キマイラの新しい城 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823914

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジーミステリ。
    アントニオのハイスペックに対して、すっかり道化然としてきた石動。
    六本木ヒルズでの活劇などが新鮮で、群像劇色が強い。
    キマイラの壁画が思ったほど活きてこなかったような…?

  • 石動シリーズ5作目。
    750年前に殺された古城の領主、エドガー・ランペールの霊がテーマパークの社長に乗り移って、その霊から自分を殺した犯人を突き止めて欲しいと依頼された石動…というトンデモ設定。エドガーの目から見た現代日本の描写がとにかく面白くて噴く。タイカレーを「地獄の泥」と呼んだり、信号待ちしている自動車を見て「獰猛そうな怪物だが従順な気性であるらしい」と思ったり、思わず六本木ヒルズで検索かけて蜘蛛のオブジェを見たりしてしまいました。
    密室殺人のオチは前作「樒/榁」以上にひどい(笑)真剣に読んでいると肩透かしを食らうこと必須ですが、石動の愛すべきおとぼけ探偵っぷりやコスプレ大会が楽しかったからよし。水城さんはかっこいいなぁ。
    このシリーズを読み始めた当初「探偵が空気過ぎたので以降探偵の活躍に期待」というレビューを書きましたが、まさかの斜め上の活躍を見せてくれた石動さんでした。もっとたくさん石動シリーズが読みたかった。

  • 石動さん、だんだんダメ人間になっていってる気がする…(笑)水城さんもすっかりレギュラー化してるし。
    今回はアントニオがそれなりに活躍。
    相変わらずリーダビリティの高い文章は素晴らしい。すいすい読めるし、途中で中断したくない引力があります。
    結末は、賛否ありそうな展開でしたが、私の評価は「アリ」です。

  • 石動戯作シリーズです。
    設定がかなりぶっ飛んでいておもしろいです。
    欧州の古城を移築して造られたテーマパークの社長に城主の霊が取り憑いて自分を殺した犯人は誰かと言うのです。
    750年前の事件の現場状況も容疑者も全て社長の頭の中にしかないのですが、石動は中世の人間のふりをして事件の再現をします。
    ですが、さらに現実でも殺人が起きてしまうのです。
    社長に取り憑いた霊から見た現代についての感想やトンチンカンな言動が大変に愉快です。
    まあ、750年も前の人間から見たら現代は大変に奇妙奇天烈でしょう。
    石動はあまり頼りなく、アントニオと水城優臣の方が活躍していた気もします。

  • なかなか面白かったです。
    おやつ食べながらまったりと読める感じ。

  • ほぼバカミス。

  • 石動戯作シリーズ。
    作者の他の作品と同じように、探偵の石動は相変わらず大して役に立っていない。
    助手のアントニオの方がよっぽど優れている。

    とある登場人物から見た現代の視点が面白すぎ。
    バイク=変わった馬、六本木ヒルズ=邪教の神殿などなど。さすが中世西洋。
    あと、殺人現場の「アレ」には気づかなかった。コスプレなんか提案したせいだろ・・・。


    作者の作品は「ハサミ男」から読むのが一番だと思う。
    「美濃牛」からというのも、ありと言えばありかも。

  • あっという間に読み終えた記憶がある。とにかくおもしろい。古城の領主の霊やったかな、の言葉がおもしろかった。

  • 面白かった!密室とかそういうものを期待しすぎてると確かに肩透かしかもね。でも正直その辺は付け足しのようなものに感じた。ムアコックって人は知らなかったけど興味持った。しかしあのロポンギルズでのエドガーさんの大活劇は大感動だったよ。稲妻卿かっこよすぎですよホント。…あ、付け足しとか言いながらも、非常口を使った密室脱出トリックは盲点を突かれた感じでちょっと悔しい。これが嫌って人は何が嫌なんだろうね。この人を食った感じかな?

  • 見所は、中世の領主の目から見た現代日本の描写。もともとシニカルな文章を書く作者のこと、いちいちにやりとさせてくれる。

著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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