奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1789
レビュー : 323
  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827387

作品紹介・あらすじ

奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。館に伝わる奇妙な仮面で全員が"顔"を隠すなか、妖しく揺らめく"もう一人の自分"の影…。季節外れの吹雪で館が孤立したとき、"奇面の間"に転がった凄惨な死体は何を語る?前代未聞の異様な状況下、名探偵・鹿谷門実が圧巻の推理を展開する。名手・綾辻行人が技巧の限りを尽くして放つ「館」シリーズ、直球勝負の書き下ろし最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 待望の奇面館は実にストレートな本格でした。仮面、謎の会合、吹雪の山荘……など山荘ミステリのテイストを伏線らしく着実に使いながら、見事に騙してくれる。当初の予定より分厚くなっておりますが、ネタがわかるととても丁寧に書き仕上げた結果、という感じがします。それでも騙されてしまうのですが、綾辻さん、優し過ぎるぐらい丁寧です。
    私はいつも「ああこれはこういう伏線かな」と想像するものの推理はまったくど素人で、見事に騙し伏線にハメられ、あーあーやれたよーという、気持ちの良い悔しさを味わいました。
    毎度お楽しみである館の構造は、今回とても納得。ああなるほど、図面を見て何度も頷いてしまいました。館シリーズならではの楽しみですね。
    また終盤で語られる犯人の生い立ちというか、ここに至った経緯は、綾辻さん風味が出ていて美しい締まり具合。
    <本格ミステリの庭>で遊ばせてもらえました、大変満足です。

  • シリーズ第9弾。
    吹雪の山荘の殺人事件。
    設定からして、いかにもな推理小説。
    正統派パズラーでありながら、本格推理の定石を、逆にネタにしているところも。
    ページ数の割に、ライトな読み心地。
    アルバイト瞳子の視点が、効果的だった。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-43f7.html

  • 楽しめた。みんな仮面を被っており外せないという特殊でなかなかにややこしい状況。館ものらしい緊迫館は不足気味で淡々と進むのですが、この特殊な状況設定は興味をそそりますし、推理を楽しんでもらおうという作者のサービス精神を感じます。
    論点を明確にして、ひととおり議論された上で、犯人の行動の理由が明かされていく様は非常に面白い。睡眠薬で眠らせた理由、犠牲者の首を切り落とした理由、皆の仮面を外せなくした理由など、なるほど舞台設定とも結びついていて面白く、納得もできるものだった。ある程度予想させて予想させて詰まらせてからの真相提示であり、そのための情報の出し方、印象付けの仕方がすごく上手いのですが、上手すぎていやらしいくらいだ。
    最後に示されたある真相は賛否分かれそうですが、事件解決に直結するところではないし、遊び要素として受け止められる範囲なので自分はありだなあ。

  • 読み終わった後、くそー、なぜ気が付かなかったんだ俺は、という心地よい悔しさ。私は好きです。

  • 今更読んだ。ある種馬鹿馬鹿しいとも言える構図をフェアに達成していて満足。

  • 約10年ぶりくらいに読んだ、綾辻氏の館シリーズ。

    彼の描く館は、やはり没入感がすごい。
    自分のいまいる場所を忘れて、奇面館に閉じ込められ、さまよい、人々をそっと観察しながら一体何がどうなるんだろう?と静かにワクワクする贅沢な時間。
    最後に何か用意してくれているのだろう、という期待はもちろんだが、しかし読んでる最中も閉ざされた館をしっかりと楽しんだ。

    事件やトリック、オチでいうのなら、この作品がどのレベルのものかもはや判断がつかない。私は暗黒館が初めての綾辻作品で、それ以降もミステリー初心者として読んだ館シリーズに驚愕していた時の純粋さが、今やもう失われてしまったからだ。
    驚愕することはなかったにしても、「やられた!」と苦笑交じりに思えるほどに面白かった。
    何にせよ、謎の多い資産家の、気味の悪い屋敷を満喫でき、暗黒館を読んだ本格ミステリー初体験の時のあのきもちを思い出させてもらえて満足です。

  • 2014.11.25

    「館」シリーズ第9弾
    ドッペルさんを見つけよう!
    鹿谷さんバリバリ探偵します!

    なんだか やっとって感じだな〜
    見事でした。
    素敵だ〜

  • 事件が起きない…。
    館の面白いところは閉じ込められた空間で次々と事件が起こり、それぞれが疑心暗鬼になり、追い詰められて誰だ、誰が嘘をついているんだ!ってことになる心理戦が面白いのに…。何か淡々としているし、心理戦も何もみんな仮面をかぶっているから表情とかなくって物足りない。
    だいたい犯人が今までになくいい人。だから仕方ない。
    もちろん、よく考えられていて色々と細かい伏線もあって、それなりに面白いけど、だけど館ものとしてはどうって思ってしまう。それでもやはり館ものが好きだ!次に期待!

  • 面白いことは面白いけれど、やっぱり人は二人死なないと……みたいな感じはあるよね。
    なるほど、こうきたか。ってノリはあるし、ああ、こんな展開になるのか。という意外性も確かにある。ただ、やっぱり綾辻作品としてはこじんまりしているように感じられる。ある程度、やりたいことはやってしまったんじゃないか。などという寂しさがある。
    ただ、読んで時間の無駄とは思わないし、満足感もある。ミステリーとしては一点集中がされている分、キャラクターに重みがある。
    驚かせる展開で読者を引っ張っていくより、文章力で引っ張られる感触がある。
    上手い言葉には出来ないが、頭の中で複数のエキスが混ざり合って、新しい形を生み出そうとしている。そんな読了感がある作品だと感じられた。

  • 館シリーズ独特の、耽美な世界観はありません…
    読みやすいのですが、
    中村青司の生きた証みたいなものも、雰囲気もあんまり感じられず…

    館シリーズということを無しにすると、普通に面白い推理小説だと思います。

    次がラストの館シリーズですから、最後はとっておきなものにしてほしいです。

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プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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