- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061823655
感想・レビュー・書評
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シリーズの二巻だが、コミカルな部分は影を潜め、いじめや自殺をモチーフにしたどす黒い悪意が突き刺さる小説。サスペンスとしてもスリルがあり、真犯人も動機もかなりサイコパスでよい。前作からの引きである主人公や瑞穂先生の過去については、中途半端で終わるけど続編はもうないのだろうか。
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シリーズ(?)2弾目。
前回に比べると笑える場面が少なかったですね~。
それだけシリアスさがあるのですが。
それにしても・・・・ホント、「いじめ」や「虐待」をテーマにした作品を読んでいると吐き気をもようしますね~。
自分自身、善人なわけじゃありませんし、確かに子供の頃、いじめを知っていたor見ていたというある意味加害者だったこともあるしね。
でも凄く後悔しました。なぜ、あの時、ちょっとした勇気がでなかったのか!ってね。
話が飛躍しすぎそうなので・・・(笑)。
主人公は幼稚園などに教材を卸す会社に勤めているちょいと気の弱いセールスマン・次郎丸諒(じろうまる りょう)。
彼の担当であるハーフリース保育園を舞台に起こった事件に巻き込まれてしまう、という損なお人柄。
この保育園の先生たちがこれまた面白いキャラばっかりで、本書に楽しいスパイスを与えてくれます。
でも前回に比べると登場する場面が少なかったですけどね。
一度起きたことって、どこでどう繋がって連鎖していくかわからないもんだなぁ~とミステリ小説を読むたびに思います。
本人は気付かないところで、ってこともあるだろうしね。
次郎丸くんにもこんな過去があったのね~とちょっと驚きでした。
また続きが読みたいわね~。
ホント、吐き気がでそうな後半でしたが、ちゃんと救いの光があるのでよかったよ。
現実はそういかないかもしれないけれど、せめて小説の世界ではハッピーエンドにして欲しいじゃない。
ラストの一行にはちょっと感動で(T_T)ウルウルしちゃいました。
1作目「笑殺魔」を読むと人間関係がもっとわかると思います。 -
ハーフリース保育園推理日誌。今月出ていることをすっかり忘れていた一冊。前作「笑殺魔」の内容もすっかり忘れていて、仕方ないのでそれを読んだあとに手をつけた。
中々面白い。帯で貫井徳郎がいっている通り、トリックと人間ドラマが兼ね備えられている。
人間はよく書けているし、トリックも入り込んでいるし。ただ、高柳としては主人公の葛藤がうざったかったかなあって。やっぱり人間ドラマってあんまり要らないなぁって思ってみたり。
根っからの本格ミステリ好きですな。
途中状況がよく分からない部分が何ヶ所か。何度か読み返してようやく理解。高柳の読解力に問題があるのか。
04.03.15 -
「いじめ」がテーマとなっているミステリー。いじめの描写が重いので、本当にいじめの被害に遭った人は、読むのが苦痛かもしれない。でも、小説の最後には、いじめられっ子への大きなメッセージが込められている。山添女史、格好よすぎる!そして、がんばれ、アルマジロ!!
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テーマは重いよなあ。でも作風は重苦しくなく、笑いも健在(「ひょっとこわっしょい」には大ウケ)。とはいえやっぱりどろどろした面もかなりあって、そして後味はすっきり。ミステリ的にも大仕掛けはないけれど、細かいパーツが次々集まって真相が見えてくるのにわくわく。サスペンスもばっちり。タイトルにある「白昼蟲」の絡みも巧い。暗示的な面もあるしね。
最大の見所は、「明かされる次郎丸の過去」。「笑殺魔」で最大の謎だったあの「箱」の中身もついに判明! そして彼の成長ぶりも目の当たりにでき、かなり好きなキャラになってきたぞ。
しかしこの犯人……酷すぎ。犯人は途中で分かったけれど、この動機は見当もつかなかった。ま、こんな心理は理解したくもないけどね。 -
前作が凄く面白かったのでこの続編を読むのを
楽しみにしていたのですが...予想外に重たい内容で
浮ついた気分が一気に引き戻されるような哀しい
主題に戸惑いながら読み進める。
更に追い打ちをかけるような、前作の犯人以上の
クズ野郎の犯人が嫌悪感と苦しさを増してくれます。
でも...アルマジロの強さと優しさは何ものにも負けず、
折れずに、ただそこにあり続ける結果がストーリーの
暗い部分をしっかり明るい部分へ導いてくれます。
アルマジロ自身も更に強く、そして「夢」をひっそりと
抱きながらしっかりと塀の上を歩いていく青年に成長した。
やはり...いいですね。好きな作品です。
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内容(「BOOK」データベースより)
今どき珍しいほどの古アパート“平和荘”で殺人事件が発生。その場を偶然、望遠鏡で目撃してしまった次郎丸諒は、現場に急行するも、存在するはずの遺体はどこからも発見されず…。殺人、自殺、いじめ。次々と明らかになる悲劇の連鎖。惑わされ続ける事件の真犯人に迫る鍵は、次郎丸自身の過去にあった。 -
2008/11/12-2008/11/14
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前のブグログ参照
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話の主題としてはかなりヘビーなものを扱っているのですが、後味は悪くないしすごく上手だと思うA。今一押しの作者です。
著者プロフィール
黒田研二の作品





