魔術王事件

  • 講談社 (2004年10月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784061823983

みんなの感想まとめ

緻密なプロットと緊迫感あふれる展開が魅力の作品で、主人公・二階堂蘭子が挑む事件は、金色の仮面をかぶった「魔術王」による残忍な殺人と宝石の奪取から始まります。函館の名家、宝生家に伝わる三つの宝石が物語の...

感想・レビュー・書評

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  • 物量に定評のある著者の
    本気出してきやがった(誉め言葉)な作品。

    ずっと犯罪者のターンだからな!!
    しかもあることのせいで被害者激増な。
    何していやがる。

    国内版人狼城といっても過言ではないね。
    なぜかというと犯行の廃棄にXXX(!!)が
    やはり隠されているからです。

    そして含みを残すような犯人指定が
    なされていますが真の意味は
    完結しないとわからないんじゃないかしら?

  • 名探偵が快刀乱麻を断つごとく、事件を鮮やかに解決するたぐいの小説は好きなので、普通に面白かったです。ページ数も多いが読みやすので、本の厚さはあまり気にならないです。でも、そろそろ探偵(二階堂蘭子)が現れてもいいかなぁと思う部分はありましたが。二階堂氏の他の小説でもそうなのですが、現場の描写がグロテスクなので、これが辛い時もあります。
    シリーズの他の作品も読んでみようと思います。

  •  二階堂蘭子シリーズ、よくよく考えると初めてでした。順序通り読むべきシリーズなんですよね。そういう点では感想として駄目なのかもしれない。

     昔ながらのほの暗いどんよりとしたミステリが読みたくなって手を伸ばしたら、予想以上にどろどろとした猟奇殺人の話だった。北海道の由緒ある宝生家、家宝の宝石、予告状を置く殺人鬼などなど、おいしいネタがごろごろ転がされている。
     主役の二階堂蘭子が本事件に現れるのは半分読み終えた頃で、それまでは本事件の被害者である芝原悦夫や、警部坂下の視点で進む。マジックショーで本当に切断され殺される女性、死ぬ間際まで追い込まれて行く悦夫、バラバラにされた人体……などなど、とにかく事件が凄惨で読んでいて辛くなる場面が多々ある。
     それだけならまだ良いが「本当に不可思議なことばかりなのだよ」と、警察が読者よりも愚鈍でそちらのほうが逆に不可思議だった。二階堂蘭子が現れ後半はほとんど事件の謎解き会に消費されるが、細かいトリックが解明されるぐらいで、犯人はだいたい予想がつくだろうから、そこまでの驚きはない。

     婚約者を殺された悦夫や、坂下がひたすらがんばっているのが健気で良かったが、事件そのものとしては謎があまりないままだった。
     やはり順番に読んでいれば少しは楽しめたのだろうか。すぐにとはいかないがまた、機会を見て二階堂蘭子シリーズを一から楽しんでいきたい。

  • シリーズ探偵、二階堂蘭子によるエドウィンドルードの謎の解決編があるというので手に取りました。(それについては分厚い物語の最後の数ページの余談だけだった)

    それはさておき本編は、けれん重視の怪人が起こす事件で、乱歩を彷彿とさせるドロドロでレトロな世界観。舞台は函館で、幕末の旧幕府軍に関する部分もあって、どちらも興味があるので勢いよく読めたけど…、あまりに凄惨だったのと、終盤まで探偵不在で事件だけが起き続け、さらには怪人との決着は次の戦いへ持ち越しになるので(シリーズのこの巻だけを読んだ私には)、長かっただけに拍子抜けでした…。

    気になっていたエドウィンドルードの解決編は、本編とリンクするのはうまいなと思ったが、肝心のエドウィンドルードのストーリー解釈に疑問が…

  • 項数読んだことへの達成感!
    惨殺シーンが一番面白かった。
    私の中では黒蜥蜴のところがピーク。
    しかし、序盤からどう考えても怪しかった…残念。
    解決編で事実を明かし、とりあえずよかったね。なのがどうもすっきりしない…
    次々に怪奇な事件が起こるわけではなく、事件!捜査、考察…事件、捜査、考察…でテンポもくどく感じた。
    とにかく、頑張って読めた達成感!

  • 自分は推理小説を推理しないで読むスタイルなんです。一切推理をしないで読んで、それまで自分の信じていたものが根底から探偵役にひっくり返されるそのカタルシスみたいなものを楽しんでいるんですが・・
    だから、特に推理してないにも関わらずある程度真相がわかっちゃったりするとかなり興ざめなんです。

    これはそんな感じの一冊でした。
    なんでみんなこの人を怪しいと思わないんだろう?・・いやいやまさかきっとびっくりするような真相があって別の人が真犯人・・・と思って読んだらやっぱり自分の想像通りで。。
    文章も、ひたすらに魔術王がいかに残酷か蘭子がいかに優秀かという部分がやたらと目立って「もうそれはわかったから」という気分に。お互いを違う角度で褒めあってるだけみたいな。うーん。

