最後のディナー (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 131
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061822276

作品紹介・あらすじ

龍臥亭で出会った里美と石岡に新たな事件が。僧侶を救うため、老婆は噴火で一面灰に覆われた畑から誰にも見咎められず大根を引き抜いた!?(「大根奇聞」)英会話学校で知り合った孤独な老人がとったイヴの夜の謎の言動。過酷な運命の連鎖を圧倒的筆力で描いた表題作ほか。日本を去った御手洗潔から、驚くべき啓示がもたらされる。

感想・レビュー・書評

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  • 横浜に住んでる時代の短編。御手洗さんは要所だけ。表題作品はクリスマスの話。引き込まれた。

  • 大根の話は日本昔話にある。まさか…とは思わなかった。

  • 里美に勧められて、いや強引に押し切られて石岡は英会話教室に通うことに。
    全く適性のない石岡がその教室で出会った孤独な老人。
    彼は石岡にどこか壁を感じさせる接し方で付き合っていた。
    ところがある日、彼は英会話教室をやめると言い、イヴの夜に石岡と里美とランドマークタワーに行ってディナーに招くという……

    龍臥亭事件(実はワタクシ未読でございます)で出会った里美が、横浜にやってきて石岡と二人で事件に遭遇するという短編集。
    御手洗潔が海外に行ってしまって、なおのこと情けない中年になってしまった石岡と明るくて元気な里美との対象がなんともイタイ。
    ……まぁ、石岡さんは昔からこんな感じですが。

    収録されているのは表題作の「最後のディナー」の他は、
    里美が横浜にやってくる「里美上京」
    里美の通う大学の教授が持ち込んだ昔話。飢餓状態の僧侶を救うため、桜島の噴火の灰で覆われた畑から老婆が大根をどうやって見咎められずに盗んできたのか「大根奇聞」
    の計3編。

    里美も石岡も謎を解くというタイプではないので、最後に御手洗に連絡してサクッと解決されてしまうという形がどうにもしっくりとこないなぁ。
    ミステリとしては肌に合わない作品集でした。

    「異邦の騎士」を読んでいるので、里美を良子に重ねてしまうのはしかたないところ。
    安楽椅子探偵としての御手洗の魅力がこれだけではちょっと足りない感じ。

  • 多分読む順番は間違えていると思う。
    里美が私の中では急に発生!
    そんなことはないが。
    「龍臥亭事件」をまだ読んでいないためだろう

    石岡、里美コンビの短編集。
    エピソード集って感じの甘口ミステリーかな。

  • 表題作よりも、大根奇聞が不思議なお話だけど切なくて好きです。

  • 石岡くんと里美メインの短編3つ。
    「里美上京」これから起こる話の導入のような話。里美はちゃんと石岡君の老後の面倒見てくれるのかなぁ。
    「大根奇聞」天保九年に起こった鹿児島の飢饉で、桜島大根を盗んだ老婆がなぜ死罪にならなかったのか。
    解決がとても与えられそうにないこの謎を、御手洗が電話1本で解き明かす。
    「最後のディナー」この本のメインかと。重いテーマがあるんだけど、冒頭の石岡が情けなさすぎ…。
    外国人に話しかけられて泣く46歳。

  • 御手洗シリーズ。って言っても、初めて読みました。のに、シリーズの途中でした。
    でもでも、気に入っちゃった(´∀`〃)
    ミステリーって分野の本になるのかな?島田荘司さんの本も初めて。このシリーズは読破しようと思ってます。久々に素敵な作家さんに巡り会えたわ♪

  • 御手洗ものというより、御手洗のワトソン役の石岡と龍臥亭事件で知り合った犬吠里見の短編集。ミステリというより外伝的。「里美上京」「大根奇聞」「最後のディナー」の3編。石岡くんはシリーズ当初に比べてどんどん情けなくなっていくのがイヤ。里見は田舎から出てきた純粋な娘というより、おバカに感じるのは私だけでしょうか?この2人のコンビはあまり好きじゃないんです。

  • お嘉さんの行動は泣けた。「大根奇聞」の続き読んでみたい。

  • 御手洗潔シリーズ
    『里美上京』

    『大根奇聞』
    里美の大学の教授・御名木からの依頼。幕末の薩摩藩。飢饉に襲われている薩摩藩にやってきた僧侶と少年を泊めたお婆さんの物語の謎。桜島大根を2人の為に盗み出した彼女。打ち首にされるはずが後の世の文献に登場する。雪の降る中残った跡。

    『最後のディナー』
    里美に強引に誘われ英会話学校に入学した石岡君。同じようにできの悪い老人・大田原と親しくなる。クリスマスの夜の最後のディナーでの大田原の言葉。神からの啓示とは?彼のアメリカ人の息子の関係。クリスマスの翌日殺害された大田原。

     2003年3月20日読了

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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