこの探偵と助手ペアもの読みたいです。魅力的でした。
    あるシステムの中でこそ成立する犯罪を、そのシステムごとわかりやすく読ませてくれて、いやみなく見識も広がるという小説で完成度高いと思います。

  • 今の時期、他国からの領空侵犯、領海侵犯の可能性の高い子のご時勢、読んでおくといいかも。自衛隊が描かれています。良いところも悪いところも。とても密な取材されたのか、ご出身なのか存じませんが、ミステリーと相まって読みやすく分かりやすいと思います!

  • 面白かった

  •  「諜報のエキスパート」である防衛部調査班、朝香二尉のちょっと風変わりなところとそれを補佐する野上三曹とのやり取りはいかにもミステリーという雰囲気でとても面白かったです。
     でも時折出てくる「軍人」「軍隊」「国防」という記述や隊員同士の会話などには「…う~ん…」でした。
     作者はいつも「史実」に基づいて戦記小説を書かれていて、気になる作家のおひとり。この機会にまだ読んでいなかった初期の作品も含め、読んでいこうと思いました。

  • 遠州のとある自衛隊基地の隊長室から盗聴器が発見された。そこは進入不可能のはずであった。何者が何の目的で盗聴器を仕掛けたのか。防衛部調査班から派遣された朝香と、基地の隊員である野上が真相に迫る物語。

    存在は理解しているけど、中身はまったく知らない自衛隊という組織をわかりやすく描いていてとても面白かったです。物語の中で胸焼けするくらいコーヒーを飲む場面が多い。『頭上を対空レーダーの電波が常に飛び交っていることを実感した人がひとり増えたのだ』という言葉は読者である私たちに対して向けられた言葉なんだろうなと思いました。

  • 図書館より。
    自衛隊基地の侵入不可能な部屋の中に盗聴器を仕掛けた犯人を捜査するミステリー。

    ワトソン役となる野上三曹が語り部となって話が展開するのですが、それがユーモラスで面白いです。探偵役の朝香二尉とのやり取りも感じがよくて、好印象。他の登場人物たちもキャラがたっていてキャラづくりの妙が感じられます。

    自衛隊の内部の描き方もリアリティがあり、その点も面白いです。

    ミステリとしては伏線も張ってあって、調査の過程もすっきりとしたものだったのですが、トリックとしては少し喰い足りない印象がありました。

    しかしラストは非常にさわやか。朝香二尉のかっこよさもさることながら、野上三曹の葛藤もまたいい!

    ページ数は割と少なめだと思うので、自衛隊基地という舞台設定が少し重そうだと感じても臆せずに読んでほしいなあ、と思います。

    第14回メフィスト賞

  • 未完成の前作。面白かった。やっぱりこのシリーズ、もっと読みたかった。もうファンだから星5つ、の感じ。朝香二尉、超かっちょいい。自衛隊が地域から疎まれるというのはよく分かる。歴史を読むべきなのだ。ちょっと短めですいすい読めた。一番大事なのは統率。こんな立派な人たちなら、自衛隊と付き合いたいと思う女の人が多いのもうなづける。願わくば私も、と思う。

  • 自衛隊の閉塞された空間ミステリ。

  • 同じく自衛隊モノの有川浩の「空の中」を連想した。
    あっちでは「少なくても居る」だった女子が、こっちでは「居るけど少ない」と認識される。
    この差は大きいよなあって思ったことだけよく覚えてる。

  • UNKNOWN誤認。

  • 第14回メフィスト賞。
    ミステリとしての骨格は小粒。
    自衛隊と言う味付けが高評価を得ての受賞か。
    にしてももう少し話が膨らんでもいいと思うが。
    7.0

  • [ 内容 ]
    侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。
    密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。
    犯人の残した微かな痕跡から、朝香は事件の全容を描き出す。
    完璧に張り巡らされた伏線!
    重厚なテーマ性!
    リアリティ溢れる描写力!!
    熱く、そして端正な本格ミステリが登場した。
    第14回メフィスト賞受賞作。

    [ 目次 ]


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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 海自の情報漏洩事件の記事を読んだら、無性に読み直したくなった、ので読んでる。

  • メフィスト賞(14回)

  • 古処作品の初読みでした。
    珍しい自衛隊社会のお話。
    あまり知ることの出来ない自衛隊内部の仕組みを小説の一部として垣間見ることが出来ます。
    なんだかね、とっても品が良いのである。
    読み口が大変素敵。

  • 2009 12/25読了。つくば市立図書館で借りて読んだ。

    航空自衛隊レーダー基地の部隊長室にしかけられた盗聴器を巡るミステリー。
    ミステリーとしてよりも、自衛官の葛藤を描いた部分がグッと来た。
    もっと早く読んでおけば良かったと思う。

  • 良作だと思う
    もともと自衛隊畑にいたのかな
    作者のことよく知らないけど、官の抱えるものがリアルというか重みが伝わってくる
    地味な小さな事件が、このコミュニティの中では異様な大事件だというのが違和感なく読めて、すごいよ
    筆力があるってすごい
    職場のしつけのおかげで、主人公が25歳だって忘れそうだ

  • 久々のヒット。うーんこの忙しい時期にこんな作家に出会ってしまうなんてなんと間の悪いことだろうw
    自分の読書スタイルとして、ものすごく気に入った作家が見つかると既刊をどっさり買い込むんですが、
    久々に出会いましたよそんな作家に。
    軽妙洒脱な朝香と野上のやり取り。死人がでないミステリーなので読後感もすっきり!

  • 設定と状況は面白いんだけどなー。
    無理にミステリっぽい設定にしなければもっと
    面白くなるんじゃね? と素人が思ってみたり。

    だってトリック部分は速攻で分かるようなトリックだし
    そうなると犯人とその動機もあまりにも安易に分かるような
    書き方だしー。

    「ルール」は戦争小説として評価高そうなんで
    コッチに期待しますー。

  • 読みやすくて、一気に読み上げてしまいました。いい謎解き具合でした。でもな、だからって、自衛隊関係への感情は変わらない。同じく、有川浩を読んでも、なんか、フィクションぽい気がする…

  • うまく纏まってて良い。メフィスト賞が似合う小説だなー。

  • あれ?未完成とこっち、どっちが前作だっけのう
    やっぱり誰も死なない

  • 戦争小説もいいんですが、やっぱり古処さんで好きなのはこれと未完成の自衛隊ミステリです。
    野上三曹と朝香二尉のコンビがすごくすきなので。
    続きが読みたいです…。

  • 文庫は改稿されてた。ノベルズのノリが好きである。

  • 自衛隊を舞台にした珍しいミステリ。読みやすい上に、そこはかとなく作者の品の良さが窺える。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。2000年4月『UNKNOWN』でメフィスト賞でデビュー。2010年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。17年『いくさの底』で第71回「毎日出版文化賞」、翌年同作で第71回「日本推理作家協会賞(長編部門)」を受賞。著書に『ルール』『七月七日』『中尉』『生き残り』などがある。

「2020年 『いくさの底』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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