御手洗潔のメロディ (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 155
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821514

作品紹介・あらすじ

「神の暗号だ!」消えた謎の美女と店で頻発する便器盗難事件。奇妙な出来事の想像を絶する接点(「IgE」)。看板に集中した弾痕。ハーヴァード大時代の天才的推理を発掘(「ボストン幽霊絵画事件」)。名探偵の秘めた素顔が深く心を打つ「SIVAD SELIM」「さらば遠い輝き」。御手洗の現在と過去、本格の未来を照射する事件簿。

感想・レビュー・書評

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  • 4篇収録の短篇集。

    ミステリ色が強いのは「IgE」と「ボストン幽霊絵画事件」で、あとの2篇は事件性のない御手洗にまつわる思い出についての手記。

    4篇に共通するのはタイトルが醸し出す雰囲気そのままのセンチメンタルさだろうか。

    「SIVAD SELIM」の追憶の甘みのくだりが印象的。

    p104 「どんな陰惨な事件も、時を経れば追憶に甘みが出る。それはまさしくただの酸っぱい水が酒に変わっていく過程なのだが、同時に他人事たる残酷な事件が、ますます他人事になっていく過程と言えないこともない」

    夏になるとテレビ局がこぞって感動系の戦争ドラマを放映する。そんなことを連想した。

  • 「御手洗潔のメロディ」島田荘司◆ファミレスの便器が壊されることに端を発する「IgE」など4編。御手洗は基本的に善意の人で、遠回しな優しさが捻くれて見えるのかも。石岡くんと出会った時のことに触れられているのが面白いのですが、石岡くんに対するレオナの嫉妬は筋違いのようにも思える。

  • 御手洗シリーズの短編集。
    軽いと言うには違和感を感じるが、長編の重さに比べると大分読みやすい。
    何だかんだで石岡くんが出る前二作が好きです(特に『SIVAD〜』が)、しかし『さらば遠い輝き』も捨てがたい。
    ミステリではないが、中々引き込まれてしまった。
    レオナさんには悪いが、ずっとこんな関係で居て欲しいと思ったり。
    『異邦の騎士』が久しぶりに読み返したくなりました。

  •  この本は短編集。島田さんの話は長編も短編も面白いですねぇ。
     御手洗さんと石岡君が仲良すぎだ。

  • 『IgE』
    音楽家・秦野大造からの依頼。自分の元に通っていた女性の行方を捜すというもの。誰かに狙われていたという女性。ファミレスSに努める宮部からの依頼。壊される子供用トイレの便座の謎。傷つけられる杉の木の秘密。

    『SIVAD SELIM』
    外国人身障者の為のチャリティーコンサートへの出演依頼。石岡君の審査員。大事な約束の為にコンサートをキャンセルする御手洗。御手洗の黒人の友人の秘密。

    『ボストン幽霊絵画事件』
    アメリカ時代の御手洗の事件。銃撃された「ZAKAO TOWING SERVICE」の「Z」の文字。向かいのマンションに住む漫画家アッカーマン。アッカーマンの銃器学校。彼の秘書ローラの協力。行方不明となったアッカーマン。彼の子供たち日系人のクリストファー中尾。マンションでの火事。発見されたアッカーマンの遺体。壁に浮き上がったある人物の顔。壁が告発した犯人の顔。

    『さらば遠い輝き』
    レオナとハインリッヒの出会い。ハインリッヒが語る御手洗の心。『異邦の騎士』事件での秘密。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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