邪魅の雫 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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本棚登録 : 3174
レビュー : 400
  • Amazon.co.jp ・本 (824ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824386

感想・レビュー・書評

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  • やっとこ読了。

    榎木津の縁談と、
    大磯やら平塚やらをまたにかけた連続毒殺事件が、
    絡んでしまう、お話でした。

    榎木津と京極堂が出てくるまでの、
    事件のあれこれは面倒でたまらなかったのですが、

    今回の見所は何と言っても、

    榎木津の過去!恋愛!ひゃっほい!

    あと、

    「この家に於て、榎木津に関することで発言が許されるのは、榎木津に対する愚痴を聞いてくれと云う頼みと、榎木津の悪口大会に参加してくれと云う誘いだけだぞ益田君」

    ってのたまう京極堂がかわいらしいなと思った、

    あたしの読み方は心底間違っていると思います。

    そして、そんな憎まれ口ばっかり叩き合う面々が、
    最終的には協力し合うというか、
    そういう、チーム的な絆っぽいものを見出して喜ぶっていう、

    もうシリーズの読み方自体を間違えている気がしないこともありませんが、
    このシリーズはずっと追っかけます。

  • 可もなく不可もなく。
    コストパフォーマンスはいいと思う。
    絡新婦の理以降はなんだか盛り下がっていってる気がする。
    つまらないわけじゃないけどそれまでがよすぎたのかな。

  • 榎さんの事件!もう誰が誰だか分からなくてシリーズの中では一番難しかった。
    でも関口くんが白樺湖事件のおかげで少し回復してるみたいで安心した(本気で心配だった)

  • 京極堂シリーズは最初の2作が衝撃的だった。それに比べると本作はだいぶ毛色が違う。ただ相変わらず饒舌で話は長く複雑で理解しがたい。

    榎木津がいつになく人間的で、ラストなどは今までの彼からは想像もできない。

    従来の京極堂を期待するとはぐらかされるかな。

  • 帝銀事件の話が出たあたりで、やっと京極堂登場てな~。
    序盤で“今井橋”とか“南行徳”とかの地名が出てきて
    びっくりしましたわー。

  • 世界と世間と社会。
    いつもながら、語られる薀蓄には妙に説得力がある。
    妖怪が登場していないせいか、読み易かったのだが時代が現代のような感覚だった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14392791.html

  • 妖怪色がそんなに強くなく、薀蓄がものたりなかった。
    が、やはり最後の締めは面白い。

  • やっと読み終わった。いままでのシリーズの中ではやはりイマイチ感が残る。

    毒殺による連続殺人。それぞれがバラバラになっていて、最後にどのような形で収束するのかがポイント。いつもの京極堂による憑き物落としが出るのだが、いつもどおりあまりに悲しい最後でした。

  • なんだか、勝手がちがう。煉瓦本というのだったかな、ノヴェルズの体裁で厚さが4センチ強。厚みはいつもと同じなのに、手にした感触が軽いのだ。舞台が大磯、平塚という海に面して開かれている土地だからというわけでもないだろうが、禍々しさも足りない。ひとくちでいえば物足りない。世界が濃密に構築されていない。

    一番の原因は、役者が揃っていないことだろう。榎木津や木場修といった濃いキャラクターがちらっとしか顔を見せず、狂言回しを務めるのは、木場修の後輩で青木という刑事と以前は刑事で今は榎木津の下で探偵をやっている益田。関口も登場するが、それまでの巻き込まれ形のキャラクターはすっかり影をひそめ、傍観者としてお付き合い程度の登場だ。これでは、話が面白くなろうはずがない。

    事件は青酸カリに似た毒物による連続殺人だが、犯人と目星をつけた人物が次々と毒殺されていくのに、警察は何一つ効果的な対策をとることができない。青木と益田はそれぞれ京極堂を訪ねることで、事件の周縁部には達するのだが、後手後手に回る裡に6人もの人物が殺されてしまう。最後はいつものように京極堂が登場し事件は解決するのだが、京極堂の憑き物落としも心なしかあっさりしているような気がする。

    凶器が毒物だけに事件の背後に帝銀事件や七三一部隊の影がちらつくが、事件の核心はそれらとはちがうところにある。キイワードは世間。人間が何人か集まればそこには世間ができあがるが、同じ人物が関係していても相手が変わったり場面が変わったりすれば、そこにはまた別の世間が作られる。それらは決して社会を構成することなく、そこだけに作られた小さな世間でしかない。しかし、人はともすれば狭小な世間を世界と勘違いし、愚かな行動を起こしてしまうものだ。

    相変わらず、時空を超越したかのように「受容理論」を引用して書評について講義する中禅寺秋彦のテクスト論やベルクソン譲りの時間論、それに柳田國男張りの「世間」話についての長広舌が、ともすれば平板になりがちな刑事事件の解決に新しい光を導き入れ、京極夏彦らしい世界を垣間見せるのだが、それらは事件を解釈する際の蒙を啓く助けにはなっても、事件を解決するものではない。事件を一気に解決するには、「探偵」が必要なのだ。その探偵榎木津が、理由はあるにせよ、いつもの生彩を欠いていては、事件はいつまでたっても解決しない。京極堂が探偵の代理を務めるなど笑止である。

    犯人及び関係者のモノローグを多用し、よく読めば、事実にたどり着けるような配慮はなされているが、「殺人」の動機も微妙だし、人物関係が不必要なまでに錯綜しすぎていて、読み終えた後でもすっきりしない。京極堂に言わせれば、こちらの頭が悪いからだろうが、これまでの京極作品には、こんな読後感は持たなかった。どんなに入り組んだ事件であっても、中禅寺の登場によって快刀乱麻を断つようにすっきりしたものだ。それに、これは評者個人の感想だが、読後、読んでいる者にも憑き物が落ちたような独特の清涼感があったものだが、今回の作品ではそれが感じられなかった。次回作では個性的なキャラクターが活躍することを期待したいものだ。

  • 京極夏彦作品3つ目。

    これは、私としては「京極夏彦らしい作品」って言えないものだったなぁ~って思ったの。
    ストーリー的には面白かったんだけど、
    帝銀事件のことや731舞台のこととか興味をそそる話も出てきたし。。。
    でも、イマイチそこらへんの推理小説みたいなチープさが漂ってた気がしないでもない。。。

    なんか、こう奇妙さがもっと欲しかったなぁ~。って思うのよ。

    PCで検索してみると、やっぱり京極ファンには不評だったみたい。



    それでも一気に読んじゃったけどね。
    次に期待!

著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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