世界は密室でできている。 (講談社ノベルス)

  • 講談社 (2002年4月1日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784061822467

感想・レビュー・書評

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  • ミステリではないと思いましたが、話のテンポはよく、ぶっとんだ登場人物同士の掛け合いも面白く楽しかったです。
    よく見たら、どこにもミステリなんて書いてなくて「青春エンタ」だそうで、それなら納得です。

  • 密室殺人事件が次々に起き、さらりと解決される。
    主人公と親友のジョークのやりとりは面白いけど、全体のテンポはあまり良くない。
    あとグロテスクな表現多数。
    特に「告白ビデオ」はギョッとする。

  • えー、何。めっちゃいい!

    最近舞城ばかり読んでいる。
    全然飽きない。
    なんかもう、心があたたかくなる。

    誰かのために勇気をふりしぼって戦うのが大好きで、自分もそうしたかったから書くし、って違国日記で槙生が言うシーンが大好きなのですがもうその気持ち。

    タイトル通り密室だらけ。
    涼ちゃんが閉じ込められた部屋。
    エドワード・ホッパーの事件。
    谷口家。
    井上家。
    榎が泣いたホテル。
    椿の警察車両。
    4つの部屋と1つの隙間。
    もう一度ルンババの家。

    エキセントリックな女の子を常識のある男の子が助ける、という構図が大好きすぎる。
    でもラノベではないのよね。
    ラノベが何か知らんけど。全然読まないから。

    女の子を記号化し、決して記号の役割から逸脱した行動をとらせない、のがラノベというか舞城以外の小説なのかな?
    トラウマがあるのなら必ず持ち続けなくてはいけないし、解消されるのならそれなりの理由が必要、というか。

    そんな人間いないのにね。
    もっとふらふらふわふわしてて、いろんな側面が予想外のタイミングで現れる。
    だから舞城の書く話は大好き。信頼できる。

    胸くそ悪い事件と展開の間に滲む、人の優しさ。
    もうものすごく夢中なのに、売ってない!
    重版してほしい。せめて図書館に置いてください。全部揃えて。

    イラストも自分で描いているのすごい。
    三郎のロウの字が朗らかの三朗。

    たいていのミステリはグロくないけど、
    舞城のミステリはグロくて気持ち悪くて臭くて見てられなくて、死が重い。
    命が軽く扱われているようで、そうでない。

    これは三郎が書いたとわかって読むから、前2作と対比しながら読むといいのかな。
    近い時期にまとめて読んだので、前作と前々作の三郎の経験や妄想のどこから影響されてるか見つけられて変な感じ。

    たとえば家族を失ったさみしさを、
    守れなかった後悔を、
    こんなふうに解消したかった。
    ゆるしたかった。乗り越えたかった。

    という三郎の希望なんだとしたら、最後のとこは綺麗なんじゃなくてやっぱ悲しいかも。

    この本だけで読んだら良い終わり方だったけど、
    前作を思い出したら悲しくなるという。

    変な読書体験。
    わたしの視点はどこにあるんだろう、っていう。
    斬新すぎる入れ子構造。

  • シュールな図解に笑いました。ラストはしんみり。

  • 簡単にどんどん人が死んでいく謎解きも本当?そんなのでいいの?と思ってるうちにどんどん突き進んでいく.舞城王太郎の真骨頂.

  • ルンババと僕が奇妙な姉妹に会って、色んな事件に巻き込まれていく。ライトな感じでサクサク進んでいく。密室の事件を解決していくが、少し現実離れしている。

  • 終わりの展開が大好き。涙が出たおぼえがある。愛の話。

  • 最初は、中坊のくだらない会話メイン? つまんないかもと思っていたけど。
    読み終わってみると結構シリアス。
    みんな、何かしら拘束されるか、無意識に自分自身を閉じ込めて、密室で生きているんだよってことなのかな。
    助けてくれる人さえいれば、世界も密室ではなくなる。

  • 何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。

    最初の一文からセンスいいと思う。
    今まで読んだ舞城王太郎作品で一番読みやすい。
    内容的にも爽やかで、舞城作品デビューにおすすめかも。

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著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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