松浦純菜の静かな世界 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
3.23
  • (5)
  • (15)
  • (68)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 165
感想 : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824133

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ー 人はなにかを失うと、違うもので埋め合わせるものよ。生きていく限り、それがずっと続く。大切な人を失っても、身体が不自由になっても、その代わりとなるものを生み出す《力》を、人間は持っている。あなたはあの瞬間、妹さんを失った。だから、《力》が目覚めた。人間なら誰しも、潜在的に眠っている《力》が。 ー

    特殊な《力》と猟奇的なミステリー。
    この独特な作風が面白いんだよな〜。

  • ある意味青春ミステリで、ラブストーリーになっていくのかな。シリーズを通して読むぞ、と決意。
    事件に巻き込まれ、さらに自分の境遇から世間に憎悪と被害妄想を抱く八木剛士。彼と松浦純菜の出会いから始まる物語を彩るのは、女子高生連続殺人事件、そして桜の木の下に死体が埋まっているという噂。お互いに他者にない「力」を持っていると言う純菜に引きずられるようにして事件に巻き込まれていく剛士は本当に「不死身」なのかどうか。とにかく気になる要素がいっぱいで、これら全部うまくまとまるんだろうか、と思いますが。いくつかの謎は続編に残しつつも、ミステリとしてはオーソドックスな着地点でした。
    あれやこれやのものに対する剛士のひがみというか恨み節が鬱陶しくもあるのだけれど、わからないではないんですよねえ。そりゃあ表に出すようなことはしないけれど、「そんな些細なことで」と思われるようなことでもその人にとってはとんでもなく重大事だったり。素直にそんな思いを吐き出してしまえる分、だんだん好感がわいてくるような気もします。

  • 初読:2005年7月10日
    再読:2015年3月11日

    シリーズ続編(今更)を読むために再読。
    もう発表からかなり経っているので現在の浦賀和宏がどうなっているのかは追えてないのですが、著者27歳の時とは思えないほどどろどろとして思春期特有の煩悶を描いていて、佐藤友哉言うところの「青春汁」がどばどば溢れていています。このシリーズ、果たしてどう終わるのか。

  • 松浦純菜シリーズ1作目。
    浦賀さんらしくないシンプルなミステリー。
    あくまで著者にしては、という意味ですが。
    ラストシーンは、タイトル通り、静かで美しい。

  • 大怪我で療養していた少女が数年ぶりに戻ってくると,親友が行方不明で,街では女子高生連続殺人が起きていた。
    少女は,強盗事件で無傷だった「奇跡の男」とともに事件の謎に挑む。
    ありきたりの設定かと思いつつも,後半の一気にたたみかける展開はよかった。

  • 壁じゃなかったああああヽ(〃Д〃)ノどれが伏線でどれが雰囲気アイテムなのか選んでいたつもりだったのですけど、「そう言えば」と言う感じ。こっちのシリーズがあるなら読んでも良さそうなのですね(* ´ェ` *)

  •  表紙イラスト、死人みたいで怖い。
     ……ってことはまあ置いといて。松浦純菜ってほかの作品に出てこなかったかしら。八木剛士ってのもなんか、覚えがあるような。浦賀ってキャラクタの使いまわし(ちょっと違うか)好きだしなぁ。探したけど見つからず。浦賀作品、一回初めから読み返さないと。
     内容は連続女子高生殺人事件。うんなかなか綺麗にまとまってて読みやすかったし、面白かった。過去の事件だとかが複雑とはいかずとも、事件をかく乱するように絡まってて。
     ただ浦賀っぽいどこかずれた世界も健在。安藤直樹シリーズより狂ってはないけど。
     《力》という考え方が面白い。何かが欠けたときに、それを補うように現れる力。一応以下空白部分反転。
     松浦純菜は「義手をありえないほどうまく扱う力」ってことか? 八木剛士は「決して殺されない(これは反転しなくてもいいか)」という力。ただ一番怖いのは「ほとんど出番がない上に登場人物一覧に名前を載せられている片岡恵美子という主婦」の力。多分彼女は「事件を目撃する、あるいは呼び込む」ような力を持っているのだろう。

    05.02.10

  • ミステリというよりホラー寄りかしら。
    そして対象も若干低年齢なかんじ。

    この本1冊ではなんとも言えないので、次も早く読みたい。

  • 自分だけが不幸だと思うなよ。
    戦争してても、
    下半身不随でも、
    貧困で困ってても、
    死に至る病にかかっても、
    自分が悲劇のプリンセスだと思うなよ。

  • 個性的な登場人物は、シリーズものだから仕方ないとして、お遊びの部分を生かし切れてないのが残念。伏線をそこに込めることができれば、驚きも倍化するのに。重要な部分とそうでない部分が読んでいて解ってしまう。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年、神奈川県生まれ。1998年、『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』など、著書多数。2020年、急逝。

「2020年 『こわれもの 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浦賀和宏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×