- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061823167
作品紹介・あらすじ
2年に一度ひらかれていた"同窓会"当日、メンバーの一人が殺害され、被害者のしていた腕時計が消失!犯人の意図に臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が迫る表題作のほか、ダイイング・メッセージ、首なし死体、密室と、本格ミステリファンには堪えられない超絶品全4編。有栖川有栖の真髄がここに。
感想・レビュー・書評
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全作面白かったのだけど、最後の犯人当てでモヤッとしてしまったので評価低め。
スイス時計の謎、謎解きは面白かったけど最後の押しが個人的にいまひとつでした。傲慢で冷めた優等生の上辺だけの仲良しごっこも本当に不快。切磋琢磨というより自分以外を蹴落としたいだけ。二度と同窓会は開かれないんだろうなぁ。
アリスの心の奥のわだかまりがとけたのは良かった。
最後の二行で少し救われた気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あとがきにもあるとおり、収録作品はみんな、いわゆる本格ミステリて感じでした。
『あるYの悲劇』の謎の1つは、何となく分かった。
あと、『スイス時計の謎』みたいな、ロジックの問題、大好きだけど、頭が悪いから、自分では全然解けん…。 -
作家アリス国名シリーズ7作目。
「あるYの悲劇」いきなりアリスがセンチメンタル。この34歳独身男の哀愁が人間臭くて好きです。この作品は他のアンソロで既読でした。
「シャイロックの密室」犯人の視点から描かれた倒叙もの。展開としてはこれが一番好きだけど、肝心の密室トリックに無理がありすぎる(というかどういう状況なのかよくわからない)犯罪者には容赦ないのが火村らしくていいな。
「スイス時計の謎」まるで数式のような端正さ。これぞ有栖川ミステリ。
17歳の頃のトラウマエピソードもあり、今回のアリスは終始センチメンタルでした。 -
粒ぞろいの本格推理四作品。
中でも表題になっている「スイス時計の謎」は論理クイズを解く様な感覚の純粋推理もので、ちょっと複雑な「頭の体操」っぽい。
密室殺人の「シャイロックの密室」は一人称複数視点?という面白い叙述手法でかつ倒叙の作品であり、完全犯罪を巡って用意周到な犯人と頭脳明晰な探偵の対決が見られるかと思いきや、犯人があっさり投降してしまい残念。..が、倒叙から完全犯罪と徹底対決を期待した読者を軽くいなすというある種のパロディだと解釈した。
その他、猟期殺人「的」だけどちゃんと合理的な理由がある作品や、私も大好きなロックミュージックが絡んだダイイングメッセージものもあって短編集としての四作品のバランスも素晴らしい。 -
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『ペルシャ猫の謎』に続いて本書を読む。いったんペルシャに星5つを贈ったが、1つ減点し、スイスの方を星5つとした。
「あるYの悲劇」のダイイング・メッセージは最後の最後の手前で解った。学生アリスは当然として、作家アリスの方にも青春小説のような側面がある。「Y」、なかんずく表題作にその青さを色濃く感じた。
表題作だけ初出誌で読んでいる。ロジックの緻密な美しさは憶えていたが他は忘れているので、初読のように楽しく読めた。火村に追い詰められた真犯人が腕時計を外すのは、チェスでいうとキングの駒を倒して負けを表明したようなものだろう。
エラリー・クイーン学院があるとしたら、有栖川有栖は卒業生総代で答辞を読んでもよいのではないか。 -
二年に一度開かれていた"同窓会"当日、メンバーの一人が殺害され、被害者のしていた腕時計が消失。(『スイス時計の謎』)
ほか、バンドマンが残したダイイングメッセージの謎(『あるYの悲劇』)、首なし死体になった女彫刻家(『女彫刻家の首』)、密室で拳銃自殺した借金取り(『シャイロックの密室』)収録。
アリスの懸念が晴れて良かった。表題のスイス時計が一番好き。内容的にも、ロジック的にも。
著者プロフィール
有栖川有栖の作品






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