木製の王子―非情の超絶推理 (講談社ノベルス マC- 6)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821415

感想・レビュー・書評

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  • やーばい…ホントぶっ飛んでる(^▽^;)

    大満足でお腹いっぱいです…
    麻耶雄嵩…頭の中を覗きたい…‎߹ㅁ‎߹)♡



    メルカトル鮎シリーズ第6弾!!

    とはいえ、今回の探偵は、木更津悠也とビブルの会の皆さんです。

    時系列的には『痾』の続きで烏有にとっては桐離と◯◯◯が心理的な問題の基盤となっています。

    『夏と冬の奏鳴曲』で桐離との経緯も出てくるので、順番に読んだ方が良さそうです。

    木更津悠也と香月にとっては、この作品の少し前の時系列が『翼ある闇』で、何度も話が出てきます。


    さて『木製の王子』ですが……

    まず、ページを開き目に飛び込んでくるのは、ミステリ好きなら誰もが興奮するであろう【家系図】

    一目見て、その異常さに驚きます…

    心の声「これ絶対面白いやつじゃん!!!!」


    それだけでミステリ1本出来上がるのではないかと思ってしまったワタクシですが、当然それだけじゃあありません…(-∀-`; )

    頭がおかしくなりそうな時刻表の細かさ!!
    思考停止ですよ笑笑
    見取図と見合わせて、計算計算計算ですね…。
    (もちろん私はしていません笑)

    そしてそして、やはりメインは殺人犯の異常性。
    ピアノの上に生首。
    摩耶先生生首好きですね♡

    これらがこの一冊に詰め込まれているっ…!

    もう面白くないわけがない!!


    烏有の働く出版社の新人、安城が取材に訪れた比叡山の麓に隠棲する白樫家。

    彼はこの家と深い関わりがある。
    それを確認するために乗り込もうとするのだが…。

    各部屋に必ず時計がある、計算されつくした時刻表を解読セヨ(-_-;)


    メルカトル鮎シリーズはどの作品もぶっ飛んでいる。
    …というか、摩耶作品が全てそうなのか?

    毎回なのだが、芸術作品に関する描写が多く、話に熱が入る人物達の様子がまるで宗教の信者のよう。

    主人公までもおかしいのでは?と疑ってしまう不安定な心情や態度で、犯人なんてとても当てられません…
    みんなあやしい…。


    ラストもド派手で最高でした…(º﹃º )♡

    大好き♡


    私、このシリーズを電子書籍で揃えているのですが『痾』と『木製の王子』だけ電子書籍化されていません…(༎ຶ⌑༎ຶ)

    しかもノベルス、プレミアついて高値になってる…!!

    再販してくれれば買うのに…!

    講談社さん、どうかどうかよろしくお願いします!!( 人˘ω˘ )♡



  • うわぁ...これは凄い... 流石の麻耶雄嵩...!
    気が狂いそうなアリバイトリックもそうだけど、その後に分かる真相もヤバい!(語彙力)
    人によっては壁本認定されてもおかしくない作品ですが、自分にはピンズドでした!

  • 結局、木製の王子ってどう言う意味だ?色々検索してみてthe wooden princeでヒット。バルトークのバレエ曲が出てきた。これか? 被害者の白樫晃佳が好きだったのはフランスのピアノ曲だったんだけどね。曲調は全然ちがうよね。the wooden princeのストーリーも検索してみるが、、うーん、これなのだろうか?

    本編は面倒臭いに尽きる。差し込まれる細切れの話しも含めると、すごい登場人物数だ。とても覚えていることは出来ない。仕方なくメモを取りながら読み進む。前作、前々作からの登場人物もいるので、そちらを読んでいたら少しは苦労しなかったのかも知れない。結果、細切れ話しの登場人物は無視しても支障はなかったが、ちゃんと覚えているとトータルで繋がるっちゃあ繋がる。でもどこかあやふやでスッキリ感はない。

    途中、ピブルの会なるミステリー同好会が登場して、一心不乱に事件の謎解きに興じるけど、ミステリー好きってこんな感じなの?自分はミステリー苦手なのでよく分からないです。 とは言え、存在するはずのない名前が出てくると気になるし(誤植かと思ったけど、特に麻耶さんの場合、油断できませんね)、なんとなくカラクリが判ってくると、答え合わせをしたくて先へ先へと読み進めてしまう。これがミステリーの魅力?

