作者不詳: ミステリ作家の読む本 (講談社ノベルス ミG- 2)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061822610

感想・レビュー・書評

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  • ホラーとミステリーが両方味わえることが出来ると思う。

    一つの話を読み終えるとその話にちなんだ怪異が現れて真相を解き明かさないと怪異に飲まれ込んで読者が…

  • 読んだ短編にちなんだ怪異現象に襲われるようになる同人誌を読んだ主人公(編集者)と友人の推理小説作家(志望)が、怪異から身を守るため短編集の謎を解いていくというストーリー。
    複数の作者の短編を載せたアンソロジーという設定のため、孤島に集まった作家が次々と殺されていく正統派の孤島ミステリーや、高校生たちが仮面をつけた殺人鬼に襲われる話(この話は少しグロい描写があるので注意)など、さまざまなジャンルのミステリー短編が味わえる。
    いずれも同人誌の中では犯人は明かされず、主人公たちが探偵となって謎を解いていく。

    赤ちゃんが盗まれる話を読むと赤ちゃんの泣き声に苛まれるようになったり、仮面の殺人鬼の話を読むと仮面の殺人鬼に襲われたりする推理パートがホラーパートとなっており、結構怖かった。




    ここからネタバレになるが、最後の話で主人公は友人から、これまでの推理にいくつか矛盾点があり、完全に推理はできていなかったと明かされる。この短編集は解けないと。再び勢いを増す怪奇現象。
    推理が正しかろうが間違っていようが、『主人公が』納得することが大事なのだと。
    そして、自分はいわゆる、小説の中の登場人物なのだとメタなことを言い出す。
    作中で友人が脈絡なく「白い蝶」と口にすることがあるのだが、これは本物の蝶ではなく、同人誌の文章の空白部分が蝶に見えるという意味である。
    しかし、蝶に見える部分の空白は、少し離れたページを組み合わせないと蝶に見えない。
    試してはいないのだが、この蝶は、出版前の小口が切られていない、折られた状態もしくは折られていない状態で見えるものなのではないだろうか。
    そして、普通の読者では見ることのできない蝶を見られる人は小説の登場人物か、『編集者』なのではないだろうか。
    主人公は実際の、この本の編集者であるなら、『推理が矛盾してても主人公=編集者が納得すれば良い』という意味も通る。

    ちなみに主人公が混乱する中出てくるのは沢山の充血した目玉と指なのだが、これが本の続きが気になり夜更かしして読んだ読者の目と、小説にかける指を表しているのではないかということに気づいて、少し笑ってしまった。

  • 始まりは奇妙な古書店で手に入れた迷宮草子という名の1冊のミステリ同人誌。
    この同人誌は読んだ者は全ての謎を解かなければ行方不明、消えてしまうという曰くつきの同人誌なのです。
    なかなかホラー色が強いです。
    作中作である迷宮草子には7つの作品が入っていて、読むとその作品に関わる怪異が襲ってくるのです。
    この怖さは相当なものがありました。
    謎解きもしっかりしているので、本格ミステリでもあり、ホラーでもあるという贅沢な仕上りになっています。

  • 朱雀の化物に追われるところから急速に飽きてラストまで流し読みしてしまった。不要に長い気がしちゃう、逃げるシーンとか。
    それにしても妹の名前、アスカ・アスカちゃんってことかい…

  • とても読むのに時間がかかった。
    ホラーと言うより、推理小説に近い。
    その推理が解けなければ、主人公と友人は
    怪異に襲われてしまうかも知れないと言う
    切り口。迷宮草子と言う同人誌を舞台に繰り広げ
    られる推理とそれに纏わる怪奇現象。
    迷宮草子その物の謎は面白かったが
    最後の結末は良く分からなかった。
    こちらのネタバレの感想を読んでようやく
    分かった!

  • 今回もラストがクレイジーで、訳分からんかった笑

    刀城言耶シリーズで出てくる神々櫛村とか、沙霧と砂霧とか出てきた!
    他にも、それっぽいやつが出てきて「!」ってなった。

    ホラー的な要素は、まあ微妙かな〜
    他の作品では、ゾクゾクした事があったが今回はなし。
    ただミステリー要素が多くて、謎解きや解釈が面白かった。
    特に「首の館」は、読んでて1番楽しかった。

    結局、飛鳥信一郎は、三津田信三はどーなった?!

  • 奇妙な古書店で手に入れた曰くつきのミステリ同人誌には怪異が宿っていた。見世物小屋から消えた赤ん坊/残酷で屈折した高校生らが鏖殺された事件の恐るべき記録ノート/無惨に切断された首が招く無人島の殺戮。本格に徹した幾多の謎に現実は絡めとられ、身の毛もよだつ終幕が襲う。気宇壮大なミステリ曼陀羅。(裏表紙)

    贅沢なミステリ短編集にしてホラーな一冊。
    ミステリとしては『朱雀の化け物』が好きなのですが、グロいのがちょっと…。
    お話の先が気になってミステリ部分を飛ばし飛ばしにしてしまったのは勿体なかったなぁと後悔しきり。
    表紙に仕掛けがあるとのことなので、いつか新刊に近い状態のものを見つけたいと思います。

  • 2018年読み始め。
    小口部分に「UNKNOWN」の印刷が。こういう遊び心のある装丁いいな。
    読み始めてしまったら最後、そこに収録されている物語の謎を解くまで怪異に襲われ、最終的には皆行方不明になってしまうといういわくつきのミステリ同人誌「迷宮草紙」その謎解きに三津田信三と親友の飛鳥信一郎が挑む。
    1つ1つの話が読みごたえがあって面白かった。作中作ものは個人的にとても好きなので、わくわくした。しかし、ちと強引すぎやしないかその謎解きは??というところもあったり。フォントが変わってる部分に何か意味があるのかな?とか色々疑ったんだけど、最後結局何だったの…?とぼんやり終わってしまって、少し残念。
    三津田信三作品は珍妙な名前が出てくるととりあえずアナグラムを疑うようになった。(疑ったところで結局分からないんだけど)

  • 読了日2011/01

  • 作中作の謎を解明しないと怪異に襲われてしまう、という設定が怖いけど面白い。
    タイムリミットが迫る中で展開される推理は、とてもスリリングでハラハラさせられます。
    混沌に満ちた結末は評価が分かれそうですが、ホラーとミステリを融合させた作品として良く出来ていると思います。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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