- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061821224
感想・レビュー・書評
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2000年の、ノンシリーズの有栖川有栖作品。
元々は、1998年に上演された推理劇のために原作として提供した物語だそう。
そのためか、セリフの掛け合いが多い良質なコントのような印象でした。
上司に射殺された刑事が、自身が殺された事件が解決できないことで成仏できず幽霊となり、その姿と声はイタコ家系の元後輩刑事にしか見聞きできない、というシチュエーションが終始続きます。
現世への心残りとして、元同僚で婚約者だった女性刑事への届かぬ愛が、切なさを加味しています。
結末は、推理劇としてのカタルシスは物足りなさがありましたが、ラブストーリーとしては切なさに泣かされました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん、哀愁極まる本格ですかあ~
私は怠くてダメでした
2.5点 -
ラスト、切なかった。
主人公が亡くなっていて、フィアンセがいる時点で読めるんだけど、やっぱり泣けた。
話は聞けて、姿も見えて、香りも感じるのに自分の存在をアピール出来ないというのはホントに辛いものなのかもね。
須磨子の子どもの頃のUFOを見た話は、身に染みる思いでした。
何気なく過ごしている毎日というものは、実はかけがえのない日比だったんだね。
『日常』でも笹原君が言ってましたし(笑)。
私も幽霊に「お前の生活、幽霊と一緒だよ。替わってよ」
なんて言われない様に、心を改めなきゃと思いました。
因みに、今回も犯人当てられず。
名探偵には程遠い(笑)。
(2013/1/14 読了) -
初めての有栖川さん。名前は何度か聞いておりました。ほほう、という印象を受けました。幽霊というものにもしもなったら、の感覚的なリアルな描写が上手いなぁ、と感銘を受けました。こういうリアルティがいいんだろうなぁ、と思いつつ読み進めていくとしっかりと推理物でもあり、早川という登場人物の良さがあり。そして、最後に数ページの全てを読み終えた人ならばとても美しく映える空白。あえて評価しないにしているのは今回が初で、そしてこの作者の小説を読んだ限りでは、この作品以上の物がきっとたくさんあるんじゃないかと思わされたためです。底力、という何か直観的なものを私が感じる作品でした。そう言う意味で、今回は初というわけで評価はしません。今後また、有栖川さんを読みたいと思います^^
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殺された刑事が幽霊になって戻り、自分を殺した犯人を逮捕させるよう奮闘する。家族にも婚約しようとしていた恋人にも彼の姿は見えず、霊媒の素養のある同僚の早川だけが彼を見ることができるというおもしろい設定。
主人公の刑事、神崎だけでなく、その署では以前にも警官が殺されていた。二つの事件に関連はあるのか?
次から次へと予期せぬ出来事が起き、テンポよく話が進む。神崎と早川とのコンビがいい。しっかり伏線も張ってあって、謎ときとしても楽しめるが、恋愛要素もあってよかった。
どこにでも忍びこみなんでもすり抜けられるが、恋人のそばまで行っても気づいてもらうことも触れることもできないというのはつらいだろうな。事件が解決したら幽霊となって漂うこともなくなるのか?
最後はやっぱり、胸にせまってくるものがあった。 -
何これ?!っていう突拍子もない設定(主人公がしょっぱなに殺されて幽霊になって復活する)なんだけど、そこからは確かに本格推理。
途中にちゃんと伏線もあり、きちんと読めば犯人もわかるはずなんだけど、ついつい人物描写?!にはまり、最後まで一気に引っ張られます。
なんじゃこら?!だけど、すごくおもしろかった!さすが有栖川さん! -
幽霊だって、
人の感情を持ってるし、
事件を解決に導くし、
そう、恋人を愛せるんだ。 -
幽霊が刑事と言う設定に面白そうだと惹かれて読んでみました。
ミステリとしての謎解きもあり、相棒の早川君との掛け合いも楽しめ、ラストの数ページで泣けるような恋愛話でもあります。
あの数ページに何か隠されているのかと見返してしまいました。
ミステリを敬遠してる方などにも読んで欲しい本です。 -
とてもメルヘンチックな作品だと思いました。
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骨太でおもいしろい。犯人がつかめない。