    特異な宗教の教義が語られるのだが、ちょっとおざなりな印象。細部にリアリティを持たせることには余り力を注いでいませんね。タイムテーブルなどトリック系の部分と比べて扱いが雑な気がします。

    エピローグはシリーズ通しての登場人物、烏有の主観。シリーズものだから仕方ないのだが、この作品しか読んでない自分にはあまり感慨はない。あ、でもこれ一作でも十分楽しめますよ。

  • よく考えられたパズルのような家系図…家系図の真実は鮮やかすぎて惚れ惚れした。
    ちょいちょい挟まれる謎の人物たちの独白も、あまり注意せず読んでいたがなるほどここに来る前の彼らだったとは…
    安城が来たことで崩れ始めたのも納得。だけど、そんなこと分かるはずもない安城がただただ可哀想だった…
    あと結局決断出来ずまま結婚しちゃった烏有くんの将来が心配です笑

  • すごかったな…。
    背表紙に「非情の超絶推理」て書いてあって、どんなんよ、と思ってたけど、確かに非情の超絶推理だった。
    とちゅう木更津がアリバイの説明をするところは完全に目が滑って、でも麻耶雄嵩が普通のアリバイものなんか書くわけがないと思ったのであまり考えすぎずにスルー。でも一応そこから正解が導かれたのね。しかしまあほんとに…すごいとしか言いようがない。
    読んでて時系列が気になってきてシリーズを読み返そうかなと少し思ったけど、しかし時系列を掴んだからなんなんだ?という気もする…

    幕間の脈絡のないいろんな人たちの独白があとで効果的なんだけど、これなんか竹本健治っぽいなーと思った。あんまり関係ないかもだけど、不安になる感じがウロボロスシリーズを連想するのかな。

    タイトルの『木製の王子』の意味を知りたい…わからない…安城くんのことなの?

  • 麻耶さんの本領発揮。直前にメルカトル鮎シリーズを読んでいたせいで、真面目によまなければと決意してたのですが…感想はえぐい、そして、なにそれ!うゆーさんの扱いも麻耶さんらしい。痾を超えて好きかも。夏と冬の奏鳴曲、翼ある闇で麻耶ワールドに浸かった方にはお勧めしたい!

  • また今回も色々と壮絶な話だった。安城くんの心理からすればこんな終わり方って…。麻耶雄嵩先生らしいといえばらしいんだけど悲しいなぁ。犯人の動機は理解できるけれどそれを実現させた実行力と妄執が凄まじすぎる。それにしても今作は烏有さんの存在感があまりなかったなぁ。

  • 誕生日に読了。素晴らしい読書体験。やはり麻耶は神。相変わらずのカタルシス。

    屋敷に住む一族。家系図。切断された首。そしてタイムテーブル付きのアリバイ崩し。
    腰を据えて謎解きに挑むも…みんなも一緒に頭を抱えようぜ!!

    凄まじい真相はやはり麻耶にしか描けない到達点であった。巧妙なパズル➕カタストロフィの傑作。

    麻耶雄嵩という作家はやはり期待を裏切らなかった。

    木更津にニヤニヤ。香月にまたニヤニヤ。う、烏有おまえ…

  • 2017/09/27

  • 以前一度読んでて、その時は微妙な感触だった。
    再読して、なるほど、と思った。
    この作者は独自の世界を築くのは三津田氏とか綾辻氏とおなじだけど、その世界が過去の作品と密接にかかわっているし、本格の枠組みを超えている。
    一作一作は独立しているけど、この作品も過去の作品を読んでないとわかりにくい部分(特に人間関係)がある。
    さらに、もう一つの特徴が、リアルであるというのは無視して本格のエッセンスだけを抜き出してそれで作品を構築してしまうところ。
    本作でも、分刻み(秒刻み)のアリバイ崩しとなるが、こんなのいちいち追っかけられないし、その背景となるトリック(真犯人)だって、リアルではない。
    しかし、それも含めてこの作者の独自世界で、それはそれでその世界にどっぷりと浸かると、今度はどんな世界を見せてくれるのだろうと、楽しみになる。

    ・・・しかし、”家族”が全て他人(カルト教の信者)で、教祖?の指示で寸分たがわず動いていた、というオチもすごいが、それで幕間の意味のない登場人物が活きてくる設定も見事。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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