スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1874
感想 : 348
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825123

感想・レビュー・書評

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  • 下巻では、一気に物語が展開。
    それぞれの人物像がはっきりと浮かび上がり、さらに惹き付けられた。
    最終章では、コーキの想いに感情移入し過ぎて、一緒にドキドキしたり喜んだり…と忙しかった。
    辻村深月さんの多くの作品と同様、物を創り出す人へのリスペクトが随所に感じられたところも良かったなぁ。

  • 完璧なほどの着地点だったね( ˘ω˘ )
    まさしくこれがハッピーエンド‼︎

    作家さんが描く作家物ならではの綺麗な部分と業界の打算がリアルに感じられて、そのバランスも絶妙。

    15年前の作品だから辻村さん27歳かな?

    20代の辻村さんが持つ小説家としてのエネルギー
    スロウハイツの住人達の夢に向かって進むエネルギー

    今の自分には眩し過ぎる内容でした。
    あ〜〜20代に読みたかったなぁ…

    • ひまわりめろんさん
      伏線の女王(そう呼んでるの俺だけ)辻村深月さんの実力を思い知ったかぁ!(ビシャーン!)

      悲しみに満ちたあれやこれやが全部最後のハッピーエン...
      伏線の女王(そう呼んでるの俺だけ)辻村深月さんの実力を思い知ったかぁ!(ビシャーン!)

      悲しみに満ちたあれやこれやが全部最後のハッピーエンドに繋がるのよ
      まったくどんなシワがある脳みそなのよ!と思ったよね
      登場人物の青さもいいのよ
      まあ確かにちょっと眩しい青さだけどね
      2022/10/18
    • みんみんさん
      パワーが継続してる作家さんは凄いよね〜
      まだまだ読む作品がたくさんあるって
      ありがたや〜♪( ´▽`)
      パワーが継続してる作家さんは凄いよね〜
      まだまだ読む作品がたくさんあるって
      ありがたや〜♪( ´▽`)
      2022/10/18
  • 「凍りのくじら」から満を持しての下巻だったのだが…。

    この小説の主要登場人物である、チヨダ・コーキ。
    彼は若い世代に絶大なる人気を誇る作家だが、「チヨダブランドはいつか抜ける」つまり、ある年齢になると大半は読者から卒業する、と言われている。

    「スロウハイツの神様」もそれと同じように、10代から20代の、まだ自分の時間を自分の為だけに使える読者が最も共感する物語なのではないかと思う(このご時世、そういう身分の若者も少ないのかもしれないが…)

    チヨダ・コーキこと千代田公輝と、スロウハイツの家主赤羽環の出会いや、環の境遇、チヨダ・コーキの連載「レディマディ」を超える人気の「ダークウェル」の作者など…どれも現実味がなく、「うーーむ」となってしまう…。

    しつこいけど、このストーリーに素直に感動できる年齢で読みたかったわ。

    • ロニコさん
      nejidonさん、こんばんは^_^

      コメントを頂いていたのですね。
      お盆休み明けから学校が始まり、連日の猛暑もあってバテております>_<...
      nejidonさん、こんばんは^_^

      コメントを頂いていたのですね。
      お盆休み明けから学校が始まり、連日の猛暑もあってバテております>_<;
      ブクログも登録のみで、確認が遅くなってしまいまして、ごめんなさい。
      どんなコメントを頂いていたのでしょう…?
      読んでみたかったです!
      お気遣いさせてしまい申し訳ありません。

      しばらくぶりに開きましたら、nejidonさんの本棚に新たな本が沢山増えていて!
      レビューを拝読して、また読みたい本が増えております〜。
      2020/08/31
    • nejidonさん
      ロ二コさん、こんばんは(^^♪
      私の最初の書き込みは、思い切りネタばれしているものでした・笑
      おまけに、あまり作品自体を褒めていませんで...
      ロ二コさん、こんばんは(^^♪
      私の最初の書き込みは、思い切りネタばれしているものでした・笑
      おまけに、あまり作品自体を褒めていませんでした。
      辻村さんの本は中一の姪が殆ど読んでいて、毎回まじめに感想を言ってきます。
      それだけでお腹いっぱいで・笑
      ロ二コさんも言われてますが、適正年齢ってあるんですよね(*'▽')
      「いいね」をたくさん下さってありがとうございました!
      移動図書館ひまわり号が特にお薦めです。
      でももし読まれていたらごめんなさいね。
      2020/09/01
    • ロニコさん
      nejidonさん、こんにちは^_^

      返信コメントをありがとうございます。

      姪御さんは辻村さんのファンなのですね。
      中1で殆ど読まれてい...
      nejidonさん、こんにちは^_^

      返信コメントをありがとうございます。

      姪御さんは辻村さんのファンなのですね。
      中1で殆ど読まれているとは、さすがnejidonさんの姪御さんです!

