美濃牛 (講談社ノベルス)

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レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (542ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821231

感想・レビュー・書評

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  • 病を癒す力を持つ「奇跡の泉」があるという亀恩洞(きおんどう)は、別名を〈鬼隠れの穴〉といい、高賀童子(こうがどうじ)という牛鬼が棲むと伝えられていた。運命の夜、その鍾乳洞前で発見された無惨な遺体は、やがて起こる惨劇の始まりに過ぎなかった。古今東西の物語の意匠と作家へのオマージュが散りばめられた、精密で豊潤な傑作推理小説。

    横溝正史オマージュらしい(未読申し訳ありません
    ノベルスP527。膨大な薀蓄が無ければ半分で済みますね…

    土俗的な舞台にリゾート開発を盛り込み、閉ざされた村や古めかしい要素に、現代が押し寄せてくるというなんとも変わった背景。
    探偵ではなく、取材に来たライターの天瀬を主人公に置くことで、村の紹介が呑気に延々続く。突如首切りが現れたことで、次々と殺人がはじまるのだが、探偵が軽い笑。そして警察も割と無能なのがまた今作のページ数に関係するのでは…

    真相とその動機には震えあがる。
    ミスリードの大胆さ。緻密さ。作者と犯人ようやりますな…

    窓音という無表情JKがいたり、出羽と村長のラブコメあり。わらべ唄。俳句会。牛牛牛。事件の外の日常、キャラクターがツボだった。文章が読み易いというのは作者の才能である(何度も言うが長いけどね…

    『美濃牛』の存在について
    シャカミスの課題本で話題となりましたが、私の見解より、より深く先がみえていた皆さんのおかげで、正しい解釈に近づけたように思います。感謝。

    エピローグの後、プロローグを読み返そうね…

  • 名探偵石動戯作が初登場する一冊。

    横溝的山村で金田一的名探偵が活躍しています。「八墓村」とか「悪魔の手毬歌」「獄門島」辺りが好きな人なら楽しめるかと。
    石動さんのとぼけたキャラクターもいい感じです。

    しかしまさか「黒い仏」であんな展開になるとは、この頃は予想もしていなかったのであった。


    読了日:10/01

  • 石動戯作シリーズ一作目。殊能作品はやはり非常に読みやすい。文庫換算750ページほどの大作でも1日で読めるほど。内容は横溝オマージュであるが未読でも問題ない。小さな驚きを小出しにしていきながら最後には全てが逆説的に繋がっていくストーリーの綿密さは壮観。牛に関する引用や石動の蘊蓄は面白く、時に深い考察の余地を残す。冒頭で早々に明かされる犯人と結末は、長い物語の中でどうそこに繋がるかを推理させ、同時に強力なミスリードに誘い込む。古典をアップデートする逆説の村の殺人事件。作者特有のユーモアも安定して面白い。

  • 厚さのわりに余白と蘊蓄が多く、また文章も簡単なのでとても読みやすい。このシリーズはわりと何でもありで、SFのようなものから賛否両論あるものまで様々と聞いていたが、本作は至ってまじめなミステリーという感じだった。叙述トリックや意外性だけに頼らない内容も好感度が高かった。登場人物も、皆とても魅力的に感じられた。
    私はベタ好きなので、当たりだった。

  • 首なし死体に始まり、名門の一族が次々に殺されていく。あたかも伝承されたわらべ唄のごとく。横溝作品を彷彿とさせる。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyou16802.html

  • 横溝正史の舞台に海堂尊の登場人物が迷い込んだ様な作品

  • 図書館にて借りる。

  • 面白かった。
    「ハサミ男」より断然面白い。

  • 石動戯作、魅力的だなあ。と思ってたら、これシリーズ一作目なんですね。
    もう新作を拝む事は不可能ですが(泣)

    「It's Deconstruction」
    日本語訳があるのに気づかず、頑張って脳内で和訳しました・・・。

    哲史さん殺害の際に「これは入れ替わりトリックがある」と読んでいたのですが、まさかあの人とは!

    500ページの大作、だけど面白くてあっという間。

    殊能氏のご冥福をお祈りします。

  • 『ハサミ男』よりこっちのほうが好き。現代版横溝(ただしぬるめ)。少々強引…というか納得いかないところもあるもののまあ満足です。石動さんも探偵してるし!(笑)


    途中まで飛鳥がアントニオになるんだとばかり思ってたから最後にアントニオ本人が出てきた時がこの本で一番驚いた瞬間だったというのは秘密。

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2016年 『子どもの王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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