- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061826687
作品紹介・あらすじ
「4月9日(金)午前0:20にお越しください。お目にかかれるときを楽しみにしております。黒鳥館主人」招待状を手に東亜学芸大生・西大寺俊は黒鳥館と名づけられた壮麗な洋館に赴く。招待客は全員無作為に選ばれたという。ウェルカムドリンクを主人から受け取った西大寺は、館内の完全な密室で怪死。呪われた館を舞台とした凄惨な連続殺人の火蓋が切って落とされる-。復讐のため建てられた館で繰り広げられる大惨劇。
感想・レビュー・書評
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完全なるバカミス。バカの合わせ技。バカの波状攻撃。
「さあ、騙されてやるぞ」と意気込んで読んだが、全く予想外の角度から「やられた」 あまりに下らなすぎて笑ってしまった。
双子の館『黒鳥館』と『白鳥館』
雰囲気たっぷりの館もの。ネーミングもいいじゃないですか。
最初から「犯人はこいつだ」とか「こういう類いのトリックではない」だとか細かく説明が加えられ、手の内を明かしていくのでイヤでも警戒してしまいます。
警戒してたんですけどね。
ある瞬間、自分の中の世界のイメージが崩壊し再構築されました。
しかし、こういう崩壊のしかたってあるんですね。
そしてベクトルを変えたバカの第二波、第三波、第四波。
くだらない事に魂削って大丈夫か? と心配してしまいます。
でも、これって泡坂妻夫先生の某作品に匹敵する凄さなのでは。
バカ、バカと書いてしまいましたが伏線や構成は緻密なんですよね。なんか力の入れ方が間違ってるなぁ。そこが味なんですけど。
個人的には『目的のためだけに館を造るって、どんだけ金使ってんだよ。こういうミステリにそこ突っ込んじゃダメか?』なんて思ってましたが、読了後に納得してしまったのが自分で可笑しかったです。
結構力を入れて感想を書いてしまいました。案外好きなのかなぁコレ。いつの間にか気になるアイツって感じです。
時間とお金とココロにゆとりがある時に読んでください。
バカミスと知らずに読んで怒りだす人がいるかもしれませんから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「バカミス」初挑戦!!!
「嘘やん!ありえんよ、これ笑」とは思ったが、面白かった!
みんながみんな面白いと思わないと思うが、私は結構好きだった(*゚▽゚*)
本という媒体を全力で遊びきっている感じ!!
普通のミステリーに少し飽きている人、ちょっと頭を使うのに疲れちゃった人にオススメです笑
声を出して笑っちゃったので、私はこの作者さんに負けちゃった感があります_(┐「ε:)_ -
'21年7月29日、読了。倉阪鬼一郎さんの作、初です。
途中で中断してましたが…やっと読了しました。なんか変な文、だな…なんて思って、読むのが結構辛かったのですが…読み終わって、本を壁に叩きつけました!というのは嘘で…いやあ、笑った!他の方の感想で、「仕掛けはすぐに気づいた」というのがありましたが…僕は全然で、完全に騙されました!
以下、ちょっとネタバレになっちゃうかも…未読の方、ご注意を。
「なんか変な文章だな」と思って、嫌になって中断してましたが…「変」ではなく、「かなりアクロバティック」でした(ま、でも、変は変、ですけどね┐(´ー`)┌)。作者と編集者の、血の滲むような(?)努力の賜物、だっ たんですね!でも…「バカミス」のために、ここまでやります?アッハッハ!
まあ、結果オーライで、結構楽しみました! -
馬鹿だなぁ(笑) もう「ロリン」とかめちゃくちゃ笑いました。さて、谷を隔てた二つの館「黒鳥館」と「白鳥館」で起きる密室殺人というのがほぼこの小説の全てだ。読んでもらえればわかるのだが序盤から妙な違和感が常にある文章になっている。胡散臭さは抜群でただ一見すると何がおかしいのか判らない。読み進めることで違和感の幾つかには察しがつくだろう。ヒントと伏線の量は過去類を見ないレベルの大量さなので嫌でも気付いてしまう。それでも最後には斜め上の無駄すぎる努力の浪費具合に笑い感心し嘆息してしまうだろう。まさにバカミスだ。
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黒鳥館と白鳥館で繰り広げられる連続密室殺人事件
バカミスとして有名なのは知ってたけど
ちょっと方向性が違ってた
確かにトリックというかはバカミスではある
蘇部健一「六枚のとんかつ」のような雰囲気かと思ってたんだが、それ以外の仕掛けは作者の狂気ですよねぇ
去年末からこの手の本を何冊か読んでいるけど、これも結構難易度が高いなぁ
随分前に出版されて、そこそこ売れているにもかかわらず文庫化されていないのを不思議に思ってたけど納得
これは文庫化できないですねぇ -
ブクログ通信の「驚きの読書体験が味わえるミステリ小説5選」に挙げられてて気になったので読みました。
黒鳥館と白鳥館、2つの館で起こる連続殺人事件。
そこまでするか!?ってくらい変質的に全ページに渡って仕掛けが張り巡らされてて、本全体が仕掛け絵本みたいで驚いた。そして、作中作に隠された本当の意味にはゾッとした。怪しい描写満載だったんだよなぁ、でも全然気づけなかった。これ書くの大変だっただろうなぁ。ただ、ネタ晴らしのターンが長すぎた。一部分だけであとは自分で読み返してねで十分だと思いました。
作中、復讐の為だけに途方もなく大掛かりな館を建てた先例が北の方に、という部分、もしかして島田荘司の斜め屋敷かな?著者の他作品を読んだことがないので、違うかもですが。
バカミスって自分で言ってるけど、嫌いじゃないです。むしろ好き。巻末の著作リストのバカミスシリーズ全部読みたい本リストに加えました笑
ブクログさん面白い本を教えてくれて感謝です。 -
途中でわかっちゃったのであ〜、こんなもんかと思った。予想は当たったのだが、さらにその上を二つも三つも行く伏線があった!これはとてつもない作品。
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初倉阪鬼一郎。紛れもないバカミスで、呆れながら大爆笑。バカすぎてもはやミステリという枠組みを超え、一ジャンルを形成してしまっているような。とにかく凄まじい狂気と才能を感じる。人を選ぶだろうが結構好きだったので、この作者はもっと読みたい。
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くだらない。くだらなすぎる。笑
レビューの反応もこんな感じで、何をもってミステリーでぐだらなさいのかと楽しみにしてたけど、まさかの斜め上だった。
どこに力を注いでいるのかと。
読んでても細かすぎて、読み返そうとも思いませんでした。何となく把握するかたちで。トリックも想像力が乏しすぎてふーん、なるほど、まぁだいたい分かったわって感じで。
でも、いつもと違ったかたちでどんでん返しを楽しみました。
でも最後はよくわからなったなー。どういう解釈すればいいんだろ。