掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825802

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  • 978-4-06-182580-2
    c0293¥800E

    掘割で笑う女
    浪人左衛門あやかし指南


    著者:輪渡颯介 (わわたり そうすけ)
    ※この当時は「わわたりそうすけ」、のちに「わたりそうすけ」と変更された。

    発行所:株式会社講談社

    2008/01/10. 第1刷発行

    -----------------裏表紙より
    城下の掘割で若い女の幽霊を見たという普請方の男が、まもなく病で死んだ。
    女の姿を見たものは必ず死ぬという噂がささやかれる折り、お家騒動が持ち上がり家老が闇討ちされた。
    怖がりで純情な甚十郎(じんじゅうろう)と酒と怪談を愛する浪人・平松左門(ひらまつさもん)が、闇に溶け込んだ真実を暴く痛快時代活劇!----------

    カバー袖より
    男女差別をかますわけではありませんが、やはり幽霊は女の人のほうが似あう気がします。
    男性より女性の方が絵になります。
    怖さも格段に上だと思います。
    「死んだ女」って言葉、怖いです。
    「死なない女」ってのは、もっと怖いですけど。-輪渡颯介
    -----

    第38回メフィスト賞
    講談社 エンタテイメント作品 賞金表彰はなく、編集者に評価されれば書籍化される。
    ・すべてがFになる
    ・図書館の魔女 など
    ------------------
    手にした理由
    皆塵堂シリーズを楽しんでいて、その作者さんのデビュー作です。
    --------------------------
    怪談話が、入れ子のようになっていて、途中、殺しをした人が始末され(死亡)なぞと怖さが増幅します。
    後半は、平松左門がホームズ、怖がりの(怪談が苦手な)苅谷甚十郎がワトソン役になり、謎解きがなされます。

    登場人物がたくさんいて、名前、役職、関り、などがつかめず難儀しました。

    そもそも、「掘割」が絵としてイメージできず、運河と掘割何が違うの?って感じでした。運河の類語に掘割がありましたから、なんとなくそういうものでしょうか。

    広島の竹原の川沿いはきれいでしたし、富山の運河も当時の賑わいを想像して楽しみました。あんな感じのところだったのかな。
    --
    登場人物
    ・根森源蔵 ねもりげんぞう 
    ・脇坂 根森の同僚40半ば 無口で陰気、堅物(病死)
    ・津村杢之助 つむらもくのすけ 祐筆勤め(書紀・記録者・文官)
    ・中根 なかね 江戸詰の藩士
    ・芹村金吾 せりむらきんご 町奉行下役 釣り好き
    ・石丸久之進 いしまるひさのしん 作事方 二度目の闇討ち依頼者を告げずに死亡
    ・島野 しまの 石丸の同僚 山菜採り、に鶴北寺の寺で迷子(後、死亡)
    ・水内兵馬 みずうちへいま 小柄の酒好き 勘定方
    ・苅谷甚十郎 かりやじんじゅうろう 次男坊 臆病者
    ・苅谷半左衛門 苅谷甚十郎の父親 国許用人
    ・木谷新五郎 きたにしんごろう 剣の使い手
    ・赤松様 
    「山咲」料理茶屋 石丸・芹村・津村・根森(囮)・木谷(実行)
    (見張:門倉・広瀬)
    ・檜山織部 次席家老 豪放磊落 政治を私物化
    ・江原又左衛門 郡奉行 (依頼主)政治を私物化
    ・土田惣介 つちだそうすけ 痩身 30代 目の鋭い男
    ・平松左門 ひらまつさもん 剣の使い手 酒好き 道場師範 甚十郎の師匠
    ・間島敬之助 ましまけいのすけ 江原家老のお付きの提灯持ち役
    ・鹿島源太夫 かしまげんだゆう 郡奉行 (江原又左衛門の後釜)娘は七緒
    ・七緒 ななお 鹿島源太夫の娘 21歳 母親亡きあと武家の家を切り盛りした
    苅谷甚十郎の縁談の相手 親に信濃屋に売られ妾になる
    ・鶴北寺の和尚