      適性年齢、本当ですね。
      生徒に人気のある本を手に取ったこともありますが、大抵途中で挫折します( ̄▽ ̄)
      そして流行が過ぎるのが速い速い…。
      そういった本からもう少し違う本への橋渡しが、なかなか難しいです…。

      ひまわり号の本、探します。
      そんなに前の話ではないのに、全く知りませんでした。与えられている恩恵について、もっと知らねばなりませんね。
      2020/09/02
  • スロウハイツの管理人環、画家を目指すスー、映画監督を目指す正義、漫画家を目指すエンヤと狩野、小説家のチヨダコーキとその編集者の黒木、そしてチヨダコーキのファンで小説家の加々美莉々亜…上巻で描かれたそれぞれのキャラが下巻でさらに掘り下げられる…それぞれの過去、現在から未来につながっていく…。
    読み終えて、感無量!!環とコーキ、不器用だけれどあったかいお互いを大事に想う気持ち、ひたむきすぎる愛って言ったらいいのかな…すごくよかったです!「凍りのくじら」の芦沢光が立派なカメラマンに成長していたのも嬉しかったです。

  • 「お久しぶりです」
    「今すぐ行くから、そこで待ってて!」

    20代にして死にたかった神様が、幸せを掴み取ることを自分に赦し
    10代にして死にたかった天使が、追いつきたいただ一人の人をひたすら追いかけて
    一方通行と思い込んでいた17年(!)にわたる両想いを、やっと叶える瞬間。

    あまりにも素朴で、飾り気のない言葉として零れ落ちた想いが
    どんな美辞麗句よりも彼ららしくて、ぽろぽろ泣きながら、うれしくてたまらない♪

    「コーキの天使」や鼓動チカラの正体はかなり早い段階で予想できて
    「おお、わかっちゃったかも♪」とワクワクしていたのに
    『ダークウェル』の原作者、幹永舞には、例によってあまりに豪快に騙され

    蔵書の貧弱な図書館に突如として出現するチヨダ・コーキの本、
    駅のホームの待合室に設置された
    薄汚いのに画質はハイパーきれい☆なプラズマテレビ、
    ブランドイメージに拘っているはずなのに、田舎のコンビニの前で
    ひっそりと売られていたらしいハイツ・オブ・オズのチョコレートケーキ、

    という小道具に対して払われた、
    まるで家内制手工業のような地道な努力に至っては
    あまりにも美しい騙し方に加担した司書さんや駅員さんも含めて
    騙されたことがうれしすぎて感謝を捧げたくなり、

    『凍りのくじら』では屈折した少女だったのに、素敵な大人の女性になって
    あの時の父そのままに、生きていく場所に悩むスーを温かく照らす
    写真家芦沢光となった理帆子を、親戚でもないのに誇らしく思い、

    愛する人を守るために壮絶な負けず嫌いを貫いて倒れた環のために
    得意分野を分担し、一度は去ったエンヤまで呼び寄せて
    徹夜しつつ合作原稿を仕上げるスロウハイツオールスターズに
    「夜食作りでも、コピー係でも、なんでもいいから手伝わせてー!」
    と呼びかけたくてウズウズしてしまう。

    「大人になるのを支える文学」、「繋ぎの、現実逃避の文学」と言われてもいい。
    それで救われる人がどこかにいるのなら、というコーキの言葉は
    20代の辻村さんの心からの叫びだったのだと思いながら

    スロウハイツを巣立って更なる進化を遂げたコーキ達のように、
    30代のお母さんとなり直木賞を受賞して、楽しさ半分、苦しさ半分というよりは
    たぶん楽しさより苦しさが勝っているだろう現在の辻村さんが
    いったいどんな風に変わっていくのか
    ストーカースレスレの熱意で彼の天使を見守り続けたコーキを見習って(?)
    ずっと見つめていくぞ♪という決意まで呼び醒まされる、渾身の名作でした!

    • まろんさん
      まっき~♪さん☆

      いえいえ、もしかしたら私が読んでない作品に、もっと読みやすくて素晴らしいのがあるのかもしれないので
      本当にお役に立てたの...
      まっき~♪さん☆

      いえいえ、もしかしたら私が読んでない作品に、もっと読みやすくて素晴らしいのがあるのかもしれないので
      本当にお役に立てたのかどうかドキドキです(>_<)

      でも、無理しない程度に読んでみて、もし読み切れたら
      ぜひぜひレビューで感想を聞かせてくださいね~♪
      2012/09/02
    • kwosaさん
      まろんさん!

      本棚に花丸とコメントをありがとうございます。そちらにも返事を書かせて頂いています。

      初めての辻村深月さんでしたが、まろんさ...
      まろんさん!

      本棚に花丸とコメントをありがとうございます。そちらにも返事を書かせて頂いています。

      初めての辻村深月さんでしたが、まろんさんを信じて良かった(勝手にすみません)。
      まろんさんの本棚に大量にある「辻村ブランド」
      これだけ推してあるのだから間違いないだろうとは思っていましたが、やはり初めての作家さんというのは期待と不安が入り交じるもので......

