メルカトルかく語りき (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827783

感想・レビュー・書評

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  • 論理の果てを見るがいい!

  •  まさに、さすがメルカトル、さすが麻耶さん、といった短編集。
     いや、すごい推理なんだけどね…。
     すごすぎて、何も追い付かない。何だろう、時代が追い付かないというか、追い付く日は来ないというか。
     でもこれでいいんだよね、メルだし…て気持ちになっちゃう。

     個人的には『収束』が好きだった。
     構成とか。
     なるほど、て感じ。

  • メルカトルシリーズの短篇集。
    貴族探偵を読んだ後なので同じノリかなー、と思いつつ読んだら目茶苦茶アンチミステリでした。笑
    メルカトルだから許される。
    麻耶さんの作品で最初に本作を手に取ってしまった方はご愁傷様な気分ですね。
    麻耶雄嵩という作家を良く知った上で読むべき作品ですね。
    個人的にはメルカトルの悪人ぶりと美袋君の不幸っぷりがとても面白かったです。
    「答えのない絵本」には…なんじゃそりゃ…になりました。笑

  • 固めてポン…好きだ…

    探偵が探偵として犯人を正しく当てる必要性とか、助手が役に立たないどころか犯人なのでは、とか、そもそも事件に犯人がいなくてもいいのではないか、とかよくその思考に至るな…!って思ってしまう。

    自分の想像の斜め上に話が進むのが好きなタイプなので凄く楽しかったけど、そんなの反則だよ~って言われれば確かにそこまでなんだよな

    でもそもそも何をもってして、誰が「ミステリとして反則」を決めてるの?って話だし、こういうのも全然アリだとわたしは思います、はい

  • 懐かしくも面白い銘探偵メルカトル鮎の短編集。殺人現場で謎の寸劇を始めたり、良い意味て逝かれている印象。物語の途中、道行きが面白いのに結末が投げっぱなしジャーマンスープレックスなのは、作者の味ですね

  • 貴族探偵のドラマを観ていたら懐かしくなって再読。これが私の初めて読んだ麻耶先生作品だった。

    初めて読んだ時は「こんな奴が探偵を名乗るの……??」と、メルカトルの傲慢さにぽかーんとした。特に「収束」と「密室荘」の探偵にあるまじき事件の終わらせ方は驚かされた。今まで探偵は事件を解決するために奔走するもの、と思っていたから。

    再読して改めて「こんな奴を探偵と認めれるかーー!」という気持ちと、「しかし謎解きを聞いてると言いくるめられちゃう……」という気持ちが渦巻くのでした。
    好きな短編は上記にも書いた「収束」と「密室荘」


    あとは再読していて「答えのない絵本」の構造の面白さがちょっと分かったかも?
    ”メルカトルは不可謬ですので、彼の解決も当然無謬です。” つまり「銘探偵が語るのは真実」 → では銘探偵が「犯人はいない」と言えば犯人はいないのか?
    「犯人はいない」というのは状況としておかしい → 小説内の情報から犯人を検討立てる → 「小説」としては正しくなるが、「銘探偵」という存在としてはおかしくなる、みたいないたちごっこというかなんというか。

    初読時は「作中で提示した解決が真に正しいかは作中で証明することはできない」というミステリーの問題を揶揄してるんだろうなというのをふんわり感じたぐらいでしたが、いろいろと想像を膨らませたら楽しい短編集だなあ。
    見当違いなことを言ってたら恥ずかしいかも。もっと色んな小説を読んで、また再読したい作品です。

  • ネタバレアリ〼(´・ω・`)

    推理小説なのに、20人もいる容疑者の可能性をひとつずつ潰していき、最終的に犯人はいないと結論付けて終わる話がある。と教えてもらって、興味を引かれ借りてきました。

    麻耶雄嵩さんは初めて読んだけど、他のも読んでみようかなって思うような、超展開だった。どの事件もすっきり解決してないはずなんだけど、犯人が誰かなんて、まぁいっか。そんなことは。だけど収束の犯人は一応内野ってことになるのかな?

  • 謎を解くことのみに焦点を当てた推理小説。なので論理的に導き出された解答が、我々の常識を超えていたとしても関係ないのです。まったくもって酷い…(いい意味で)

  • レビューの二極化がすごい・・・。
    横道なのか王道なのか。この本がこのミスランキングに入るなんて世も末だなあ(いい意味で)。途中から真面目に考えるのがアホらしくなってくる。流石麻耶先生。隻眼の後の第一作にこれを持ってくるのも流石麻耶先生。まあ色んな意味でメルカトルシリーズ好きですよ。取り敢えずメルカトルぶん殴りたい。美袋君はいい加減自分を普通扱いするのをやめてほしい。あ、でも『メルカトルと美袋のための殺人』よりは美袋君被害者要素減ったんでないかな。そうでもないのかな。
    ※ところで何も関係ないんだけどこの本から麻耶ワールドに入ってきた人はどうしてこの本を買ったのか非常に気になる。売れたから?

  • HAHAHA.
    折り返しに、わざわざ「彼の解決は無謬である」なんて書いてあるから何かと思えば、そういうことか
    こういう手合いは初めてである。
    ・不特定の犯人
    ・犯罪途中の犯人(ちょっと例外かな)
    ・絞り込みを拒否する重犯人
    ・論理的に非実在の犯人
    ・君か僕が犯人
    原初、探偵は太陽であった。作者がそっと手渡した手掛かりから、アッと言わせる答えを導けば良かった。そんな探偵が、その論理をもって解決の限界を示したら?
    …こんな感じになるんですね。
    しかし毎度のことだが、美袋だって全く普通じゃない。
    読者視点の癖に時折恐ろしいまでの人間臭さで残酷な一面を表す。

    これぞ、麻耶ワールド。なのだろう。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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