まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス)

  • 講談社 (2008年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784061825925

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目、このタイトルを知って読み始めたシリーズでした。
    今回はグッピーとシェイクスピア。きれいはきたない、きたないはきれい。シェイクスピアは解るのに筋肉少女帯はわからない双子。
    2作目は苦かったです…黙って殴られた相川(兄)の気持ちを考えるとつらい。巻き込まれた人のこと考えると、相川(妹)は罰を受けるとして、顧問がお咎め無しっていうのがもやもやします。でも彼はこれからの方が辛いかもな。
    美樹真樹に友人が出来そうというか普通の同級生とわちゃわちゃしてるの良かったです。死神の力が発揮されないといいけど…と心配してしまうけど。
    望まなくても感情を殺すしかなかった真樹と、死神ゆえ情緒不安定過ぎる美樹、どちらの生き方も辛いな。二人とも守らなきゃいけない高槻さんも命いくつあっても足りなそう。

  • 前作がクローズドミステリーものの本格派をぶち殴り踏みつけめためたにするとんでもないやつだとしたら今作は学園ミステリーの趣があった。
    ただ、導入とかは確かに日常の謎的な学園ミステリーの趣なのだけれども流石というべきか物騒オブ物騒といった感じでかっとばしてくれる。
    ヒロイン(?)の少女がすごくいい味出してた。
    凄惨な事件は起きるもののなんとなく思春期に自分にたいして思い悩む少年少女のほろ苦い青春ミステリーという雰囲気もあってすごくよかった。ラスト近くの「犯人」と「探偵」の刺しつ刺されつに近い会話は痛々しいけれど、その結末は案外どす黒くもなく、なんとなく切ない余韻が残るものだった。
    読後感が悪くない青春ミステリー。(ただし凄惨で闇はふんだんに混ぜ込まれている)

  • 作者が得意にしている分野の蘊蓄のすさまじさは1作目以上で、見開き2ページ分、改行もなくまっくろけーに蘊蓄まくしたててるページすらあるよ。
    「お前は京極堂か!」
    とツッコミたくなりました(笑)
    しかしその得意分野をしっかりトリックで使ってるあたり、マニアっぷりが伊達じゃないね!

    今巻は学園ものでした。
    バカップルとかも出てきて、学園物らしいがちゃがちゃ楽しい感じで始まるのですが、段々怪しげに陰惨になっていくあたり…

    主人公双子の生い立ちなども、じりじり明らかになりつつあります。
    双子のヒミツ知りたさに、シリーズ読破してしまいそうな予感^^;

  • まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス)

  • つらい流れのお話でしたね。お店で見るグッピーがイメージと違って全然綺麗じゃないのはそういうわけだったのだなと納得。シェークスピアも不勉強で、オフィリアと言えばミレイの絵しか思いつかない。どんな風に生まれついても親はちゃんとその子を祝福して欲しい。

  • デビュー作「パラダイス・クローズド」で本格ミステリに挑戦状をたたきつけた、汀こるものさんの第2作。

    えっと、前作以上に魚話満載です。というか、それだけです。そこに力を注ぎますか。そうか、汀氏は密室ミステリでもトラベルミステリでもない、「アクアミステリ」という新ジャンルを推理小説界に打ち立てたんだ!

    …という能天気なレビューを書こうとしていたら、中盤からとんでもない事になっていました。て言うか、物凄いペース配分ですね、これ。ライトノベルと見紛うかのような序盤とのギャップが、あまりにも鮮やかで脱帽しました。

    きりきりと胸締め付けられる展開ですが、この終わり方、僕は好きですよ。

  • アクアリスト達の青春ミステリー。
    雑学は非常に難しいが、事件におおいに関係している。
    読後感はなかなか悪くない。

  • 08/04/2014 読了。

    図書館から。
    1作目と思って借りてきたら、
    まさかの2作目で…。
    次いったら、ちゃんと借りてこよう。

    メンデルの法則しか頭に残ってない(笑
    正直、魚に関しては全く知らないので
    読んでいても「???」という感じだったのですが、
    登場人物がたってるので読み進められました。

    双子兄弟もですが、高槻さんと矢部君も
    いいキャラしてますね。

    まほろ作品と同じ匂いがする気がします。
    シェイクスピアがわかるともっと面白いんですかね。

    引き続き借りようと思います。

  • THANATOSシリーズ二作目
    前作よりもアクアリウム小説になっているのだけれど、やっぱり好みの作品。
    真樹と美樹の微妙で歪な関係がとても好み。ミステリーとしては弱く、こじつけ感はあるけれどそれもそれで楽しめた。

  • ここで登録しようと検索かけたらタイトル某アニメとかぶせてるんですね。わざとですよねやはり。
    「研究部」を先に読んでるのでおぉ~と思いつつ。
    すれ違いの悲しい作品。手段が爆弾って半端ない・・・。
    高槻さんではないけれど、読んでる方も「普通」の感覚をなくしていきそうですこの作品。面白いからよむけど!