    ・佐平 さへい 平松左門と同じ長屋の住人 大工 妻子あり
    ・長吉 ちょうきち 平松左門と同じ長屋の住人 井戸掘り職人
    ・喜八郎 きはちろう 錺師:かざりし 建築金具の職人鎹、丁番、襖引手など
    ・潮五郎 ちょうごろう 平松左門たちの長屋の管理人
    ・利倉屋清右衛門 地主に金を貸していた商人 50歳くらい
    ・亥之助 いのすけ 平松左門と同じ長屋の住人 経師屋(襖などの表具師)
    ・重七 じゅうしち 平松左門と同じ長屋の住人、棒手振り
    ・おのぶ 亥之助の妻 子供好き
    ・お喜代 おきよ 大工佐平の女房 同じ長屋の住人
    ・お徳 おとく お喜代(おきよ)の幼馴染

    ・赤松頼母 あかまつたのも 
    ・信濃屋 商人
    ・信濃屋の隠居処を世話する老夫婦(和助・おとき)
    ・和助 江原家の元老僕 おときはその婢
    ・名取七十郎 なとりななじゅうろう

    韜晦:とうかい 隠す。才能、地位などを隠すこと、行方をくらますこと

    牧沢弥一郎 平松左門の実名 平松左門は二代目で牧澤は国元で暮らせなくなり江戸へ出て、平松の世話になった。平松は病を得て、死亡。なり替わって暮らしている。
    -----------------

  • 2008年。第38回。
    江戸時代。怪談で始まるミステリー。
    人名が多すぎてわからなくなるのだが、剣豪で酒豪の平松左門と、こわがりの甚十郎がよい。
    平松左門の正体が最後でわかるのだが、その人名がわからず、ざっくり二度読みした。

  • ちょっとくどくどしかった。
    怪談と思わせて…
    で、結局子供は誰で、
    仕掛けをしたのは誰だったんだろ?

  • 京極堂は妖怪だけど、こっちはお化けの話。
    オーソドックスな怪談が元ネタになったるんだけど、前半に凝りすぎたせいか、ちょっと話に乗っていくのが難しかったです。
    最後のオチも伏線を探してやっとどういう話かわかるぐらいだったし。

  • 毎夜いつの間にか崩れる石垣に現れる女
    龍神沼に浮かぶ水死体
    帳場に現れる女
    樹木の上の女
    寺の参道を縄をぶら下げて歩く女
    地下の座敷牢で這う人
    猪牙の後ろをついてくる水死体
    長屋を通り過ぎるいないはずの母娘

    いろんな人やら怪談やら思惑やらが入り乱れて、どこに向かうんだろうと何度も思う。
    ただ、ちょくちょく挟まれる怪談は怖い。
    帳場の女、なんなのー。
    怪談が物語る真実が最後に真相をあぶり出すわけだけど、酒好きでとぼけた面々が最後まで楽しい。

  • 途中で挫折しそうになりながらも
    だんだん
    面白くなっていった。。

    続編も気になる。。

  • 詳しいあらすじみないで読み始めたので「誰が探偵役なんだろう?」と思いながらなかなか楽しかったです。

    まあ平松左門の正体なんかについては読んでいて非常にわかりやすい形ででてきてるのにそれをラストでさも重要そうに持ってきたのは若干野暮な気もしましたが。

    時代小説の読みにくさみたいなものもないし、とっつきやすい一冊。この作者さんの特徴として「文章が平易で読みやすい」ってのはあるかもしれませんね。

  • 城下の掘割で若い女の幽霊を見たという普請方の男が、まもなく病で死んだ。女の姿を見た者は必ず死ぬという噂が囁かれる折、お家騒動が持ち上がり家老が闇討ちされた。怖がりで純情な甚十郎と酒と怪談を愛する浪人・平松左門が、闇に溶け込んだ真実を暴く痛快時代活劇!第38回メフィスト賞受賞作。

  • 江戸を舞台にした怪談長編(ホラーではない)。お見事。
    ラストがちょっと笑えていい感じでした。苅谷は和むなあ。左門の気持ちも分かる(笑)

  • 時代小説であり、ミステリ小説。
    怪談小話がたくさんで若干散漫な印象ですが、ラストではひとつに終束されます。

    犯人は推察できていましたが、まさか一方でああいうことをしていたとは。
    恐れ入りました。

著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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