邪魅の雫 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3174
レビュー : 400
  • Amazon.co.jp ・本 (824ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824386

作品紹介・あらすじ

「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「-自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と。警察も手を拱く中、ついにあの男が登場する!「邪なことをすると-死ぬよ」。

感想・レビュー・書評

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  • 恐らく初版以来の再読。
    さて…この胸のもだもだを解消してくれる本編の新刊が出てくれることを願ってやまないのですが。
    もだもだとは、関君と益田の地味な道行きと、郷嶋と青木に鼻血吹くわ、という点です。

  • 8月の最初に姑獲鳥を読んで、ついに邪魅の雫まで読了してしまった!
    どうしよう!楽しみがなくなってしまった!
    夏休みが終わったらいったい僕は何を読んだらいいんだ!!

    最近になって読書をはじめようと思い立ったのだけど、そのとき手に取ったのがこのシリーズで心からよかったと思う!

  • 今回は最後の種明かしにいたるまでがずいぶんとぼやけて
    いる印象だ。榎木津も京極堂もほとんど登場しない上に登場
    人物もやたらと多く、事件の核心からずいぶんと距離を
    置いて回りをぐるぐると回らされている感じ。いつにも
    増しての苦行である。だがそのすっきりしないピンぼけ感が
    クライマックスで一気に焦点を結び、向こう側からこちら側
    へと迫るように立ちあがってくるあたりはさすが京極という
    所。それなりに楽しめたのではないかな。ただ私にとって
    このシリーズの肝は京極堂の講釈であり妖怪談議なので、
    まったくもって物足りないのだが。京極堂のこれでもかと
    いうカタリと探偵のそこまでかという炸裂を楽しみにして
    いるので次はよろしくお願いします(笑)。

  • いやぁ、読んだなぁ、という実感がものすごいです。
    ずっしりと、読後感の気怠さが身を包んでいます。
    京極夏彦は、やっぱりすごいや。

    まず、展開の広げ方ですね。
    風呂敷の広げ方が見事。
    多くの視点を切り替えながら、どんどんと煙に巻いていく。
    この、目眩く、という表現がもっともしっくり来る表現。
    この手法が馴染む人にとって、京極氏の作風は、一種の麻薬に近い。
    読み進む程に茫洋として、呆然とさせられるのですよね。
    世界が霞み、茫洋とした世界に放り出された感覚。
    だからこそ、収束の瞬間にものすごい衝撃を感じられる。
    広げきった風呂敷を畳む時のスピード感。
    世界がとつぜん狭められたかのような、とんでも無い衝撃です。
    そしてその衝撃は、紛れもない快感なのです。

    本作は、その収束シーンが、ちょっと変わってたような感じでした。
    二段構え、とでも言いますかね。全く以て、正確な比喩ではないと思いますが。
    青木が際だってましたねー。
    榎木津が、今一ピリッとしてなかったのが、ちょっと不満足ではありますが(笑)。

    全くの余談なのですが、本作を読んで、一つ直感的に感じたこと。
    京極氏と、清涼院流水氏の作風って、実はそっくりなんじゃないかと。
    いや、巫山戯たことを抜かすでない、とか怒られてしまいそうですが。
    似てるのは本の厚さだけじゃないか、とか言われそうですが。
    いやいやどうして、手法そのものも、似てるような気がするのですよ。
    違いは二点。
    収束の鮮やかさと、そこで使われる手法の不偏さ、というか説得力。
    その二点が、京極氏が素晴らしく巧いという、それだけなのじゃないかなぁ、と。
    ま、清涼院氏のは、後味悪すぎ残尿感ありまくりで、あまり好きじゃないんですが(笑)。
    まあ、すごい小説だってのは認めるのですけれどねー。

    大きく脱線しましたが、本作も、相変わらずの傑作でした。
    ここまで、読書の満足感が味わえる作家さんというのも珍しいです。
    煙幕に包まれて、見渡す限り真っ白な風景から、一気に開ける感覚。
    これが、ミステリィの醍醐味なんだよなぁ、と思うわけです。はい。

  • 粗筋を全く覚えて無くて、再読。なんか散発的な事件だし、盛り上がりも無い。こりゃ、覚えてないわ〜。結果的に連続殺人事件だけど、偶然過ぎる。京極堂シリーズってだけ。

  • 榎さんの事件!もう誰が誰だか分からなくてシリーズの中では一番難しかった。
    でも関口くんが白樺湖事件のおかげで少し回復してるみたいで安心した(本気で心配だった)

  • 今回は榎木津も京極堂もかなり後の登場。そして傍若無人じゃない榎木津、人間味溢れる榎木津が見られます。ちょっと寂しいけど…。とにかく登場人物が多くて、関係がややこしく、理解するのが結構大変。あと、各章の冒頭を揃えてあるのがスゴイな、と。

  • 京極堂シリーズは最初の2作が衝撃的だった。それに比べると本作はだいぶ毛色が違う。ただ相変わらず饒舌で話は長く複雑で理解しがたい。

    榎木津がいつになく人間的で、ラストなどは今までの彼からは想像もできない。

    従来の京極堂を期待するとはぐらかされるかな。

  • 帝銀事件の話が出たあたりで、やっと京極堂登場てな~。
    序盤で“今井橋”とか“南行徳”とかの地名が出てきて
    びっくりしましたわー。

  •  あーもう、なんて嫌な人なんだ!という感想でした。
     再読なのでわかってはいたけど、それでもやっぱり嫌な人です!榎さんはなんであんな人と付き合っていたのか。茜さんと同じくらい嫌いです。
     私は関口くんのファンですが、それでもちょっと切ない気がしました。ある意味純粋な動機。ややこしい理由ではない。きっと私も理解できてしまう。そう思えるからこそ嫌いだと感じました。変な感想ですね。
     さて、嫌な気持ちは次に読もうと思っている「百器徒然袋 風」に吹き飛ばしてもらいます。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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