- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061821309
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
過去の既読本
-
読んでいる途中で、この話のメインのトリック(叙述の方)は何となく読めるのですが、犯人も含めて完全に分かるか?という作者からの挑戦を感じました。(ヒントの出し惜しみしすぎて、真相が分かった時も「ふーん…」ってなってしまうのはあまり好みではない)ここまでヒントをもらっておいて分からないのは悔しかったので、一応頑張って推理したのですが、分かったのは叙述部分まで。結局真犯人も殺人トリックも分からず、悔しい思いをしました。話しは、まぁ…なんというか、女性にはお勧めしづらい作品です。ハッピーエンドで終わって良かった。
-
再読。大体十年ぶりくらいに読み返した。まあ内容を覚えているわけもなく! 発行が2000年なので、出て一年後くらいに読んだんだな、これ。
タイトル通り、結婚式、花嫁、ウェディングドレスを据えた話。悲惨な話だった気がする、程度の記憶しかなかったですが、たぶんちょっとグロエグだったのをそう覚えてたんだと思います。
式をあげるその日に浚われ乱暴された女性と、式をあげるその日に花嫁が行方不明になった男性、二人の視点で話が進みます。以下空白ネタばれ反転処理。
その女性視点と男性視点と、加えて「AVの内容」の混ざり具合が上手すぎて、無駄に混乱することもない。初っ端から祥子が相手を「ユウ君としか呼んでいない」ため、「ユウ君が二人いる」ってのはなんとなく分かる。話の途中辺りで、「二人の時間軸がずれている」のでは、と疑問を抱き、終盤でああなるほどやっぱりね、と綺麗に纏まってるので安心して読めました。ちりばめてあった伏線が綺麗に回収できてるような、そんな感じ。ラストもハッピーエンドだったし。妙な戦闘になることもなく、変な能力を持った人物が出てくることもなく、本格ミステリってわけじゃないんだけど、良い意味ですごく普通のミステリってのがこんなに安心して読めるものだったんだってことを思い出しました。
個人的には「パラレルワールド」に関する話題を出したことも伏線の一種だった、ってのがすごい好き。
11.01.06 -
第16回メフィスト賞、受賞作。通称「クロケン」のデビュー作。
『私』パート:母親の四十九日の法要の帰り道、ふらふらと歩く祥子は「ユウ君」に出会った。不器用で引っ込み思案で口下手――自分に自信が持てない祥子だったが、彼に出会って3ヶ月経ったある日プロポーズをされてそれを受けた。幸せになるはずだった。しかし式当日、忘れ物を取りに戻ったユウ君をウェディング・ドレス姿で待つ祥子の元に、彼の事故を知らせる電話が入る。急いで病院へ向かう途中で2人の男に連れ去られ、陵辱を受ける祥子。ようやく帰り着いた彼女に、無常にも婚約者の死が告げられた・・・・。
『僕』パート:「嬉しいよ、ユウ君」そう言って祥子はプロポーズを受けてくれたというのに、彼はまだ彼女に愛されている自信が持てなかった。その日の夜に掛かってきた「誰か」からの電話、月曜と金曜には決して電話に出ない祥子のスケジュール。そんなことがあるはずが無い。疑念は打ち消したはずだった。
しかし式当日、遅れてついた教会には待っているはずの祥子の姿はなく、いたのは同じように「婚約者」を名乗る男が2人。そして祭壇の上には引き裂かれたウェディング・ドレスが…!
すれ違い、出会えない2人。それぞれの日々に存在する、矛盾した事実。AVビデオ「13番目の生け贄」のかつての撮影現場で起きた、異常な殺人事件。それらすべてが解ける瞬間は、「ユウ君」と「祥子」、2人があの場所でようやく再会を果たせる、その時から始まるのだ。
ネタバレしてないか、びくびくしながらレビューを書くのは久しぶりな気がします(笑)。それほどまでに、トリックが散りばめられた作品です。帯文『体脂肪率0パーセント』のあおりは伊達じゃぁありませんよ。これがデビュー作とは思えません。ばら撒いたトリックをほとんど無駄にせず、ラストに繋げてあります。(せっかく仕掛けても、まったく意味をなさなかったりする作品も時々見かけますからねー…) ただ、仕掛けが多い分、勘のいい人は序盤でなんとなーく気づいてしまうかもしれませんね。なんとなーく、であって「それが何を意味するか」までは気付くことはないと思うので、問題はないのでしょうが。
万が一「分かっちゃったよ、ちぇっ」って場合は…細かい仕掛け・繋がりを逐一チェックしたらどうでしょう? その位コアな読み方をしてもいいくらい、面白い作品ですよ。
個人的に言うならば陵辱=レイプの扱いがなんだか軽く捉えられすぎている点に不満が…。「女」な私としては少々不快感を感じるのです。論理性重視の弊害なのでしょうか… -
これ、すすめられないじゃん!!
女性向けではありません。
タイトルに騙されて自死なさらぬよう。
推理ものとしてはあまり目新しくはなく
その事件の凄惨さで、「押す」タイプ。
なので苦手な人はこれは読めない、読みきれない人が
出てくるかと。
犯人は…意外なところに、ですが
かなりぐろいです。
終始グロいがつきまとうことでしょう。
疲れる本ですな。 -
ミステリ的な驚きはさほどないかと。ウエディングドレスのエピソード、それなりに「良い話」なのにそこはかとなく浮いている気がするのが惜しい。
-
ユウ君にプロポーズされた幸せな晩。それはユウ君と祥子の奇妙なドラマの序章だった。結婚式の日を境にすれ違い続ける二人。それぞれがそれぞれの立場で事件を追いかける。二人が再会したとき、不可解なパズルが完成する。
大森望氏の推薦文が凄い。「キャラ立ちなし、蘊蓄なし、洒落た会話も気の利いたジョークもなし。すべてが謎とトリックに奉仕する、体脂肪0パーセントの新本格。」だそうな(笑)
私は本格とか新本格とか難しいことはわからないが、面白いぞ。確かに、ストーリィの素晴らしさが全てというところはある。文章がいいわけでも、キャラに思い入れができるわけでもない。読んでいると気分はパズル。展開の奇妙さに、気がつくと謎解きに首をひねっている。キャラのドラマを読みたい人には不向きだが、別にそんなミステリィばかりでなくてもいいだろう。読んで面白いのが一番。 (2002-03-22)
著者プロフィール
黒田研二の作品





