- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061824942
感想・レビュー・書評
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頁四 引用
「祈りはそのまま、愛なのだ。祈りも願いも希望も、全てこれからについてこういうことが起こって欲しいとおもうことであって、つまり未来への自分の望みを言葉にすることであって、それは反省やら後悔やらとはそもそも視線の方向が違うわけだけど、でも僕はあえて過去のことについても祈る。もう既に起こってしまったことについても、こうなって欲しいと願う。希望を持つ。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文庫化されてめちゃくちゃショックだった1冊。装丁変わりすぎだよ!なんだあの可愛さ求めたイラスト。何がLoveだよ違うだろ!!
タイトルはもちろんだったけど、紙の断面(?)が真っピンクに塗られていたのにときめいて手に取った本だったので、安っぽくされちゃったのが悲しかった。大好きな砂糖菓子の漫画と同じデザイン。可愛い。
下手な字で色鉛筆使って適当に盛り上げただけみたいな表紙がよかったのに。でも好きなのは装丁だけじゃない。
わけのわからない短編がわけのわからない終わり方でぶつ切り?細切れ?とにかく荒々しく詰め込まれているのに好きって気持ちが前面に出ていて圧倒される。おもしろい作品であらすじは覚えていたとしても登場人物の名前なんてすぐに忘れてしまう私ですが「あかなあああ」って叫びはいまだに覚えてる。あかなの話は異常でキュートで鳥肌が立ちました。いきなりペガサスってなにそれ。もう最高だろ。あとは皮膚の下で光る虫の話が切なくて気持ち悪い絶望でいい。美しいのに嫌悪感、どんどん蝕まれていくからこその美しさ…。解釈なんてしなくていいからひたすら浸りたい危ない世界観の本です。 -
【ドリルホール・イン・マイ・ブレイン】
『その女の子は肌が白くて短い黒髪が癖っ毛で、丸い目はまるでどっかの秘密の楽園に生る、世界を征服するための葡萄の実のようだった。世界をケーキみたいに切り分けそうなくらいに可愛い子だった。』
『僕たちはお互いにとって絶対に正しい相手なのに、どうしてこんなふうに不完全なんだろう?』
『世界って美味しいじゃん ー ほんのりマンゴーみたいな味がすんね』
『腎臓は二個あって、一個減っても大丈夫。』
『あかなの持つ、人より余計な長い角と、僕の持つ、人より足りない深い穴。余剰と欠損。あかなと僕は凸と凹だった。』
『世界が終わるなら終わっていい。俺が死ぬなら死んでもいい。でもその前に俺は俺のちょっとだけ確かめたいことを確かめてやる』
『僕のあかなに対する愛情はもう昔のような思いやりとか優しさを欠いてしまっていて、すでに愛情とは呼びにくいものに変わってしまっているのだ。』
『僕とあかながこれからどんどん親密になっていくことが僕には判っていた。それは世界に約束されていた出来事だった。』
『これは我々にとっても君にとっても全人類にとっても一発勝負の賭けなんだ。放っておいたら世界はあと数分で終わる。とりあえず賽を降ろう、村木君。どんな目が出るかは、どうせサイコロが停まったときに判る』
『敵に変化してしまったあかなに声を届けるにはこうするしかない。こうするしかないから、こうしたら届く。』 -
憧れてる人が好きな本で買ってあったけどずっと読んでなかった本を、やっと読みました。
本当に愛でいっぱいでした。
愛するということは、見返りを求めずただ与えるのみでとっても難しいと思います。
夢の話と柿緒がすきでした。
ニオモ好きな人が多いんだなって、レビューみて思いました。
ドリルホール・イン・マイ・ブレインは、きもちわるいけどすごく面白かったです。
全体的に衝撃でした。
パスカルは言った。
愛しすぎていないなら、充分に愛していないのだ。
心に残った言葉。
愛しすぎるくらいじゃないと、ちゃんと愛せていないんだ!と思い、ちゃんと愛しすぎよう!って思いました。 -
『好き好き大好き超愛してる。』真正面から愛を語るプロローグと、その愛の重みを
裏付けていく各短編が素晴らしい。「愛は祈りだ。僕は祈る。」。智依子の話、美しい。
『ドリルホール・イン・マイ・ブレイン』愛を穴の方面から語る…。愛か性欲か?
MVP:柿緒 -
これが愛だと思う。
2回目読んだら涙が止まらなかった。 -
これ好き!一番好き。真ん中の方の神と戦うアダムとイヴの話、これだけでシリーズ書けばいいのに…っていうくらい好きな世界観だった。とにかく出てくる登場人物全員愛が重い重い笑 後半は頭に穴が開いてる全能の少年(ただし、調布限定)の話。いつになくエロい…。愛の物語だと思います。
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タイトル通り愛について書かれた作品だ。結局他人を好きであることはどういうことなのかを問い詰めて問い詰めて問い詰めていく。
青臭く書かれているようで、内容は誠実にして真面目。素朴なだけが取り柄の薄っぺらな恋愛小説の百倍は純粋だ。
もう一作の方はぶっ飛んでて単純に面白い。内容はかなり深いが。
結局誰に何も与えないで自己完結することはオナニーで駄目だっていう感想を持った。何故かは読んで欲しい。 -
なめんなと。「世界の中心で愛を叫ぶ」ことに何の意味があるのかと。俺(私?)が言葉で愛を証明してみせてやんよ。そんな迫力に満ちています。
「愛」の意味を解体していく主人公が導き出した結論は冒頭であり、結末であり、その間に挿入される「恋愛小説」であり、彼の日常そのものでもある。
他人に貸しても八割がた「面白くない」と返ってくるのはちょっと切ないです。 -
『好き好き大好き超愛してる』に関していえば、文庫のデザインがとても良く、ノベルスとどちらかを持つか……はかなり悩むところ。
好みの問題ですね。
値段的にいえば、もちろん文庫の方がお得。