角のないケシゴムは嘘を消せない (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
3.25
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本棚登録 : 148
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827646

作品紹介・あらすじ

兄/信彦-「しばらく家に泊めてよ」「無理」突然上京してきた妹のお願いを、俺は瞬殺するしかない。なぜならウチには…透明人間の恋人が住んでいるから。妹/琴里-隣を歩いていた彼氏が忽然と消えた。見つけ出して殴らなきゃ、私の初恋は終われない!…でも、どうやってアイツは"消失"したんだろう?兄妹の恋路はいつしか重なり、新たな謎を孕んでいく。疾走!迷走!先の見えない恋と人生の行方は。

感想・レビュー・書評

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  • 妻と離婚した信彦は、帰宅して家の中に誰かがいることに気づく。
    透明人間の彼女は、ある組織から逃げてきたという。
    見えないだけで、そこにいる彼女との共同生活が始まる。

    他方、丸の内で「カウパレード」の牛模型が消失するという事件が起き、同時に喧嘩中だった彼氏のオキが消える。
    信彦の妹・琴里はカウパレードとの関連すると考え、東京へ上京する。

    「MONO消し」
    人の視界から物体を見えなくする能力。女性のみに発現する。

    「TOMBOW」
    MONO消しの消したものが見える能力。男性のみに発現する。

    琴里の「MONO消し」の章と、信彦の「TOMBOW」の章が順次に繰り返される。
    最初は何のこっちゃさっぱりわからない、奇妙なお話だなと思ってました。
    途中からは、あぁそういうことか…!とページを繰るスピードが上がります。

    飄々とした男、強引でマイペースな女、奇想天外な設定、盛り上がる場面も淡々と進むお話…
    なんとなく伊坂さんを思い出した(笑)。

    ファンタジー?ミステリー?SF?と分類は迷うけれど、実は恋愛ものだったのかもしれない。

  • 読みはじめは結構面白く感じたのだけど、遅々として話が進まず、核心に迫ってからもまどろっこしくて、なんかよく分かんなかった。
    MONO消しとTOMBOWで兄妹が交互に描かれていって、透明にする力、透明になったものを見る力ってことなんだけど、とっても不可解で不思議な話だなーといった趣きで。

    組合やら能力やらの話は、正直あんまりおもしろくなくなってしまったのだけど、登場人物は面白い人が多かった。
    琴里の切ない思いや、信彦のちょっとずれた感じとか、加奈子の苦しみとか。
    悟と白馬もかわいかった。
    SFぽいとこなしで、普通の話にしたほうが面白かったような…?

  • この人の描く女性は無駄に尖っている人が多いので、やや消耗する。
    男性は大体みんなのらりくらりしているし。

    読んでいる間は「TOMBOW」なら対応するのは「MONO」じゃないのかと
    些細な引っ掛かりを感じていたけど、最終的には満足できた。

  • 妹の彼氏、兄の彼女が透明に…という設定は面白そうではあったのですが、序盤~中盤までの展開が冗長に感じられてしまい、同著者の他の作品ほど楽しめませんでした。

    また、その設定も蓋を開けてみればあまりに万能すぎるというか、どんなことがあっても作者の都合のよい言い訳が可能なものだったのが、個人的に残念に思います。

  • MONO消しとTOMBOW。
    消しゴムみながら考えた話かな。

    悟と白馬、二人の子供がいいな。
    白馬について、はちょっと中途半端なかんじだけど。
    信彦・・・とらえどころがなくて、でもこういう人いるよねー。
    肯定して受け入れてもらえるのって、きっと誰でも嬉しい。
    いいやつだ。
    女性陣は、それぞれ他人を思いやっての行動なのに自己中に見える。
    なんでかな。
    守りたい人以外には、関心がない(ようにみえる)から?

  • 2020/05/12

  • 「透明にする」「透明なものを見ることのできる」二種類の人間が、実はいる?今は離れて暮らしている兄妹が東京ですれ違いながら「透明」の謎に迫る話。とちゅうから、何が嘘で何が本当なのかどんどん混沌としてきて、でもノブの誠実さと一心さは変わらないのが気持ち良かった。ルールのある非現実的な設定の話が好きな人におすすめです。最近そういう話で面白いのがなかなかなかったのだけれど、これは面白かった!二作目で化けたね。
    あと、ところどころでてくる小学生男子が可愛いというか、いじらしかった。登場人物たちがライトノベル的ではないんだけど、それぞれ欠点を持っていて、きれいごとだけでもなくて、それでも自分なりにいろいろ試行錯誤して自分のやり方で生きている感じ、子供な感じが上手く描き出されていました。

  • 『プールの底に眠る』でメフィスト賞を受賞し小説家デビューした白河三兎氏の「角のないケシゴムは嘘を消せない」を読了。

     物体を消す事が出来る人間と消したものが見える人間が存在するという設定で展開して行く兄妹と兄と離婚したばかりの女性とその息子それに兄と出会う透明人間が絡み合う人間模様、一部恋愛模様を描いた作品。

     兄信彦、妹琴里、元妻加奈子、加奈子の連れ子悟のキャラクター設定がまず秀逸だ。離婚が成立したその日に、信彦が自分の部屋に透明人間の女性が居る事に気付き不思議な同棲が始まるところから物語が展開してく。元妻も妹も結構きっちりと今風でとんがった性格の女性として描かれていてそういった女性との気を使ったやり取りがああーこんなのが今の男女関係だよねとか思わせられたりするのもこの小説を読む楽しみの一つだ。

     人・物が透明に出来る特殊能力を持つ女性とその実体をみる事のできる人の役割の男性とその能力を持った人は政府の管理下にありトレーニング機関まであるといった奇想天外な設定を巧く消化し、ちょっと恋愛物語っぽい男女の絡みをうまく組み込んでのファンタジーっぽいエンターテインメント作品に仕上げた作者の技量はなかなかのものかと。

     そんな面白い設定、ユニークな登場人物と先の読めないプロットが楽しい不思議ミステリーを読むBGMに選んだのはLester Bowieの"Great Pretender"。ECMっぽくなくて好きだなあ。
    https://www.youtube.com/watch?v=PeYNXbzGFDA

  • SFっぽいのはあまり好きではないが 一気読みしたのでおもしろかった。会話がなんとなく伊坂幸太郎ぽかったし。

  • 丸の内のカウはそんなにいたんだ

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著者プロフィール

2009年『プールの底に眠る』で第42回メフィスト賞を受賞しデビュー。『私を知らないで』が「本の雑誌」増刊『おすすめ文庫王国2013』にてオリジナル文庫大賞BEST1に選ばれ、ベストセラーに。他の著書に『ふたえ』(祥伝社文庫)『ケシゴムは嘘を消せない』『もしもし、還る。』『小人の巣』『田嶋春にはなりたくない』『十五歳の課外授業』『計画結婚』『無事に返してほしければ』などがある。

「2020年 『他に好きな人がいるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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