転生 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 57
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825628

感想・レビュー・書評

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  • はずれ無しと思っていた篠田さんだったが、これはつまらなかった。なぜこんなものを書いたのだろう?
    大きく発展していくと思われた転生ラマのエピソードだったが、物語はただの活劇に終始してしまい、社会批評も人間賛歌も、なによりエンタメ要素が弱かった。ラマにもロプサンにもさほどの魅力が無く、どこに面白みを見出せば良いのかわからなかった。
    ま、ラマにこんなこともあるのかな。
    あ、たまにね。

  • パンチェン・ラマって初めて聞いたよ.

  • 著者のチベット近辺を舞台にした作品としては「弥勒」「ゴサイタンー神の座」に続く三作目。

    謎の死を遂げたパンチェンラマ10世のミイラがなぜか生き返り動き出した。が、当初モモ(小さい餃子のようなもの)に目がなく、女の尻を撫で回すようなことを繰り返していた。

    当局はラマを連れ戻そうと捜査に躍起になるが、その網をくぐりながら、だんだん生前の自分の立場を思い出したのか説教をしてまわる。

    すると中国政府が核でヒマラヤ山脈の一角を取り崩す計画を知り、妨害を企てる。

    著者はこの地区周辺の情勢に危惧しているらしいことが文庫版の巻末付録「チベット取材記」を読むとよくわかる。

  • パンチェンラマという名前は聞いたことがなく、歴史や海外の情勢、宗教に疎い自分は初めのうち内容を把握するまで時間がかかってしまった。だがミイラが本当に生き返るという所で不思議な世界に没頭し始め、篠田さんの非現実的な筈なのにどこか現実味を帯びている話を夢物語に読み進めてしまった。やはり背景を知っていた方がもっと面白く読めた気がする。その後のラマが…気になった。

  • この人の文章、読みやすいうえに続きが気になって、一気読みしてしまうなあ。けれどあんまり日本語分からなくて少しずつしか読めないので、時間ある時に続きを読み始めたら一気にラストまで持っていかれた。やっぱり「人間怖い系」。面白かったです。

  • 情景描写に、チョッと辛い所があったが、総評としては満足。パンチェンラマ万歳!

  • この小説の中のパンチェン・ラマはあまりにも荒唐無稽だけれども、
    パンチェン・ラマ10世が本当に生き返ってくれたら、
    というのがチベットの人々の本当の願いだと思う。
    今、北京にいる11世が偽物だと言われてはいるが
    彼自信が良い僧になればそれで良いと思うのだけれども・・・

  • 大好きな篠田節子サンの、超珍しいライトノベル。チベットのえらーい坊さんミイラの大活劇。現在の中国におけるチベット問題もわかっちゃいます。

  • 時節柄、外で読むのに気を使う……。

  • 報道でしか分らないチベット自治区の困窮ぶりが伺える。漢人の増殖は凄いから、数世代後にはチベット民族は浄化されてしまうのであろうか。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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