天帝のみぎわなる鳳翔 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (760ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826205

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にて借りる。何だか今回はえらいスケールが大きくなったな。

  • (ネタバレします)

    やったー金之助再登場だよー!

    絶版になってしまったまほろ作品の中でもこの作品は相当レアなものらしく、Amazonではプレミア価格がついてるし(一時期云万円とかついてた)、ブック×フでは見つからないしで大変でした。ブック×フに行くたびに毎回ノベルス棚を覗いて覗いて、ようやくゲットしたこの作品。読む前にもう一冊見つけて思わず買ったのでうちに二冊あります。

    さて内容について。前述の通り金之助再登場だった訳ですが、探偵小説の神の容赦なき采配により命を落としたり犯人になったりということもなく無事に生き延びたので安心しました。最後のごたごたで死んでないよね? また出てきてくれるよね?
    はふう。もとい。
    今回は空母が舞台でしたが、軍隊の知識が全くないので最初はなかなか話について行けない、ということも無く、案外さくさくと読み進める。そして最初の事件。(しかしいつものようにここまでに200Pを要する)
    裏表紙に壮大な煽りがあるので事件はここで終わらないというのは分かるのですが、しかしまさか3000人殺しがあんな手段で行われるとは!核爆弾やで…!そして周囲が被爆し死の世界と化した中、船の自沈を行うべく防護服に身を包んだ一行が出発すると、そこからいつもの推理合戦が始まるのです。そんなことしてる場合かよ!とツッコミ入れたくなりますが、しかしやっぱりその推理合戦が素晴らしい。(金之助が完全に噛ませ犬ですが)それぞれ各々の披露する推理の中に、失敗はあれど一つずつ公理を明らかにして最終的に結論に至るのはいつものまほろ節。ますます切れ味が鋭くなっている。恐るべし。今回はルビも大活躍だったしな。
    そんで最後にいつものようにラスボス登場。うーんやっぱこのパート必要? なくても十分面白いんだけど。今回は助っ人に栄子さん。前回いろいろあったけどその辺特に触れず? まあ色々『休憩』とかの話も徐々に明らかになるのかな。

    消化するのが勿体ないので半年に一冊ペースで読んでるんですけど、なんとなくこのまま『墓姫』まで突っ走りたい気もなくはなく。

    ※おまけ
    まああれですな、清涼院流水を読んじゃうとあっちではもう人類半分くらい死んでるからね。そこと比べると3000人がおとなしくすら感じますが、いやでもまさか核爆弾とは…。

    ※もうちょっとおまけ
    俺の中で栄子さんのイメージは完全に小池栄子で固定されています。名前だけやないか!

  • 「ヒトにとって他者とは、果てしない呪いなのだ。渇望したときにかぎって存在しないいつまでもそれは業なのだ。罠なのだ。それはつまり、恐怖だ。ヒトがヒトを理解できないのは、この恐怖を超克できないから。だからヒトはわどこまでも独りなのだ。けれど。だからといってヒトは悪じゃない。どこまでも独りだから、寂しいから、他者にむかって善意を積むのだ。だからヒトは尊いのだ。」シリーズ読破。やっぱり素晴らしい作品だ。早く続編出ないかな。

    • はろーすみすさん
      うげらぼあ! シリーズ5作目の「天帝のあまかける墓姫」は幻冬舎からソフトカバーで出てますよ。
      まほろ良いですよね。クセになります。
      うげらぼあ! シリーズ5作目の「天帝のあまかける墓姫」は幻冬舎からソフトカバーで出てますよ。
      まほろ良いですよね。クセになります。
      2012/12/18
  • 過去最大規模の殺人事件(というか虐殺・・・)。雰囲気は御矢に似てるかも。シリーズ全体の物語としても進展があり、ちょっとおもしろい

  • シリーズ4作目。何の因果か最新鋭空母に乗船することになったまほろ。もはや軍事小説というか架空戦記といってよいくらいのスケールの大きさ。半端ない数の犠牲者が出る軍事行動と、クローズドサークル内の毒殺事件の見事な対比。こんな状況で推理してるやつらはおかしいだろと思いつつもお約束の推理合戦が面白い。御矢から再登場のメンバーがいい味だしてます。巫女さまはもう主役はってほしいくらい。
    作中の放射能汚染、震災前ならシーベルトとか言われてもピンとこなかったろうなぁと思うとちょっと悲しいですね。

  • まほろらしいロジックにロジックを重ねたミステリーで、いいね。

  • まほろ語の解読を、だれか、だれか、辞書もってこーい。

  • 超弩級の本格探偵小説。舞台が空母というだけでも充分異色なのに、随行する艦隊が沈められ、乗員は百〜千人単位で死亡するわ核弾頭が撃ち込まれ艦内は汚染されるわでパラレルワールド設定を存分に生かした物語が展開されます。凄いのはこの戦争レベルの大参事が毒殺事件の謎解きにきちんと作用してくるところ。
    ほんと、古野まほろは怖ろしい作家です。最近の大人しめの路線も悪くはないけど、そろそろぶっ飛んだまほろが読みたいと思うのは私だけではないはず。

  • 前半でガッと惹きつけて、後半はツッコませながら読むのは仕様ですか?
    それでもツッコミつつ最後まで読んじゃう、すでに中毒。続きはいつですか?

  • 天帝シリーズ。史上最大三千人殺し、ってのに惹かれてはいけません(笑)。まあたしかに間違ってはいないんだけどね。
    今回はまたあまりに壮大な舞台。そこに相変わらずのキャラと、ほどよくふざけた台詞の応酬。前シリーズについてこられた人なら大丈夫でしょう。事件の推理合戦もさながら、ラストの展開は怒涛でした。まだ終わりそうにないなあ。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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