- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061825420
感想・レビュー・書評
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再読。最近になって作者が「ハルチカシリーズ」の人だと知った。この作品は社会派青春ミステリという事になるらしい。作中では様々な犯罪者が登場するがどの人物も異端という意味では社会的にみて弱者であり、そんな人たちを相手に主人公マドカとその騎士にして幽霊のサファイアは果敢にも挑んでいく。マドカとサファイアには本当に幸せになってもらいたいと読んだ後は切実に思う。
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異常犯罪に立ち向かうファンタジーミステリ。
マイノリティの偏見や差別。全体の枠組みとしてうまく物語の取り込まれており、主人公や登場人物の成長、変化へ繋がるのが巧い。こういうテーマで書ききれたことが作者の力量を感じた。
ロジックの妙や意外な真相などミステリとしても満足。
無力な騎士サファイヤの存在が、劇薬のエッセンスではなくこの物語に必要不可欠だったというのがわかり、テーマも相まって素晴らしいラストに感動。
キャラの記号化、輝かせ方がにこんな書き方があったのか… -
ストーリーは良かったのだが
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面白い!笑えて、泣けて、楽しめて、続きが気になって夢中で読める。
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女子高生・マドカが恋したのは「サファイア」。
女装少年サファイアとマドカが、異常犯罪者たちとたたかうお話。
それにしてもサファイア、ただの女装好きではない。
頭がよく回るし、フットワークも軽く、マドカをサポートする。
マドカはサファイアに振り回されつつも、犯罪者に立ち向かえる強さがある。
サファイアとマドカの掛け合いが面白いし、事件ごとに協力者が増えていくのもいい。
終わり方も、未来を感じさせて良かった。 -
このテンポは読みやすくて好き
終わり方も先の展開を予感させて言い終わりかただったと思います
警察官の娘、その道の方々、幽霊?それぞれ個性的な性癖をおもちでした
舞台が女子高だったので、女子高とはそういうもんなのかとおもってみたり
正義感が強い子が突っ走りそれをフォローする裏方がいて解決へ導く
王道な感じだけど設定が個性的なので飽きなかった
表紙右がサファイアなんだな…きっと -
女装趣味の美少年幽霊&レズビアンの弓道女子VS異常連続犯罪者。マイノリティという社会派寄りのテーマをファンタジックな設定とキャラクター性で包み込み、ライトな読み口でありつつもしっかり重く、心に残る。初野晴という物書きの作家性が最も良く出ている作品ではないでしょうか。序章のもりのさるを含め、5人の犯罪者との対決が描かれていますが、ミステリ的に特に面白かったのは「Invasion -インベイジョン-」と「Rafflesia -ラフレシア-」の二編。中でも後者はそれ以前の章で触れられたある事象を伏線として利用しており、本作が決して連作短編などではなく、あくまでひとつの物語であることが謎解きにおける“気付きの快感”にもひと役買っています。
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面白い!
初野晴って何度も確認したんだけど、やっぱり男性なんだよなあ。角川の「退出ゲーム」からのシリーズを読んでても思うんだけど、初野さんってなんだか文章が女性っぽい。リリカルだからか?<リリカルって(苦笑)。
ええとまず、カバーの栗色の髪の長い子、男の子で、黒髪ショートが女の子です。どっちが騎士かって? どうぞご一読ください。面白いよ。
あらすじ:
東北の地方都市で高校の弓道部で主将をしている女子高生のマドカは妄想気味の少女。現在一つ年下の謎の転校生「サファイア」に恋愛中。イケナイ恋に胸の痛みと甘美なものを感じながら妄想していると、いろいろなことが手につかない。このままではいられない。友人からの激励もあり、「サファイア」に玉砕覚悟で告白することに。しかし「サファイア」の正体は――。
ドッグキラー、インベイジョン、ラフレシア、グレイマン。
マドカは街で起きているさまざまな事件を、騎士であるサファイアに守られて解決するため奔走する。
なんていうか少女小説が好きな人はこの本好きだと思いますが、いかがでしょう。リリカルリリカル。
なんていうかそれぞれの事件の犯人に「ドッグキラー」等々のニックネームがついているところも、ゲーム的でファンタジックでこの本のリリカルな雰囲気を盛り上げてくれる。
でもね、なによりもこの本をそこで終わらせないのが、何気に社会派なところなんだよね。設定はゲームっぽいけど、問題自体は社会派。それが全くアンバランスじゃないんだよ。
初野晴の最大の強みはリーダビリティと物語性、そしてリリカルな雰囲気のなかに社会派ミステリを書ききるところだよなあ。
マドカとサファイアの関係がまたいい。曖昧にしか書かれていないけれど、お互い大切に思ってるところが伝わるんだもん。
「1/2」の「騎士」。うーん、考えれば考えるほどなんて物語にあった題名なんだろう。 -
女子高生が主人公の青春ミステリーと言った感じだが、全体的にどこかメルヘンな雰囲気に包まれている。しかし、単に甘ったるい物語に終始している訳ではなく、全篇を通してマイノリティーが一種のテーマになっており、社会派な部分も併せ持つ。読後感の爽やかさも良い。
著者プロフィール
初野晴の作品