  • もうほんと、タナトスきゅんとかマジ勘弁!って感じだった第一作ですが、二作目になるとまあ自分が慣れてきたのか作者がこなれてきたのか(韻を踏んでいる)、普通に楽しくなってきた。
    基本的に蘊蓄系の読書は嫌いじゃないので。

    しかしなあ。
    あんまりこういうこと言うの、ヒステリックだから好きじゃないんだけれども、今時こんなホモフォビックな小説も珍しいね。周囲の余りに典型的な、露骨なリアクション。まあ、世の中こんなもんなんですけど。作者は女性らしいけど、双子のキャラ付けの感じとかからなんかやおいは好きだけどホモは嫌いです!とか、BL小説にありがちな男が好きなんじゃない、お前が好きなんだ!ってのと似たにおいを感じる。


    (以下ネタバレ)
    まあそれも、一応メインの真相に絡んでくるから仕方ないとも思えるんですが、それにしたってもうちょっと書き方あったんじゃないの?と思います。
    前作のミトコンドリアの話もそうだけれどISについてもそれなりに事前知識があったので、今回もそれを知らない人のような衝撃は味わえなかったなー。

    アンチミステリ的というか、普通だったら事件を解決したというだけで偉そうに犯人に説教を垂れることがほとんどの探偵が、逆に犯人に言いくるめられるというのは面白かったです。

    ま、とりあえずもうちょっとは読もう。

  • 語りが長くなると頭に入ってこなくてすっとばしたくなる。
    でも展開は面白いし、うんちくが好き。
    魚、見に行きたいなー。

  • シリーズものなのに二作目から読んでしまった。
    だって一作目見つからなかったんだもの。

    死神と探偵の双子が出会うアクアミステリー。
    熱帯魚とかアクアリウム全然興味なかったけど、飼ってみたくなるー。
    水族館行きたい。

    高槻さん、死なないで!(笑)

  • タナトスシリーズ第2弾。
    グッピーを例にした遺伝の話はすごいなー、と思ったけど、自分は生物とってないので難しくてよくわからない…。
    でも作品の雰囲気は好き。

  • タナトス二作目。この作者漫画好きなのか。ジョジョとかヘルシングとかのネタがちょいちょいある。
    小話的なのとかうんちくは面白いのだけど、ミステリとしてはどうなのって感じた。トリックが成り立つのか疑問だし、動機を推理するのは無理じゃね、伏線がマニアックすぎる。
    ただ水槽が欲しくなるシリーズではあると思う。ベタ飼いたい。

  • タナトスの二作目。
    学園物ではあるけれど、相変わらず美樹が行くだけで死人がばたばた出てきます。恐ろしい。
    グッピーの遺伝の話は面白かったです。
    魚の知識は詳しくないので、このシリーズはとても興味深い。そしてそれを双子に置き換えてしまうところに、やるせなさがあるなと思います。
    ネタバレになりますが、あの装置が作動するまでの間。あの双子はどんな気持ちで時を待っていたのだろうかと思います。
    自分ではどうすることも出来ない仕組みで、これまで積み重ねてきたものが崩壊してしまった。その衝撃をぶつける者と、受け止める者と。
    きっとそこには深い情があるんだろうなと、思いました。
    どこの双子もそうなのかも知れないと、シリーズを読んでいると思います。

  • 文庫版と同上

  •  生物部と自然科学部の文化祭お魚対決に、死神が絡んで、爆発する話。

     やるせない。もの悲しかった。

     グッピーのお話面白かった。メンデルの法則なんて血液型くらいでしか使わないものだと思っていたので、わぁって、なんだか感動してしまった。

     文化祭での、高槻さんから美樹への叱責、同じ事を思っていたからすかっとしたけど、怖かった。

  • ミステリ……?
    心象描写に迫る部分が多いせいか、あんまりミステリっぽくない。
    ですが!
    美麗男子の双子が好きなら非常にオススメです。

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著者プロフィール

1977年生まれ。大阪府出身。
追手門学院大学文学部卒。
『パラダイス・クローズド』で第37回メフィスト賞を受賞し、2008年にデビュー。
以来、「THANATOS」「完全犯罪研究部」「レベル99」シリーズ上梓のほか、ドラマCDのシナリオも数多く手がける。
2018年に上梓した『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』 (メディアワークス文庫)が、新聞や小説誌の書評コーナーに取り上げられ、大きな話題に。
近著に『レベル95少女の試練と挫折』『五位鷺の姫君、うるはしき男どもに憂ひたまふ 平安ロマンチカ』『探偵は御簾の中 検非違使と奥様の平安事件簿』『探偵は御簾の中 鳴かぬ螢が身を焦がす』『FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01 』(共著)などがある。

「2022年 『探偵は御簾の中 白桃殿さまご乱心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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