- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061826717
感想・レビュー・書評
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161004読了。
トリックのイメージはあったが、、実行は難しそうだ。
美術に関する知識に、好奇心をそそられる。
特に教会建築ゴシック建築はきちんと勉強したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芸術探偵神泉寺瞬一郎のシリーズ。
ヨーロッパ旅行中での一事件を手記にまとめ、日本に帰って叔父がそれを読んで推理するという流れ。いつもながら漢字の表記にはじまりステンドグラスの云々などうんちくもたっぷりw
で、内容は・・・まあいつも通りという感じでしょうか。うんちくを楽しみつつ事件の推理を楽しむ。そしていつもながらの完成度・・ではあるんですが。あの警部がでてこないとなんだかちょっとさみしく感じてしまいましたw -
瞬一郎がフランスに遊学していた頃の話し。作中作としてカタカナを使わないで記述するという目論みもあり。途中にあった「あいつら」の白痴的表現は確かに許しがたい。ルビも素晴らしいのに!色々面白く読めた。
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カタカナ使用しないで全て漢字、ランス大聖堂の記述量が莫大、で、だからどうした、という感じ。
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日本のルビって凄いなーと本作を読んで改めて痛感。建物の構造とか良く分からなくても、漢字表記だけで大体のイメージはできちゃうもんな(穹㝫天井とか、尖塔拱頂とか)。
で、ルビに振られた本来の発音表記(日本語では限界あるだろうけど)でお仏蘭西なカホリが漂うし、読み始めの取っ付きにくさを乗り越えれば意外にスルスルと読めます( ^ω^ )
明治の文豪達の偉大な功績を実感しながら、ルビ文化について熱く語る芸術探偵の語りに、うんうんと思わずうなずくのでした。
さて、「芸術探偵が書いた、フランスを舞台としたにも関わらず、一切片仮名が出てこない野心作」の体裁を取った本作。
いつもは伯父の海埜刑事相手にこれでもかも芸術講釈を垂れる瞬一郎探偵ですが、探偵自身が書き手となった今作では地の文で薀蓄が炸裂しています。
いや〜、毎回毎回同じことを言っていますが、今回も読みながらまあwikiりました(笑)。
前作までは題材が歌劇だったりオペラだったりしたので「(本作を)読みながら(ネット情報を)読む」という作業だったのですが、今作は題材がランス大聖堂やシャガールのステンドグラスという建物とその中の意匠だったので、「(本作を)読みながら(ネット情報の写真を)見る」という作業に勤しみました。うーん、楽しいし、読むスピードも上がったわ、写真だから(笑)。
そんなこんなで、本作のミステリです。
「大聖堂から男が落下して、直後に刑事が聖堂屋上の唯一の出入り口である階段に刑事が踏み込んだが、誰とも出くわさず、屋上にも誰にもいない!密室だ!」
という密室の謎と、
「続いて聖堂内で死んだ浮浪者と落下した男は、死ぬ直前にシャガールのステンドグラスを見ていた!呪いだ!←」
という奇妙な符丁の謎がミステリテーマです。
トリックその物は、それって実行可能かしらと訝らずにはいられないアクロバティック的手法と、それってやろうと思えば私でもすぐ出来てしまうんちゃうか…と心配せずにはいられない手法の二本立てです。
ですが、その伏線は事前にしっかりと張られているんですねー。「天使を見た」という証言、犯人の特技・趣味・思想。これらを踏まえて明かされる真相に、成る程あれが伏線だったかー!と悔しくなるミステリです( ^ω^ )
動機の部分も、「とある絵」の言われを知る人には意外とピンと来たかもしれません。
犯人がその絵に入れ込む訳、そして「天使を見た」と言わしめたトリックは、哀しくも美しいイメージを浮き彫りにします。
そして、もう一人の人物の、身勝手だけれど芸術を愛するものとしては一抹の理解を挟まずにはおけない動機。
最後の最後に、「彼」を思い留まらせた、天啓にも似た「敵との対峙」は、これもまた心象風景を想像するだに哀しく、美しいものだったのでした。
ランス大聖堂から、一人の男が転落死した。転落直後に「天使を見た」と吹聴していた男も、聖堂の中で謎の不審死を遂げる。彼等の共通点は、死の直前、聖堂内のあるステンドグラスを見ていたことだった…。 -
フランスのランス大聖堂が舞台……駄洒落か!と思ったりしつつ読んだ。
芸術フリーク瞬一郎シリーズ。瞬一郎が海外に行っていた間のことを知りたがる伯父の海埜刑事に、彼が実体験から書いた本格ミステリ(作中作)を公開する、という体の小説。カタカナを一切使用せず明治・大正の日本の作家の顰に倣ってみたという作中作は「なんて中学生が飛びつきそうなことを!」とニヤリとした。海埜から読者の誰もが思っているであろう作中作と深水作品への疑問を瞬一郎があっさり返すのがメタくて面白かった。瞬一郎の犯人への対処がかっこ良すぎて感動した。 -
最初はもう、非常に面倒くさいが慣れると段々さらさら読めるように。
著者プロフィール
深水黎一郎の作品





