ルー=ガルー 忌避すべき狼 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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本棚登録 : 554
感想 : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826748

感想・レビュー・書評

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  • ポイントで購入。京極さんのラノベって不思議…と軽い気持ちで読み始めたが、やっぱり京極テイスト健在でした。
    近未来の在り方と、そこで生きる少女たちの心の在り様に共感する部分もあった。今のSNSの行く末のような。
    歩未には自分の罪を知る人、その人達が傍にいる事が救いになればいいと思う。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    近未来。少女・牧野葉月は閉じた世界に生きていた。形態端末という“鎖”に繋がれ監視された内部に不純物が入り込む余地はなく、安全なはずだった。そこに突如現れた一片の狂気―それは少女達を狙う連続殺人鬼!物理的接触で初めて知る友達の存在。自由を求め、鎖を引きちぎった少女達を待ち受ける驚愕の真相とは…!?京極夏彦が描く新世代ミステリ、ここに新生。

    手にとっては、読むのをやめることを繰り返していたが、本腰を入れて読み出した途端最後まで読みきってしまった。後半はミステリというか漫画のような展開で楽しく読めました。序盤とっつきにくかった代償なのか世界観もきちんと描かれていたように思います。

  • 長かったです、また。
    京極さんの、近未来のサスペンスもの。
    新書版2段組み580ぺージ強は、さすがにやっぱり圧巻でした。
    最初、あまり世界観にはまりきらなくて進みが遅かったんですけど、
    最後1/3くらいはやっぱり怒涛の展開でした。
    それにしても歩未ちゃん、救いがない。。。
    このシリーズって続きかけそうだけど、書かないのかな、と思ったり。
    詳しい感想はこちら→http://monogatarigatari.blog.fc2.com/blog-entry-140.html

  • 異色な京極ワールド。
    全てがデータで統制され人とのコミュニケーションが希薄になった――無機質な近未来。
    最初は世界観に馴染めず読むのに四苦八苦。人間らしさを感じ得ない社会に窮屈を覚えるし、なによりそんな社会で育った少女たちに感情移入が出来ない。

    しかし、中盤からの展開の早さにどんどん引き込まれていき、読了後には見事にはまってしまった。
    少女たちの初めはないも同然の友情がだんだんと築かれていく様子。
    精緻で壮大な仕掛け。
    そして、なにより京極ファンなら嬉しい妖怪を題材にしている。

    「ルー=ガルー」とはフランスの伝説で夜な夜な狼に化け悪事を働く怪物のこと。
    犯人である“狼”の業の深さと云ったら……。

    あと、百鬼夜行シリーズ『鬼一口』のある人物が登場したことには驚いた。
    その人物の過去が未来に多大な影響を与えていたことには肝胆寒からしめた。

  • 前に単行本で読んだけど、ノベルスで買ったので再読

    京極さんらしからぬ近未来作品
    キャラクターの言動が京極らしからぬ感じ
    でもまぁ、ところどころに京極っぽさがありますなぁ

    この人、こんなのも書けたのねぇ

  • 初の京極作品。 衝撃に次ぐ衝撃。セリフもキレキレで面白すぎた!もういろいろ、お腹いっぱい。 まず驚くのはその詳細な説明。かなりの情報量なのに、しつこくはなく、読者をその世界から迷わせない。近未来的なSF設定ながら、現代社会との対比を記すことで、説得力があり、リアリティがある。 ネットワークにより、人間が完全に管理された世界はハーモニーを思い出す。 しかし、分かりそうなのにまんまと騙されて驚く。作者の思うつぼですが、騙されてこそ、ミステリィ読者は楽しめるのかも。 「今日は特別なんだ、危ないんだって」

  • 私たちの生活からは遠い未来の話。
    作中、登場人物は繰り返すように、私たちの生活を「想像できない」としている。それは当然なのだろう。既に存在しているものや定められたルールがそうでなかった時代を、リアルにイメージすることはできない。
    しかし、何故だろう。
    私たちの世界からほど遠い未来のことでありながら、こんな未来を私は容易に想像できてしまう。
    生き物を殺さない、人との接触は機械越し。そんな世界が近々やってくるような気がする。

    生臭さも生き物らしさも何もない機械的な在り方をする世界の中、一匹の『生き物』と友人の距離感が、ヤマアラシ・ジレンマが、とてももどかしくて愛おしい。

  • 2を読みたくて、でも「可愛い女の子がいっぱい出てくる近未来の話」という記憶しかなかったので軽く復習から。
    途中厚さに挫けそうになったけど、いや、面白かったはずだ…と思って読んでたら、だんだん女の子たちがどうなるのか気になり、無事に最後まで読めました。自分の感じている世界について考える。さて、2も読むぞ。

  • 長い。それで話が面白ければ問題ないんだが、つまんねえ。紙と時間と金の無駄。

  • おや、森博嗣さんの小説を読んでる気持ちになった。仲良しのお二人だから似ている部分もあるのかないのか( ´艸`)
    毒親ならぬ毒孫…。ひとつひとつの材料は実に生々しいが、京極さんによって毒描写は薄められたのかなあと感じた。
    読者から募集した設定で書かれたということだが、気持ちのあがるすがすがしいお題が集まりにくい、未来に対して悲観的なものがウケルのは国民性なのかな。
    データが真実の世の中、とてもリアルに感じた。

    でも選択したくはない未来だった。
    あ、でも小説はおもしろかった。
    少女とカウンセラー二人の視点を通じて事件が語られる形式

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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