- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061822467
感想・レビュー・書評
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シュールな図解に笑いました。ラストはしんみり。
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簡単にどんどん人が死んでいく謎解きも本当?そんなのでいいの?と思ってるうちにどんどん突き進んでいく.舞城王太郎の真骨頂.
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終わりの展開が大好き。涙が出たおぼえがある。愛の話。
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最初は、中坊のくだらない会話メイン? つまんないかもと思っていたけど。
読み終わってみると結構シリアス。
みんな、何かしら拘束されるか、無意識に自分自身を閉じ込めて、密室で生きているんだよってことなのかな。
助けてくれる人さえいれば、世界も密室ではなくなる。 -
何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。
最初の一文からセンスいいと思う。
今まで読んだ舞城王太郎作品で一番読みやすい。
内容的にも爽やかで、舞城作品デビューにおすすめかも。 -
どうでもいいよとばかりに解決されていく密室トリック。それでもルンババは密室に没頭していて、友紀夫は全然興味ないようで。結局、友紀夫は密室を解くのが怖かったのかもしれない。ルンババも、密室を解いているようで、それは密室を作るためだったのかもしれない。榎は姉が死んでから人が変わったようにまともになってしまった。でも、榎は最初から姉のまともな部分を一手に引き受けていたのだから、まともになったくらいで魅力を失ったりしない。椿は最終的に自分の望んでいたものが再生だったと気づいたから、光緒との別れを選択した。そんなのは悲しすぎる。不倫相手から嬲り殺されるだけでは足りず、恋人からの復讐にさえも耐え忍ばなければならなかったのだから。再生したのは三郎なのだろうか。それとも榎なのだろうか。家族愛は家族なしで成り立つものなんだって、そう主張せざるをえないのではないか。
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この器用な文体!
人をからかっているように思えるほど軽く、やや突飛で、最初から最後まで絶妙なバランスで続けられるその文体。
ちょっとくらいなら、やれなくはないんだろうけど、ストーリーや展開として魅力を持たせながら、他のキャラクターを引き立たせながら、状況を伝えながら……と、実にコントロールされている。
なんかこう……冷凍マグロを武器にして戦場に立っているみたいな文体だと思った。
一発くらいやれなくはないんだろうけど、みたいな。
初舞城王太郎でした。 -
一つ分かった。この人の小説は途中で読むの中断しちゃダメだ、置いてかれる。
とはいえ、既読の『九十九十九』や『煙か土か食い物』に比べれば置き去りにされた感は少なめでした。
正統派ミステリーに喧嘩を売るかのような展開は相変わらずですが、エログロがだいぶ抑えられ、青春小説のような爽やかな読後感を味わえました。