      でも、これからは辻村深月さんを追いかけていきます。
      『スロウハイツの神様』のあとはコレ、というのはなにかありますか?
      やっぱり講談社文庫で刊行順というのがいいんですかね。

      あと余談ですが上下巻の表紙はそれぞれ、芦沢光の「昼バージョン」「夜バージョン」をイメージしているのかな? と、ふと思ったのですがどうなんでしょうね。
      2013/03/19
    • まろんさん
      kwosaさん☆

      今、kwosaさんの本棚に伺って、素敵なお返事を読んで感激してきたところです。

      kwosaさんの「辻村さん作品デビュー...
      kwosaさん☆

      今、kwosaさんの本棚に伺って、素敵なお返事を読んで感激してきたところです。

      kwosaさんの「辻村さん作品デビュー」のお手伝いが少しでもできたのなら
      こんなにうれしいことはありません。
      本棚にいっぱい並べた甲斐があったというものです♪

      辻村さんの本は、登場人物がかなり複雑にリンクしているので
      刊行順に読むのが一番オーソドックスな楽しみ方だとは思うのですが
      せっかく『スロウハイツの神様』から読み始めたのですから
      だんだん遡って、「ああ、あの人の少女期、少年期はこうだったのか!可愛いのう。」
      と目を細めながら読むのもまた楽しいかもしれません。
      そうなるとやはり、芦沢光つながりで『凍りのくじら』でしょうか。

      ちなみに、私が辻村さん作品で一番好きなのは『名前探しの放課後』なのですが
      この作品もまた、『ぼくのメジャースプーン』とも『凍りのくじら』と深く関わっているんですよね。
      デビュー後すぐの2作は、『スロウハイツの神様』に較べるとかなりダークな味わいなので
      また違った印象を持たれることと思います。
      でも、辻村さん作品についてのkwosaさんのレビューが読めるなら、
      もうどの作品でもかまいません!ぜひぜひ読んで、そして書いてください!

      表紙のこと、ぜんぜん気づいていなかったので
      kwosaさんのお言葉で、「おお、まさに!」と思いました。さすがだなぁ、とうれしくなりました。
      いろんな版がありますけれど、私はこの表紙がいちばん好きなので、
      気づかせてくださって感激です♪



      2013/03/20
  • 2020/08/04読了
    #辻村深月作品

    すごく気持ちのいいエンディング。
    面と向かって語らずとも
    7人のクリエイターたちが
    互いが互いに影響し合う関係。
    まさに「青春」。
    若い頃に読みたかった。

  • 気づいた違和感は軽く回収され、スルーした違和感は盛大に回収された感覚です。

    そして出てきた登場人物のその後が描かれきれていないところに魅力を感じました。この人たちの人生はまだ続いているんだ、と当たり前だけどあー読み終わった!おしまい!じゃなくなる、とっておきの魔法かなと思いました。

    正直上巻も読み切れないかもと思っていたのですが、
    あの上巻があったからこの感動があるなとおもいます。
    色んな人を通じてみえた過去がただの感情移入だけじゃなかった…

    こんな刺激しあえる仲間が欲しいです。

    • Duffyさん
      最近読書再開して今こちら読んでいるところです^ ^
      最近読書再開して今こちら読んでいるところです^ ^
      2022/03/03
    • Duffyさん
      よろしければフォローさせてくださいm(__)m
      よろしければフォローさせてくださいm(__)m
      2022/03/03
    • めぇさん
      Duffyさん、コメントありがとうございます。Duffyさんの感想、楽しみにしています。フォローもありがとうございます。
      Duffyさん、コメントありがとうございます。Duffyさんの感想、楽しみにしています。フォローもありがとうございます。
      2022/03/03
  • いやいやいやいや!
    そうだよね『神様』でもいなけりゃありえない出来すぎた話しだよね
    『かがみの孤城』を読んだときの感想にも書いたけど本当にこうなってほしいってところに着地させるのがうまい
    しかもわざとらしさを感じない

    答え合わせの下巻は★5じゃ足りない!素晴らしさ

    ハッピーエンドのその先にもう一つ上のハッピーエンドがありそうな終わり方も良かったな〜

  • ある意味下巻でも何か大きな事件が起こる訳でなく、スロウハイツの面々が、傷つきながらも前に進もうとするドラマ。

    上巻から読んでいて、メンバー達の不器用な生き様が好きになり、恋愛においても一度失ってしまったものは元に戻らないという悲しさをいろいろなエピソードを重ねていく。

    「チヨダ・コーキはいつか抜ける」とは、中2病ではないけれど、ティーンエイジャーに絶大な人気を持ちながら、成長と共に興味を失くしてしまう。自分を救ってくれた投書の少女もいつか自分の小説から離れてしまうという想い。そこが印象的だからこそ結末がすばらしいと感じた。

    他にも語りつくせないいいシーンばっかりで、何度も泣きそうになった。脇道に逸れすぎず、ゴールに向けて綺麗に収斂されていく傑作。

  • 先が気になり、あっという間に読み終えました。
    読み進めるうちに、あれは伏線だったのかと気付くこともたくさんあり、本当に面白いです。
    優しい気持ちになれる、とてもお気に入りの本になりました。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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