プールの底に眠る (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 281
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826977

感想・レビュー・書評

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  • えーなんかよく分からなかった。
    わたしの読解力の問題なのか?

    幻想的な雰囲気や、ちょっとヘタレなマザ(イルカ)と強気であけすけな由利と浮世離れした大人美少女セミの感じもよかったし、ぐいぐい一気読みできたんだけど、なんかよく分からんかった。
    由利ちゃんはどこへいってしまって、セミとみらいのとこもなんかよく分かんないよー。
    すっきりせず、ブクログのレビューやらネタバレ感想文を読んだけど、私のようにもやもやしてる人もあんまりいないみたいで、結局すっきりしなかった。
    全体の流れは分かるんだけどさ、なにかとても重要な伏線を見逃しているような、とてももどかしい釈然としないこの感じはなんだろう?
    わたしが、このラストになんか納得できなかっただけかしら。

    そういや、村上春樹ぽいという感想をいくつか目にしたけど、さほどそんな印象受けなかったな。
    メフィスト賞だし、辻村深月ぽいなとは思ったけど。

  • 名作「私を知らないで」を読んで慌てて、過去の作品を
    遡ってみました。もう、すでにこの作品からあの片鱗が
    伺える、プロトタイプのような作品ですが、これはコレで
    なんとも言えない読後が漂います。作者独特の形の
    ハッピーエンドというか...全体を包み込むようなラストに
    気持ちをもっていかれますね。

    ある夏に出会った「セミ」と「イルカ」のボーイ・
    ミーツ・ガールなド青臭い恋愛小説。主人公の
    少年「イルカ」はかなり大人びてクセを内包した
    やっかいな少年ですが、そんな彼が2人の少女の
    影響によって少しづつ、自分の中に目を向け、
    向かい合っていく様は青春小説のド真ん中。

    現在と過去のボク(イルカ)が交互に描かれ、
    実は現在の自分も未だに過去を引き摺りながら
    生きている、当時と何ら変わらない男がまさかの形で
    やはり救われるラストの...女性の強さとしたたかさと
    優しさには敵う事のない男の姿に、苦笑すると共に
    ミステリとしての小さなパズルの嵌る気持ち良さを
    味わえ、やはり満足な作品でした。

    42回メフィスト賞受賞作。

  • 「私を知らないで」が良かったのでこちらも読みました。
    この話は話の筋が良くわからなかった(というか、セミを封印したみらいと結婚したという部分がどうしても納得いかなくてわかりたくなかった?)のでラスト付近は数回読み返してしまった。
    セミは主人公のことを想い、東野圭吾さんの「秘密」の直子みたいな選択をしたということなのでしょうか?

    途中にあった「パブロフの犬」についてのセミの発想が良かったです。

    p117
    「でもさ、思うんだけど、犬がベルの音に反応して、よだれを出しちゃうんじゃなくて、博士がベルの音を聞かないと、餌をあげた気にならなくなっちゃったんじゃない?」
    「人間って犬と同じくらい単純な獣よ。でも羞恥心だけは獣の中で飛び抜けているから、パブロフ博士は犬に実験体の役を押し付けた。真実を捻じ曲げたのよ」

    12歳で、ケモノと人間が「本能的に」同じだと理解している子はどれくらいいるのでしょうか。
    ここに限らずセミが大人びていて、本当は16歳くらいなんじゃないかと思ってました。

    そしてレビューでちらほら上がっている辻村深月さんの作品が気になったので読んでみよう(笑)。

  • 白河三兔デビュー作。 白河作品を読むのは、「私を知らないで」のキヨコに惚れて以来2作目。 セミも、由利も、キヨコほどではないが魅力的。 あちこちにヒントが埋められているので、注意深く読み進めたほうが、「なるほど、そういうことか」と後々楽しい。ヒントを拾い直すための再読もいいかも。 メッセージボードが消え、公衆電話が単なる置物に変わった、ちょうどその時代だから成立した物語かもしれない。 その時代の一部の人にしか通じないネタがしばしば。わかる人にはわかるのだろうが。

  • 独特の世界観があって、ミステリアスな雰囲気が漂ってくる。
    死と向き合って罪悪感を背負い続けるセミとイルカ。
    伝言板でやりとりする辺りは結構好きだったりする。

    セミとみらいは別人格なのか
    あたし的にはよくわからなかったし
    最後のオチがびっくりしたけど
    結婚にふみきれたのはどうしてかがもっと突っ込んで描いてほしかったなあ。

  •  こ、これは好きになる小説だと思って読み終えたらそうでもなかった。
     自殺しようとしていた少女に出会ってからの夏の想い出を殺人か何かの容疑をかけられて留置所にいる男が何やらペシミスティックな後悔に浸りながら回顧している、というミステリアスな状況と常にどこか浮遊感のある空気は気に入ったんだけども。と最後のページを眺めていたら気付いた。
     お、お前……青春小説だったんだな……道理で……。
     つまりお互いがお互いを生き延びさせた、というところに行き着くのかな。

  • 心を揺り動かされる、そんな時間を大切にしようと思う物語。

    いろいろな思い、感情を心に溜め込んでしまうと、いずれ川底に溜まった枯葉のように毒気をだしてしまう。そうならないように時々は心の中を攪拌させるような出来事が必要なのだと思いますが、それはとても苦しかったりするし痛かったりもする。
    だから必然とそんな出来事を避けてしまうようになるのかもしれませんが、時間がたてばすべは過去のこと。そして失敗や成功、喜びや悲しみ、過去の全ては甘美に思えるようになる。それが思い出というもの。読みながら今までの思い出を辿ってみたくなります。


    白川三兎作品は初でしたが、テーマやテンポ、雰囲気がとても心地よい作品でした。他の作品も読んでみようと思います。

  • 伏線を回収するのがエンタテインメント、しないのが純文学なんて話を読んだことがあるような気がするが、そういう意味では自分はエンタテインメントは求めていないことがよく分かった。

    どこぞで絶賛されていたので読んでみたのだけど、無理やりなストーリー展開と上っ面な会話で馴染めなかった。もっと評価の高い最新作を読んでみるかどうか悩み中。

  • 第42回メフィスト賞受賞。
    簡単にいうと、よってたかって主人公を幸せにしようとする話。
    なのに、すごく暗い。
    淡々とした語り口、冷めてて女の子にモテる主人公は、もはやライトノベルの定石。
    込み入った謎解きもなく、ただ全てが予定調和。
    こんな安心設計な小説、一家に一冊あってもいいかも。

  • 2020/05/18

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著者プロフィール

2009年『プールの底に眠る』で第42回メフィスト賞を受賞しデビュー。『私を知らないで』が「本の雑誌」増刊『おすすめ文庫王国2013』にてオリジナル文庫大賞BEST1に選ばれ、ベストセラーに。他の著書に『ふたえ』(祥伝社文庫)『ケシゴムは嘘を消せない』『もしもし、還る。』『小人の巣』『田嶋春にはなりたくない』『十五歳の課外授業』『計画結婚』『無事に返してほしければ』などがある。

「2020年 『他に好きな人がいるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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