消えた探偵 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 57
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824683

感想・レビュー・書評

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  •  ようやく読み終わりました。出てすぐ買ったのに、しかもなかなか面白そうだったのに何故か読み進められなかった。登場人物の名前がカタカナだったのが原因かな。
     精神が患ってる人が集まる診療所での物語。患者はもちろんのこと、看護婦、事務員に至るまで何らかの疾患を持っている。拒食症だったり過食症だったり失語症だったりね。主人公は強迫神経症。こんな病名が本当にあるのかは知らない。その診療所の所長が勝手につけたみたい。入ってきた扉から出ないと異世界へ飛ばされてしまう、と信じ込んでいる男が、これから起こるかもしれない殺人事件を解決しようと奔走するお話。
     ほぼ全編が主人公の一人称だから、とても論理的とはいえない。本人はいたって真面目なのだろうけど。友人の解離性同一性障碍のクリスと話をしているときなんか、前の世界のクリスとどう違うか細かに指摘していてくどい。まあだからこその「強迫神経症」なんだろうけど。
     結果として殺人事件は起こるけれど、云々、と。
     ラストまで読んでタイトルが二重にかけられていたことに気づきました。クリスの人格の中に殺人鬼と探偵がいて、しかもその探偵が殺人鬼に殺されたっていうんだから、「消えた探偵」ってのはその人格だろうと思ってたんだけど。
     以下空白ネタバレ。
     結局「「クリストファー」という人格はそもそもいなかった」っていうことなのかしら。「殺人鬼シリルがホストであるカイエンを殺して体を乗っ取った、シリルとは名乗れないからクリストファーと名乗った、と。まあ、カイエンやシリルがミドルネームならみんなクリスではあるしな。」それで、シリルの本来のあだ名ってのは「小説家」でいいのか?
     抜粋。消えた探偵の叫び。
     私は、今も生きている。

    07.09.29

  • トンネルを抜けるとそこは雪国だった。もしかしたら、トンネルを抜けた瞬間に異世界に飛び込んでしまったのではないか?そんなことを考えたことはないだろうか。
    この本の主人公、スティーヴンがまさにそのような人物だった。
    扉や窓を潜り抜けるとそこは異世界である。その能力を有している。誰も信じてはいないが、間違いなくスティーヴンはそう考えていた。
    ある日、殺人現場としか思えない場所に立ち会い窓から飛び落とされてしまった彼は、異世界に飛び込んでしまった。そう信じ込む。少しずつ元にいた世界とズレを感じさせる精神病院の住人達とその事件の謎を解いていく。はずだったが……。

    作者の技術力の高さを感じられるが、今一、話に乗りきれない。探偵ものの性格のためか、盛り上がりに欠けるのだ。

    ラストも予想外の人物が犯人であったが、カタルシスがあるわけでも驚きがあるわけでもない。ただ、ああ、そうなんだ。という印象で終わってしまう。内容的には複雑なことを書かれているだけにもったいないような。

    と言いつつも、読み進めるにつれて面白みが増していく。そんな感触があった。どちらかというと、マニア向け。そんな風に感じられる。

  • クオリア

  • 途中のストーリーが退屈だったり、探偵の出番が遅すぎたり、いろいろ改善点はあると思うが、プロットは抜群に面白い。ハリウッド映画化してもおかしくないくらい。7.5

  • 精神が犯されることが現象的であり、無機質的なものであろう。侵入されることはセックスに似ておりただひたすら犯されるのだ。防御も拒絶もできない、それは強姦と同じ事柄。胎児が発芽するまでに取り除かなければ望まれない妊娠となってしまう。

  • ごくよくあるトリックと舞台設定が、特徴ある登場人物たちによって難解な事件になってしまった話。
    登場人物たちは嫌いではないが……。

  • ちょっと今までと雰囲気が違いますね。ありえないことは本当にありえないのかな?と自分の立ち位置が不安に。悪くは無かったと思いますが、帯はあおりすぎ。

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