九十九十九 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 775
レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823068

感想・レビュー・書評

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  • なんかもの凄く面白く読んだと同時になんか巧くはぐらかされた感じ。清涼院の作品は読んだことがないので純粋にこの作品だけの感想。いつものようにめったやたらに人が殺され無意味な装飾をされて放置され、謎は瞬間解体、なのに家族については非常に深い愛を持って語られる。でもこういうのは味付けであって物語はそういう要素を語りつつ世界を構築する神=清涼院流水へと向かっていく(と、こんな捉え方でいいのだろうか)。前章までが作中作として回収されていくメタ的な趣向、繰り返される聖書の見立て、ずらされている章立て、これらを通しての最終章は圧巻。おいおいこれっていいのかよと。なんとなく不思議な読了感でした。

  • 野心的な作品。だいぶ厚い本ですが、一気に読めます。作者もたぶん一気に書く人だと思います。とにかく勢いがすごい。

  • 基礎知識必要。JDC。マニア向け

  • 舞城王太郎の作り出す世界が、ただミステリーとして新しいだけではなく、すでにミステリーの域は越えた「新しい文学」として受け入れられつつある、というようなことはあたしが書くまでもない現実。事実、なんかの文学賞を取ってしまったりしている。あたしは「ミステリ」ではない、舞城氏の作品を先に読んでしまったので、むしろ、そういった新鮮な作家として捉えるつもりは端ッからない。ただもう、氏の作品では、連続殺人が起ころうとも、名探偵が登場して推理を展開しようとも、それはもう、ミステリなんかじゃない。だから今更、この「九十九十九」を持ってきて、舞城作品と氏の特性を語ろうなんてこれっぽちも思わないし、また残念な話だが出来ない。
    ただ、本作を読み進めるにおいて、決定的な自分の欠陥を痛感。ああダメだ、あたし、清涼院氏の作品、読んでねから、面白くもないけどつまらなくもなく、退屈でもないけど、熱中もしなかった。内容をイマイチ理解出来ないのは、清涼院氏の作品を全く読んでいない所為もあるだろうし、また舞城氏の作品であるから、とも言えるんで、いやむしろやっぱ舞城さんだしってことか。
    一応、これはノベルスの企画モノで、その前作である西尾氏の次作となっている。
    タイトルにある「九十九十九」っていうのは、元ネタである清涼院氏の作品で登場する人物で、この作品では主人公の名前なのだけど、彼は16歳にして三つ子の父で名探偵で、サングラス無しでは犯罪級の顔の持ち主で、目玉や耳が切り取られていても生活出来るという「設定のお話」が進んでいく。で、その、「九十九十九」について書かれた小説と、「九十九十九」という名の別の人物とが入り乱れ、どの九十九十九がほんとの九十九十九で、どの九十九十九が小説の九十九十九か、本当に、最後の最後までさっぱりわからない。まぁ解らないようにしている、というか、どうせ最後の章までは読者には理解出来ないようにしている、間違いなく。おかげで、ホントにもう飛ばし読みしたくなった。やっぱりこの人はこういう風にしか、話を書けないのか、とさえ思ってしまった。
    なんかもう、ジェットコースターブッ壊れてそのまま飛んでって収集着かなくなりそうなので、仕方ないから旧落下してトランポリンで何とか命は取り留めた、って感じ。『暗闇の中で子供』を読んだ時に、もうホント勘弁して欲しい、と心底願ったところがまたそのまま残っていてがっくり。
    いや、これがこの人の良さなんだ、といいきることも出来るだろう。出来るだろうけど、やって欲しくはなかった…。
    結局ココでも言いたいことは、「真実なんてどこにもない」っていうことで、それをいろんな手法を使って誤魔化して、最後まで正体を見せないようにしている。「〜というのは嘘です」というのは嘘だから嘘か、というと嘘と信じる理由は「嘘です」ていう言葉だから…ああああん?!?!戯言、詭弁、言葉遊び?叙述トリックぅ??そんなたいそうなもんじゃない、ただのウソツキだっ。詐欺師だ、泥棒だ。文章に関しては、もう、あたしは許せなくなっているので、放置。これ以上悪化したら多分読めない。読めないけど、そういう文体を全部チャラにしてしまいたくなるが実は、ある。

    あたしは舞城氏の家族に対する何らかの特別な思い入れが、とても興味深い。ここまでしつこく、家族家族、って、家族的設定を持ち込むのはなんでなんだろう、と。もちろんいわゆる「家族」もそうなんだけど(奈津川一家のように)それよりも一番気になるのが、「恋人→夫婦」っていう流れが速いこと。恋人同士のままではなく、確実に家族の形成を計る、というのは珍しい心理だと思うの、男性は特に。しかもそこにある愛は、性交渉だけで表したりしていない、というのも興味がある。もちろん、舞城氏の作品に性行為がないなんてことが無い、っていうくらい、鬱陶しいほどエッチシーンが欠かせないのだけど、でも、一番好きな相手とのシーンが無かったりする。愛と性の結び付きについては、いろんな人が書いていることと思う、が、舞城氏にはそのところをちゃんと書いて頂きたいと思うのだ。そのところをちゃんとしっかりがっちりはっきり、結論を出している作品を書いて頂くまでは読み続けたいとさえ思う。

    ま、関係ないけど、一番最初に「阿修羅ガール」を読み、次に「熊の場所」を読んだという関係で、あたしは舞城氏の女の子の描写が大嫌いで、子供の描写が大好きである。舞城氏の書く女は苦手だ。カワイイとか細くてスタイルが良いとか、もう、そういう描写をするのをやめないか、そろそろ。
    んでもって、恋人として出てくる女の性格がみんな同じなんだよ。気付いてんの、わざとなの。クソムカつく。あー、書いてスッキリ。でも、女の子が最悪な割に、中学生までの少年の書き方が最高に良い。うん、いい。

  • 今のところの舞城作品最高傑作!読み進めるうちにどんどん頭がおかしくなる感じ。ヤラレた。

  • 今年中に文庫に…ならないだろうなぁ…

  • 清涼院流水作JDCシリーズのトリビュートらしい。JDC読んでないし。グロくて笑える、でも無理。

  • 清涼院流水氏のトリビュート作品だそうですが、相変わらず言葉の爆弾と緻密な構成のハーモニーの舞城ワールド炸裂です。今回みたいな物語の構成、個人的に好きです。「阿修羅ガール」以上に調布がスゴいことになっています。元・調布市民としてはハラハラして読みました。多摩川沿いの公園のトイレには注意ですぞ!

  • 読み方:ツクモジュウク。知ってるヒトは知っていると思うけど清涼院流水って作家の「ツクモジュウク」って探偵をパクっているんだとか。要は二次創作。とにかく厚いし複雑で読むのが大変だった印象。清涼院流水の閉じた世界を開こうという試みがあったんじゃないかとの指摘もアリ。舞城らしくアレンジされてて読みやすかったけど、やっぱり舞城のオリジナル小説には勝てないかなぁと思ったりする。

  • 清涼院流水のJDCシリーズへのトリヴュート作品。清涼院氏の作品のファンならより楽しめるでしょう。

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著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』『深夜百太郎』『私はあなたの瞳の林檎』など著書多数。12年には『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、『月夜のグルメ』(漫画・奥西チエ)の原案、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳ほか、短編映画『BREAK』や長編アニメ『龍の歯医者』の脚本、短編アニメ『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などをつとめている。

「2018年 『されど私の可愛い檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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