冷たい校舎の時は止まる (下) (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 216
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823822

作品紹介・あらすじ

彼らは思い出せない。どうしても"その名"を思い出すことができない。学園祭最終日、学校の屋上から飛び降りて死んでしまった級友は誰だったのか。緊張と不安に包まれ次々と仲間が消える中、抵抗も空しく時計は進んでいく。そして不気味に鳴り響くチャイムとともにまた一人、誰かが消える。彼らを校舎に閉じ込め漆黒の恐怖に陥れている『ホスト』の正体がついに明らかに。

感想・レビュー・書評

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  • 「辻村深月」と、作者の名前をそのまま名付けられたヒロイン。

    少し前に、朝日新聞の「いじめられている君へ」というコラムで
    辻村さんの切実な言葉に胸打たれたばかりだったので、
    20代になったばかりの頃の辻村さんは、デビュー作として、どうあっても
    この作品を書き上げておきたかったのだなぁ、としみじみ思いました。

    『名前探しの放課後』で心洗われるような爽やかな感動に浸った後だったこともあって、
    どちらかというと『子どもたちは夜と遊ぶ』路線の、重くて痛くて、怖いシーン頻出の
    この上・中・下巻に渡る長い物語に精神的についていけるか不安だったけれど

    深月と共に校舎に閉じ込められた鷹野、菅原、昭彦、充、景子、梨香、清水という7人の
    それぞれが抱える事情や思いが愛情をこめて丁寧に描かれ、
    時折り挿まれる凄絶な描写に慄く気持ちを鎮めてくれて。。。

    クラス対抗リレーで転んだ清水を、下級生に手を振りながら走ることで
    自分が手を抜いた風を装いつつ、抜かれた分の人数をきっちり抜き返して
    1位でゴールして鮮やかに庇ってしまう鷹野(しかも待望の眼鏡男子♪)、

    恵まれた家庭で「普通の幸せ」を当たり前のように享受することを引け目に感じながら
    それでも「ひまわりの家」に通い、ハーフの少年ヒロのために奔走する菅原、

    現実世界に暫し戻った鷹野の言葉を、一片の疑念も挟まずに信じて
    彼のために力を尽くす鷹揚で器の大きい生徒会長の裕二など

    辻村さん作品らしい、魅力的な男の子たちに惚れ惚れしながら
    大学生になった深月が、小指にしっかり「みーちゃん」時代の懐かしい指輪をはめて
    落ち着いた風情でお茶を飲む姿に救われて、
    デビュー作とは思えないこの力作の頁を閉じたのでした。

  • 後半の複線の回収が見事。
    『スロウハイツ』の回収の仕方はなんだか都合がよすぎるなって思ったけど今回のは上手く丁寧かつ綺麗に回収していたと思う。
    菅原=榊っていうのは上巻で考えてたけどまさか本当にそうだったとは。

    今まで読んできた辻村作品で一番楽しめた。

    デビュー作だからか文章がすっきりとした印象を受ける。

    一人一人が自分自身に向き合うお話でしたね。

  • 榊がかっこよすぎる。過去と現在とがそのままのようでどこか違う気がする。

  • そう来たか!
    そんな感じのラストでした。
    結論を知ってしまうといろんなところに伏線が貼られていた気がします。

    早く犯人が知りたいのと、どんなエンディングになるんだろうとの期待感でわくわくしながら一気読みでした。
    で、裏切らない結末。
    エピローグでは、ほんのり温かくて、、それもまたGOOD!

    【その後】が書けそうな終わり方で、、書いてほしい(笑)

  • 上巻に引き続き、妙なもやもやを抱えながら読んでみた。残念ながら、心の中の霧は晴れなかった。むしろ、濃くなったくらいだ。しかし、下巻を読んで「なぜ、こうも自分はこれ合わないな、と感じているのだろうか」という謎を少し解消出来た気がする。おそらく、主人公でありホストだった深月の性格が、あんまり好きじゃない。いい子だな、と思うけど常に湿っぽくて苦手なのだろう。梨香ちゃんや菅原くんに、少し影響されてしまえ、と願う。

  • ある雪の日、学校に閉じ込められた
    男女8人の高校生。

    どうしても開かない玄関の扉、
    そして他には誰も登校してこない、
    時が止まった校舎。

    不可解な現象の謎を追ううちに
    彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での
    自殺事件を思い出す。

    しかし8人は死んだ級友の
    名前が思い出せない。

    死んだのは誰!?

    誰もが過ぎる青春という一時代を
    リアルに切なく描いた長編傑作。





    この作品は辻村さんが高校生の頃から
    書き始め、大学の4年間で書き上げたものです。
    デビュー作のこの作品には辻村さんの
    思いがたくさん詰っているんだなと思います。


    ページ数は多いですが、私は2日ほどで
    読み終えました。

    8人それぞれの過去のエピソードが
    とても丁寧に描かれています。
    そしてこの8人の中に自殺者がいるの?
    私が自殺者かもしれない…
    など8人の緊張、不安、恐怖…
    どきどきしながら読み進めました。

    自殺したのはあの人だな~と序盤で
    わかったものの、それ以外はやはり
    見抜けなかった。
    さすが辻村さん。


    ホラーの部分があり、そこは
    ほんとうにほんとうに怖かったです(汗)

  • 読み終わったあ〜。
    自殺したの、あいつかあ〜。
    始めの方にちょこッと考えた可能性を、話が進むにつれてすっかり忘れていたことが恨めしいです。
    にしても、榊…。
    そういうことか!
    菅原、二人のヒロ、みーちゃん…。
    金色のピアス…。
    読み終わってみると、伏線張りまくりなんですよね。
    それでもうならされました。
    『かがみの孤城』読んだんですけど、それと同じように、2度驚く結末があります。
    でも、なにはともあれ、終わりが爽やかでいいですね。
    みんな幸せそうで良かった!

  • 10:ようやく読めました。種明かしをされても、素直に納得できなかったり、読み返そうと思ってるうちに返却期限が来て確認しないまま返却してしまったりと、もったいない読み方をしてしまったと思います。辻村文学の原点、と言われて頷ける、むきだしの心・感情がこちらにもひしひし伝わってくる構成。これが極端な例だと思ってしまうのは、自分が平和でマイペースな高校生活を送ったからかな。正直、読み手としては好きな話ではないけれど、読めてよかった。いちモノカキとしてひたすら、「すごい……」と圧倒された物語。

  • 最近、辻村深月作品が好きで読み漁ってるけど、
    このデビュー作はイマイチだった。

    2段組の上・中・下巻は流石に長過ぎるでしょ。
    話が色々な所に飛んで、設定もよく分からなくて、ちょっと混乱した。落ち(?!)もちょっとな〜・・・

    でもその中で下巻の中の「ひまわりの家」の話はすごく良くて泣けた。その辺をもっと膨らませて1作品作れそう。

    これはデビュー作だったから‥という事で、今後も辻村深月作品を読み続ける‼︎

  • 良くわからない小説だった。自殺、いじめ
    イジメ、自殺に関与した誰かの脳に同級生が閉じ込められ出られなくなる。
    奇想天外の発想
    死んだのは自殺したのは誰か
    進学校での様々な出来事
    イジメの陰湿さや同級生の友情、考えさせられた。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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