- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061821811
感想・レビュー・書評
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本筋はミステリーだけどら日本を取り巻く様々な問題も突きつけられる。自分はきっと他の国の人々よりも生ぬるい環境で暮らしているんだろうな、と思わされる。
登場人物はとにかく皆んなカッコよくて、そして優しくて強い人たちばかり。
シリーズ物だと知らなかったので、他の作品も読もう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アンノウンの続編。朝香二尉と野上三曹コンビの話です。
島の基地内で 小銃紛失。誰がなぜ?
推理としても楽しめますが 自衛隊の内部の話も 色々考えさせられる内容になっていますので そちらも興味深く読み応えがありました。 -
「アンノウン」のその後、またあのコンビが登場。
小さな島の自衛隊基地で起きた銃消失の調査のため、島へやってきた二人。
自衛隊、国防、戦時中の強制連行、在日問題など、
ミステリーの謎解き以上に大きな重い物、作者が本当に伝えたいのはそこなのだろうと感じた。 -
孤島の自衛隊射撃場で小銃が紛失します。謎は「誰が」「どうやって」の後に「なぜ」に焦点があてられます。謎が小粒過ぎてあまりストーリーに魅力を感じないのは否めませんが、随所にヒントをさり気無く伏線を忍ばせしっかりとした本格ミステリーが構築されているので、純粋に推理を楽しめる作品だと思います。
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★4.5
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「諜報のエキスパート」防衛部調査班、朝香二尉と相棒の野上三曹登場の自衛隊内ミステリーの第二段。
ミステリーとしては、これも面白く読めました。 野上三曹が「幽霊が恐い」というのは、笑ってしまいました。
でもやっぱり「軍人」「軍隊」「国防」という記述には ちょっと身構えてしまいます。 -
古処誠二の現代物3冊目。
思考停止してない自衛隊もの。
この人は戦記に移動してよかったんだなあ。 -
8位
ミステリは教養小説になり得る。
少なくとも古処誠二さんにとっては。
私は古処さんの『UNKNOWN』
を読んで、新鮮な感動に襲われた。
舞台は現代の自衛隊。
ちょっと単純で明るい主人公が
不思議な名探偵の導きで
自分の今いる場所を考えるようになる。
まぶしいほどさわやかな成長小説だった。
しかし成長はそんなに続かない。
残念ながらこのシリーズは
二作目の『未完成』で終ってしまった。
以後の古処さんは答えのない
現代文学を書いている。
『戦争文学を読む』にめずらしく
インタビューが載っているけど、
笑ってしまうほどストイックな人だ。
唐突なたとえだけど、
アガサ・クリスティーにとっては
ミステリを書き続けることが
人生に立ち向うことだった。
彼女の偏見、衰弱、限界、
様々なものがミステリに現れている。
しかし古処さんにとっては
ミステリを捨てるというのは
なんとも誠実な行為だったと思う。
私はミステリという形式が好きだが、
それが万能ではないということは
肝に銘じておいた方がいい。
私の保守的な好みは
打破された方がいいのかもしれない。
著者プロフィール
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