    しかし同じような推理を構築しても、女性が探偵役だとなんでかちょっと嫌味っぽく感じるのはなぜなんだろうな?そう感じさせない女性探偵役のシリーズ小説って結構少ない気がする。

  • 再読。
    ラビリンスVS蘭子の所謂"ラビリンスサーガ"の一作。
    物語の内容量云々の前に、からくり屋敷の構造にわくわくしてしまう。
    蘭子が出てくるまでが長いと感じてしまった。
    その事情は再読なので分かってはいましたが、こんなに登場遅かったっけ?
    同時進行の『双面獣~』は個人的にきっつい作品なのですが、一応再読します。

  • 2段で778ページの長編。いくつかの密室もあり、動機や思いがけない
    犯人など、長いが面白く読めた。途中、チョットだらけたが。。。。

  • 蘭子シリーズ、対ラビリンス物再読中。
    やっぱしミステリにおける「よさげな人」はあやすぃのだw

  • ここに一つ伝説が登場した。
    ――奇術 (きじゅつ)とは、人間の錯覚や思い込みを利用し、実際には合理的な原理を用い てあたかも「実現不可能なこと」が起きているかのように見せかける芸能。――
    ミステリとは奇術である。人を騙し、最高のトリックにて人を歓喜させる。しかし、このミステリは奇術ではない。これは魔術である。
    ――魔術(まじゅつ)とは、. 人間の意志を宇宙の事象に適用することによって何らかの変化 を生じさせることを意図して行われる行為、その手段、そのための技術と知識の体系、 およびそれをめぐる文化である。――
    体系に則り、事件を解決する蘭子は犯人を推測し完成させる。そう本当の魔術師は蘭子なのかもしれない。魔術師VS魔術師。

  • 読んでいて、ふとメルカルト鮎の言葉を思い出しました。
    いわく、「私は短編向きの探偵なんだ」
    理由は、あっさり事件が解決してしまうからだとかなんとか。
    読んだのだいぶ前なんで、ちょっとウロですが。短編でなく中編かも。

    さておき。
    二階堂蘭子女史もそれに合致してるなぁと思ったのですよ。
    出て来た途端に解決編が始まるので、それまではひたすら警察や被害者が犯人に蹂躙されるわけです。

    私は短編のが好きだなあ。

    とはいえ、長編はまだこれしか読んでないので、そのあたりは他の本も読んでみないとなんとも言えませんが。

    感想というか結論。
    まだ終わらないのか。

  •  どんどんと派手になってくる二階堂蘭子もの。これもえぐい。気分が悪くなるほどだ。
     事件そのものは名家の過去に関わってくる連続殺人で、犯人もトリックもどこかで見たようなパターン。物語の進行に勢いがあるから一気に読んでしまったけれど、どことなく味気なさが残った。
     惜しみなく使われているトリックはさすがだけど、何となくトリックのためのトリックという気がする。まあ、その辺をくんで、犯人は「魔術王」なんだろうけど。
    2006/4/15

  • 本自体のボリュームもさることながら、事件の派手っぷりに大喜びしてしまう私。猟奇殺人てんこ盛りという感じで、こりゃあ一気読みだわ~。
    事件の数が多くて派手な分、犯人はすごーく分かりやすい。ミステリ読みでこの人を犯人度外視する人はまずいないと思うし。で、犯人が分かればだいたいの事件のトリックも分かっちゃうんだよなあ。正直後半には「こいつでしょ? こいつ犯人でしょ? まだわかんないのかこいつらは~!」と思いながら読んでましたし。
    でも。それでもやっぱり凄いなあ、と思ってしまったのは、ここまで「猟奇殺人」にしなければならなかった理由かな。いわば動機の一環。これは……なかなか怖いのでは。そしてあの「大量猟奇殺人の理由」。そこまで派手にするにはわけがあったか!と驚愕。
    ……ちなみに、蘭子と真犯人との対決はまだまだ続くのね。

  • 魔王ラビリンスVS二階堂蘭子シリーズ。

    昭和40年北海道・函館。
    呪われた家宝<炎の眼><白い牙><黒の心>の持つ
    名家 宝生家に世紀の大犯罪者≪魔術王≫の魔の手が伸びる!!?

    結構描写がエグイです。
    お話し自体は長かったですが、おもしろくてサクサク読めました。
    最後にはどんでん返しに継ぐどんでん返しで
    楽しかったです。

    ただ、蘭子の海外ミステリーの引用があそこまで必要なのか疑問。
    読んでないから全然分からんです;

  • あああ厚かったー!
    『魍魎の匣』より100ページ多いと言えば厚さが伝わるでしょうか。ああ手が疲れた。

    横溝正史・江戸川乱歩を踏襲した、昭和40年代の函館を舞台とした大量猟奇殺人。
    言い換えれば、DNA鑑定のない時代だからこそ成立しうる事件。
    好みな題材ですが、ここまでてんこ盛りだともう食べられません。
    ギブアップ。

