- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061824300
感想・レビュー・書評
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2022/02/24読了
#辻村深月作品
「i」が一体誰なのかと予想しながら
読み進めてみたが、
それは反則だわ〜、と言う感想しかない。
ちょっと消化不良感が残る。
あと、辻村作品だけに
やっぱりハッピーでは終わらないんだね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
半分くらいで犯人ばれちゃって、あと半分どうすんのかなぁなんて思ってたらないちゃった…
この後どうなるかとか、どんな会話とか、余韻がすごい深くてスッキリしないこの感じが、読んだな、って思わせてくれた。
順番に沿って図書館で借りて読んでます。
同じタイミングで読んでる人がいて、順番待ちしながら次の作品って読んでいってるので、だれかわからないその人の存在がほっこりします。
なにいってんだろ -
痛ましい物語だった。
そして、細部は容易に予想させておいて
最後の最後でそれを根底から見事にひっくり返す、辻村深月の大胆さ!
人と繋がりたいのに、愛する人と手を繋ぐことすら
苦痛として受け止めねばならず
残酷な殺人ゲームを続けてでも
「兄であるはず」の「i」を追い求めずにいられない「θ」。
自らを完全否定し、闇の中で二度と目覚めたくないと願い、
生餌となって喰い尽くされることを夢想しながらも
「θ」を生き永らえさせるために罪を犯す「i」。
人として生きたいθと、消滅したいiとの
まさかの立場の逆転に戦慄し、涙が止まらない。
そして、愛する人の罪を知りながらも、
「ゲームを中止して二度とθに戻らないと誓うなら
全てを忘れ、二度と思い出さない」と約束した月子。
命を削るようにして、証拠写真を飲み込んでまで守ろうとした彼を
(たぶん)自らの意志の力で、本当に記憶を喪失してまで
きっちりと忘れ、思い出さないまま見送る月子が、哀しい。
重ねてしまった罪は到底許されるものではないけれど
柔らかな健全さで、陽光のように周囲を包み込む狐塚に憧れ、
細い両腕を差し伸べるように、闇を貫いて
まっすぐに自分を照らす月子の想いを浴び、
不器用でやさしい恭司の鉄拳で「月まで飛ばして」もらうことで
θが消滅して、iが淋しくひとり残ったのではなく、
iの中に、きっと生まれながらにしてあったθという人間らしさは
手首を折ってまで逃亡し、心を込めて月子の手をとって
「生きることに手を抜かない」と誓う、ひとつの全き人格として
ちゃんと結実したのだと、祈りを込めて信じたい。 -
うーん、、、ふた捻りくらいはあったけど、上巻の結末での予想通りというか。ボリューム多く、かなりの長編ですが、ミステリとしては凡庸かしら。
恋愛心理と友人同士のマウント・駆け引き。このへんの描き方は、女流作家らしく流石だなぁと思うのですが、なんか登場人物に共感できないのは、何故でしょうか。
後の小説を見ても、無理に人死にを描かない方がこの作者にはあっているかもなと感じた。
日常から非日常に転がり落ちるモラトリアム群像劇としては、私は西尾維新のクビシメロマンチストのほうが共感できた。好みはそれぞれだと思うが。 -
「人間には誰でも、大好きで泣かせたくない存在が必要なんだって」
とはいうけれど、起きてしまった事件はとにかく暗くダークな現実
女同士の歪な友情、愛することと恋すること、過去の怨恨、妬み、家族…一度ほどけた結び目からスルスルと解き放たれる真実
これ読んでる間は毎晩連続殺人の夢をみた、あるときは殺される側で、あるときは殺す側で…どっちもイヤな夢だった
なんとも切ない“痛みを共有しながら二人で興じる対世間の殺人ゲーム”、でも大好きな世界観
児童心理学の秋先生の存在が人間として際立っている
映画『真実の行方』のエドワード・ノートンの迫真の演技を思い出した
ところで、秋先生は一体なにを囁いて男の子を消してしまったんだろう? -
月ちゃんは浅葱君のこと「童話に出てくる王子様のよう」
浅葱君は月ちゃんのこと「施された濃い化粧まで含めて月子の印象は姫だった。」と思ってます。王子様と姫って2人ともロマンチックで胸キュンです。
読み返しても楽しめるし辻村さんの小説は好きです。一番の悲劇は浅葱くんが鈍かったことです(笑)
著者プロフィール
辻村深月の作品





