空の境界 下 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823624

作品紹介・あらすじ

2年間の昏睡の後遺症として記憶を失い、この世のあらゆるモノの死を視ることのできる"直死の魔眼"を手に入れた少女・両儀式を襲う数々の怪異。死そのものを体現化した太極の結界。永遠を求める魔術師。そして再来する殺人鬼-。式を苛む"殺人衝動"の赴く先に、真実を告げる記憶の境界が開かれる-!?

感想・レビュー・書評

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  • これが同人小説だったとは、、、、
    驚きしかない。ひぐらしのなく頃にも私は大好きだか、ひぐらしも同人ゲームだったと知った時は驚きだった。

    ここまで緻密で繊細な文章を書ける人が埋もれているなんて!!

    心刺さる描写が多々あり挙げきれないが、黒桐の生き方がとても心動かされた。式に対する思いの強さ。こんなにも強く安定した距離を取り続けられる自我の強さに感銘を受けた。
    生き様がカッコ良すぎる。

  • 両儀式を追い求めた魔術師・荒耶との決戦、忘却された記憶が連なる学園、そしてすべての始まりとなった殺人鬼の再来。物語はさらに密度を上げて綴られていく。新伝奇小説・異能バトルの山場は矛盾螺旋、式と幹也の物語の山場は殺人考察と隙を生じぬ二段構えに仕上がっている。

    上巻にも増して哲学的で一回読んだだけでは味わいきれない圧倒的なまでの情報量。正直、十年以上ぶりの再読では理解が追い付かない部分が多かった。それでも、構築された世界観と人物像、物語の哲学性には唸る他ない。とてもシンプルに読めば、式と幹也のボーイミーツガールという話でもあり、殺人考察のラストはそれがとてもハッキリ描かれた美しく温かいエピソードでよかった。

    両面性、対比というテーマを根源まで掘りつくしてやろうという物語だったなと。普通であることをどこまでも突き詰めた幹也だからこそ、式の特別な存在になり得たというのは深い。式自身の存在を脅かすものが、その空白を埋める存在だった。これは現実でも意外とそうなのかもしれないなと。見方を変えるだけで味方になる。自分とは違う存在こそ、自分が必要としているもので、そこには境界線なんてないのかもしれないね。

  • 再読。ごちそうさまでしたという感じで。
    振り返れば二人の少年少女が出会い、寄り添い合うまでの物語でした。
    可能であればまたいつか読みたいものだ。

    内容は「矛盾螺旋(vs荒耶宗蓮)」「忘却録音(霊園での妖精騒ぎ)」「境界式(一人の少年が道を外れた話)」「殺人考察(式が人を殺す話)」「空の境界(3人目の彼女)」。

    矛盾螺旋では塔子さんの異常さが極まってました。
    また荒耶宗蓮の敗因が臙条巴にあったという発言には鳥肌立ちました。
    彼の存在は決して無価値なんかじゃなかったんだ。

    殺人考察ではこれまで"一般人"と捉えていた幹也が突っ走っていたなと。
    力も持たずに突っ走るのは死ににいくのと同義じゃないのだろうか。

  • 最終章「空の境界」は,最初読んだ時「???」という感じになりました。

  • 奈須きのこワールドにはついていけないところがある笑

  • 映画視聴後に読んだので、補足的なものとして楽しめた
    原作での橙子さんは冷酷さ、意地の悪さが際立っていたように思う
    あと黒桐くん美少年設定だったのね…

  • 下巻に入り異能バトル展開が激しくなっているのだけど、西尾維新先生の「戯言シリーズ」に雰囲気が似ている。2001年の同人誌発表作品をベースにしたものなので、時系列的に影響を受けているとは言いがたいので偶然であろう。
    「ぞぶり」とか「ぞぶ」という喰らいついたときの擬音が夢枕獏先生の影響かなと思う。考えてみるとキマイラにちょっと似たところもある。
    気になったのは義手になったはずなのに、その義手の出てこないこと。
    2000年頃の異能バトル小説と相性がいいのか、面白く読めた。

  • やっぱり奈須きのこはいいよなぁ。
    上巻は勢いがあるけど、下巻の方が熱量がある。矛盾螺旋が良すぎて忘れていたけど、忘却録音で忘れていたものを取り戻して、最後の殺人考察に向かうんだよな。その流れが美しい。矛盾螺旋で物語はおわるけど、両儀式と黒桐幹也の話は残りの二章を持ってようやく完結する。らっきょはいいよ。また読み返そう。
    風は止んだし、合図も鳴った。さぁ、そろそろ本気で走り始めなくちゃ。

  • 矛盾螺旋、後半。
    臙条巴が残したもの。
    初読から忘れられない衝撃。

    本当の初読の時はおそらくこのマンションのカラクリに驚いていた気がする。
    もうここまでだって充分なファンタジーSFであるのに、
    未だ現実と結びつけようと考えて読んでいたような気がする。
    なまじ論理的な会話が飛び交うからかもしれない。
    それも、ある種結界のように思えるけれど。

    前半が盛り上がったり、
    山場があるストーリーは結末があっさりしていて、
    なんだそんなこと、と気落ちしてしまうことがある。
    けれどこれは最後までお腹も胸も頭もいっぱいいっぱい。

    きっとまた数年したら読み返すのだろうなぁと思う。

  • 2018/06/25読了

    上に続き下
    言いたいことは(上)そのものだけど、矛盾螺旋とか、殺人考察(後)とかのエグいところ、血みどろなところは、やっぱりこちらの方がいいのかな
    どうかな
    小説版のミソ、というより映像版の残念なところと言ったら

    「忘却録音」の改変になる。
    文庫本を手放してしまったが、たまに読んでみたくなるし
    殺人考察(後)もだけど、式の感情や思考が、コクトーの周囲をおおかたぐるぐるとしているのが、なんだかいい。
    名作は読み返してなんぼ。また読もう。

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著者プロフィール

ゲームシナリオライター・小説家。ノーツ所属。シナリオを手がけた主なゲームに『月姫』『Fate/stay night』『Fate/hollow ataraxia』など。小説作品には『空の境界』『DDD』『月の珊瑚』などがある。

「2022年 『空の境界 the Garden of sinners(11)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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