硝子細工のマトリョーシカ (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 142
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061821934

感想・レビュー・書評

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  • テレビ局を舞台に劇中劇の劇を演じる。途中でどこがフィクションでどこがノンフィクションがわからなくなったけど、それこそが狙いだったのね。ラストはえー、それだけーって物足りないが、これを本当にテレビドラマに仕立て上げたらかなり面白いだろうな。

  • タイトル通り、マトリョシカの様な劇中劇の中の劇中劇……複雑すぎて入れ子を出して整理したい気分。

  • 読者に提示しているものの外に全く別の真実がある… という魅せ方がとてもうまいなと思いました。多重構造もの大好き。まさにマトリョーシカ。
    アレな主人公にまつわる伏線の数々も読み直すとぴたりぴたりとパズルがはまって興味深い。

  • 黒田研二の描く女性は、正統派「ヒロイン」て感じがする。
    決して悪い意味ではなくて、愛らしくて健気で、少し気負ってしまうほど一生懸命で、悲しみと共に生きている。その生々しさのない、少女でも女でもない「ヒロイン」を描く感性が好きで、私はこの人の作品を読み続けているのかもしれない。
    ミステリとしての動機は王道で、ある意味、丁寧に緻密に組み立てた正当なトリックで(言葉遊びや読者の裏をかこうという意図的な“騙し”ではなく)、読む前に期待をするような派手さはないんだけれど、優しくて清々いキャラクタが不快ではないから、何となく読もうかな、という気になってしまう。

    マトリョーシカという題名から、今回は何となく内容が想像されてしまいましたね。
    …あ、いま気がついた。
    この人の描く犯罪の動機って、異常性とか快楽性が薄いのかもしれない。
    登場人物の愛情、それも精神性の強い他者のための愛情、が心地いいのかもしれない。

  • 2002年度版本格ミステリベスト5位。いやー、登録者少ないなー。入れ子構造というふれこみだったけど、確かに入れ子だった。かなり混乱。二重構造のドラマとそれを見ている観客かと思いきや、観客のとこまでがドラマという三重構造。しかし歌織が昭島のことを嫌いなら、いつまでも「準君」なんて呼ばないと思うけど。安藤レオが現実にいたら絶対好きにならないけど、意外といい役だった。しかし好きな相手を苦しめないために、と殺そうと思うかね。まぁ結局泣いたりして殺さないんだけど。何か誰一人感情移入できない感じ。

  •  この人の作品「ウェディングドレス」もそうなんだけどポップでB級で危機感がないのよね。そこが好きで個人的には当たり外れ少ないと思っているのだけど、生粋のミステリキチガイ的にはもう少し歯ごたえ欲しいと思うのかしら。

  • 入れ子形式で進むストーリィ。マトリョーシカというのはなるほどなタイトルだ。マジシャン黒田研二氏の技が冴える。
    今回はわりとキャラクターが描かれており、感情移入しやすい構成になっている。しかし、感情移入させておいて…という筆者の逆転はさすが。
    もちろん面白い。 (2002-04-25)

  • つつつ...疲れた。こういう構図な作品だろうなー
    っていうのはタイトルから予想出来たんですが
    ここまで現実、ドラマ、劇中劇などが小刻みに
    入り交じって、入り組んでストーリーが展開されると
    もはや、何が何だかもう分からないっす。
    登場人物も登場人物としての名前に更に役名まで
    振ってるもんだから人物を把握するだけでも
    シンドい作業。

    ゆっくりと丁寧に読めばさほど混乱したり
    分かり難くなったりしないかもですが、自分の
    様にせっかち気味に結末まで焦って読むタイプ
    にはもはや、トリックがどうのとか犯人が誰とか
    関係なくなってきて、早く終わってくれーという
    読書としては本末転倒な結果に...。正直、毒入りの
    お茶の件なぞ、あまりのクドさに途中から諦めて
    読み流してしまったし...orz

    自分的にはクロケン作品の中では
    珍しくハマらなかった一冊。

  • テレビドラマの中のストーリーと現実に起こっている話が絡みあい、どこまでが現実か解らなくなるミステリー。登場するオタクの徹底ぶりが清々しい。

  • 構造や真相やらにもびっくりしたけれど、名前を使ったネタに一番驚いた。これ、映像化したものを見てみたいかも。

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著者プロフィール

作家。2000年に執筆した『ウェディング・ドレス』で第16回メフィスト賞を受賞しデビュー。近年は『逆転裁判』『逆転検事』のコミカライズやノベライズ、『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』のメインシナリオなどゲーム関連の仕事も多数手掛けているほか、漫画『青鬼 元始編』(KADOKAWA)では、構成も担当した。

「2023年 『青鬼外伝 ひろしの秘密の一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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