    気になった点がひとつ。
    最近話題の『憮然』という単語。
    たぶん作者も意味を間違えていると思う。文脈的に。
    校正でチェック入らなかったのかな。

  • 2009

  • 二階堂蘭子シリーズ

    蘭子に持ち込まれ相談。桑原氏の事件。紫の密室。向かいのビルで殺害されたホステス・ナオミ。奪われた宝石〈炎の眼〉。「魔術王」と名乗る謎の男。
    北海道のクラブでの惨劇。マジックショーの最中の殺害。芝原悦夫と婚約者・鈴原智華、元婚約者・宝生貴美子と竜岡孝史。殺害された智華とアシスタントの女性、誘拐された貴美子。魔術王〈メフィスト〉からの挑戦。貴美子救出の為に囚われた悦夫。監禁された部屋の謎の男の遺体、悦夫の脱出。病院から誘拐された貴美子。看護婦と警官の殺害。貴美子の発見。誘拐される悦夫の弟・伸一。悦夫の冒険。竜岡に射殺されたメフィスト。送られた伸一のバラバラの死体。
    坂下警部の尋問中の森園病院長の毒殺。メフィストによる脅迫状。坂下警部による地下秘密通路の探険。水責めに恐怖。〈白い牙〉の盗難事件。公丸署長の持つ箱の中からの盗難。竜岡孝史の殺害。焼かれた死体の謎。
    深夜に悦夫を殺害に来た犯人。黎人の活躍。ラビリンスに殺害された真犯人。
    蘭子の解き明かす事件の真相。多数のバラバラ死体と伸一の死体運搬の秘密。
    蘭子の推理による『エドウィン・ドルードの謎』の真犯人。

    サイン本

  • 『地獄の奇術師』を思い起こさせるシーンが多数……。トリック自体も簡単なものなので、あれだけ長々語る理由が見えません。あれかな、欲と権力に取り付かれた人間の醜さを描写したかったのかしら? だとしたら、この作家さんにはその腕がないと思います。

  •  懐かしい匂い(ていうかまんま乱歩か横溝)のする作品。一部不評のようですが個人的にはアリです。結構ねちっこく主人公が痛めつけられるので、読みながら奥歯がイーってなりますがそれも佳し。雰囲気勝負の一冊。

  • 家宝でもある呪われた宝石《炎の眼》の持ち主のナオミは、借金のカタとして宝石を桑形に預けている。ある夜、それを一晩だけ貸して欲しいとの申し出を受け、桑形は快く貸し出す。その直後、正体不明の男に体を縛り付けられた桑形が見たものは、世にも恐ろしい殺人現場だった。だが、死体は一瞬にして消えてしまう。確かに見たはずなのだ・・・胸にナイフを突き立てられたナオミの死体を・・・。死体はどこに? 宝石はどこに? 奇怪極まりない事件に困惑する桑形は、二階堂蘭子を訪ねる。<BR>
    その夜、宝石商・桑形のもとを訪れた二人の人物。彼らから始まった事件は北海道へと場所を移し、次第にその異様な容貌を少しずつ明らかにしてゆく。<BR><BR>
    ―――― 稀代の殺人鬼<魔王ラビリンス>の舞台の幕が、今あがる・・・。<BR><BR>

    以下ネタバレ。<BR><BR><font color="white">

    二階堂先生・・・やりますねぇ〜〜。面白かったです。<BR>
    最後まで二転三転して、まさしくこれぞミステリ、といった感じでした。<BR>
    まさか彼女が魔王の手先だったなんて思いもよりませんでしたよー。いや、ホームズもポアロも、全てを取り除いて残ったものが真実だって言ってますけども・・・びっくりでした。<BR>
    言い逃れをする彼女の白々しさも、施された手術のせいなのでしょうねぇ、きっと。最後に彼女が殺されてしまうところがまたなんとも救いようのない感じで・・・彼女が不幸だと読者が思えるだけでなく、魔王の残忍さを表すよいエピソードなんでしょうね、うん。<BR>
    随所に仕掛けられたトリックが非常になんというか・・・本当にトリッキーで、この辺りが二階堂テイストですね、うん。<BR>
    よく考えたら、魔王は竜岡しかいないんですよねーー、最初から最後まで出ずっぱりだなんて、なんて大胆不敵な魔王なんでしょう! 悦夫もまったくいい面の皮です・・・だって貴美子に竜岡を紹介したのは彼なんですから。宝生と祖父江の家の関係も、旧家らしくどろどろしてますね〜〜(笑)。<BR>
    昭和四十年代を舞台にするだけで、今日では不可能な様々な犯罪が可能になるだけでなく、どことなくおどろおどろしい雰囲気が出ますよね。なんというか、江戸川乱歩とか獄門島とか、そんな言葉が頭を過ぎるお話でした。<BR>
    蘭子は今のところ、魔王ラビリンスに出し抜かれた形になってますが、次回作ではきっと追いつき、逆に出し抜いてみせてくれることでしょう。名探偵・二階堂蘭子の活躍に期待してます!!</font>

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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