美濃牛 (講談社ノベルス シL- 2)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 471
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (542ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821231

感想・レビュー・書評

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  • 石動戯作シリーズ一作目。殊能作品はやはり非常に読みやすい。文庫換算750ページほどの大作でも1日で読めるほど。内容は横溝オマージュであるが未読でも問題ない。小さな驚きを小出しにしていきながら最後には全てが逆説的に繋がっていくストーリーの綿密さは壮観。牛に関する引用や石動の蘊蓄は面白く、時に深い考察の余地を残す。冒頭で早々に明かされる犯人と結末は、長い物語の中でどうそこに繋がるかを推理させ、同時に強力なミスリードに誘い込む。古典をアップデートする逆説の村の殺人事件。作者特有のユーモアも安定して面白い。

  • 面白かった。
    「ハサミ男」より断然面白い。

  • 『ハサミ男』よりこっちのほうが好き。現代版横溝(ただしぬるめ)。少々強引…というか納得いかないところもあるもののまあ満足です。石動さんも探偵してるし!(笑)


    途中まで飛鳥がアントニオになるんだとばかり思ってたから最後にアントニオ本人が出てきた時がこの本で一番驚いた瞬間だったというのは秘密。

  • 「鬼の頭を切り落とし…」首なし死体に始まり、名門一族が次々と殺されていく。あたかも伝承されたわらべ唄の如く。

  • 図書館より。

    石動しりーず一作目で、とにかく面白く読んだ。
    ハサミ男で味をしめ、しゅののんの魅力にどっぷりと取りつかれた。
    美濃牛というタイトルを筆頭に、直接ストーリーや謎解きのヒントになるわけではないのだが、クレタ島のミノス伝説にまつわる名前をもじった名前が多く出てきて、神話だいすき人間としてはHSHSしっぱなしだった。。

    ポタ研仲間の先輩と石動さんの電波コンビにはまいった!w
    一作目の段階では、まだ石動さんのイメージは、「ちょろちょろ動き回る、変で話題の偏りが著しいけど、ほがらかで明るい青年」というところにとどまっている。

    推理やトリックにはそんなに無理はなかったかなあと思うが、ただ、プロローグの意味は最後まで解らなかった。
    この人は、作品にほんの少し理解不能な部分をまぜこむことで、いわば意図的に「ヴィーナスの腕」を造り出そうとしているのか?


    ***以下ついったログ***


    黒い仏も借りてくればよかった、と後悔している。美濃牛もハサミ男も大好き。何て言うかな、文体が好みだし、人物に対するまなざしが好感持てる。
    posted at 09:26:54

    今美濃牛読んでたら 今日が横溝さんの命日なのか
    posted at 08:41:00


    表紙を見てはじめて、美濃牛の意味がわかったwwだんだん読んでいくうちに面子が揃っていく。クレタ、 テーセウス、アリアドネ、アステオース、パシパエー、ダイタロス、までは見つけた。もし神話通りだとすれば、これはアリアドネとテーセウスの物語になるはず。 #美濃牛
    posted at 21:02:34

  • すごい才能と先達への敬意。いいなあ

  • 首無し死体、牛の銅像に突き刺された死体…これは童謡の見立て…と横溝風に田舎の集落で起きる連続殺人事件。
    本の分厚さを感じさせない筆力はさすが。途中だれること無く一気に読ませてくれた。
    村のあちこちをふらふらしながら、石動が名探偵よろしく事件に首を突っ込んでいき、最終的に警察からも情報提供してもらえるところまで食い込んでいくところは、名探偵モノ好きには安心の展開w
    次作の黒い仏もそうだが、モヤモヤしているところは残るものの非常に面白かった。
    音楽の蘊蓄は良くわからなかったが、でてくる料理は美味しそうだった。

  • 意外なラストでしたがハサミ男の時ほど衝撃はなかったです。でも長さを感じさせず読ませる力は流石です。石動さんのキャラが好きです。

  • 珍しく石動が探偵してる。

  • 080127貸出。080218読了。
    暗号はなかなか凝ってて素敵。
    話は・・・悪くないけど、ハサミ男がすごすぎたので、いささか普通。
    長閑な田園風景と村はもっと書けると思う。石動(いするぎ)さんはいいキャラだと思うけど、名刺に関する引っ掛けは微妙。

著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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