咸陽の闇 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827837

感想・レビュー・書評

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  • 『国とは何だ!国を治めるとは何だ!国は民の生産する穀物の上に成り立っておる。

    政とは、その民の生活を守る事ではないか。おのれ達の食する穀物を生み出すは、名もない庶民ではないか。

    庶民を守ることが国を守ることである。それが世の正義である。』

    今回はミステリー色が薄かったなぁ〜。
    でも、無心の謎解きは健在で良かった!

  • 今回は琅邪を離れ秦の都・咸陽へ。希仁が登場しないので少々寂しくありましたが、ちょっと気になるニューフェイス・布さん。彼は今後一体どのように物語に関わってくるのでしょう。何やら大物っぽくありますが…。そしてまた言葉を発しても一言の無口な徐福先生が、大演説と言っても良いほどのお言葉を。ちゃんと喋られるんじゃん@@。

  • 今まで読んだシリーズ3冊の中で、一番面白かったです。前巻の作者コメントに「大ほら吹きになりたい」という言葉がありましたが、本当にどこまでが史実で、どこからが味付けなのか、無学な私にはわからない。

    とにかく矢継ぎ早に事件が起き、しかも今回はその内容が不気味です。首塚に現れた人喰い女、内臓の無い死体、次々と行方不明になる娘達、老婆の大量自殺。

    秦始皇帝陵と兵馬俑坑(兵士と馬の土人形群)が今作の鍵の一つになりますが、この遺跡の存在は知っていても、こんなファンタジックな味付けは普通できないのではないかと。本当にワクワクしました。

    洛陽に場を移し、希仁さんが出ない代わりに、面白い人達が沢山出てきました。自由気ままな無礼者の食を研究する巫医、坊主頭に刺青のどこか相手を引きつける大男。また、今までのキャラクターだと、残虎の誠実さと信念がこれまで以上に強調されていてかっこいいし、初めて(?)本気になった徐福大人の姿が見られたし、桃と狂生の「ごちそうさまです」ってくらい素敵な夫婦っぷりにニヨニヨさせられるし。

    中国歴史ミステリーに、どこかホラーの雰囲気漂う今作です。秦王に近付いたために常に緊張感がつきまとって最後までワクワクしながら読めました。

  • シリーズなのに、2作目をとばしちゃった。。。
    次に読まなきゃ。
    でも、読んでなくても楽しく読めました。

    無心の計画が、4作目の展開かなー。

  • 今回は桃夫婦の会話とか一緒にいる事が多くて、桃が一段とかわいい。

    と徐福大人のお茶目なところと残虎先生の男前な場面がでている。

  • 作りこまれているところが良いです。
    歴史ものだけどしっかりミステリーでたまりません。

    化物の存在が出てくるけどそこもしっかり解決するって言うのが良いです。
    ファンタジーではないというのが。
    ただ今回は、ひとつだけ正体不明の存在があったのが気になりますがこれはファンタジーになるのだろうか。。。

    このシリーズの魅力は人物達が良いです。
    個人的には桃姫が一番押しです(笑)
    それぞれに個性的な方たちばかりで読んでいて楽しいです。

  • 舞台を咸陽に、語り手を桃に移してのシリーズ3作目。
    始皇帝が不老不死を望みながら巨大な生前墓を作ったことに対する著者なりの答えでもあるのかな。

  • 今回もやはり鮮やかすぎる謎解きに違和感を覚えましたが、これはつまり、著者が謎解きに重きを置いているのではないんだろうという事に3作目にしてやっと気付きました(笑。そう考えるとお話としてはじゅうぶん楽しめるし、謎自体もよくできているのですよねぇ。

  • 登場人物も、スケールもどんどん大きくなっていきますね。今回も狂生と桃が活躍します。ニューキャラも出てきて、今後どうなるのか楽しみです。しかし、桃の目って青かったんだ。

  • 「琅邪」シリーズ第3弾

    ≪あらすじ≫
    秦王に会うため咸陽の町に来ていた徐福一行は
    町の外れにある老人が多く住む趙翁の里に滞在し
    残虎・狂生・桃たちは、里の屋敷の使用人の潜と喃と仲良くなっていく。

    ある日
    喃が屋敷の外で「人食い女」を目撃する。
    騒ぎを聞きつけみんなが現場に駆けつけると
    死体も”人食い女”もおらず血痕すらなかった。。。

    間もなくして、里に住む老人・六爺が行方不明となる。
    捜索する狂生たちは、若い娘たちが次々と行方不明になっている事件を知る。
    そして娘たちの足取りを追い古着屋に行き着いた狂生たちは
    そこで六爺の馬車を発見する。
    狂生たちは古着屋の店主に話しを聞くが、知らぬ存ぜぬの怪しい回答。

    そこで狂生・桃・潜は情報収集しようと古着屋に潜入する。
    すると店内に謎の男達が入ってくる・・・
    見つかったらマズイと服が入った箱の中に隠れた桃と潜だったが
    男達はその箱を馬車に載せ、不気味な屋敷へ運んでしまう。。。

    着いた先は人造人間・亜人を研究開発する方士・盧生の屋敷だった。
    そしてそこで大量の人間の死体を発見する。
    狂生と合流し、とりあえず屋敷から脱出した3人。

    ほどなくして六爺と古着屋の主人の死体が見つかる。

    更に徐福が何者かに襲われる事件が起き
    趙翁の里に住むすべての老女が首吊りし
    他の老人たちが全員失踪
    更に喃が姿を消してしまう

    そこで遂に、病に臥せっていた救世主・無心が目を覚ます。
    狂生たちから話を聞き、無心はすべてを看破する。

    果たして六爺と古着屋店主が死んだ理由とは?里の老人はドコへ?喃の行方は?
    そして「人食い女」の正体とは?


    ≪感想≫
    殺人事件とかの謎を解くドンデン返し的な面白みはほとんどなく
    兵馬俑(ハムナプトラ3のやつ)や地下帝国の謎を解き始皇帝に迫る作品?だった。
    いつも通りのお約束展開で安心して楽しめたし
    終盤の全員集合する場面や徐福の語りとかの熱い展開が良かった。

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著者プロフィール

1954年、長崎県生まれ。福岡県立八幡南高等学校卒業後、陸上自衛隊勤務を経て、古書店を開業。ライフワークである邪馬台国研究を進めるうち、自身初の小説となる『琅邪の鬼』を着想。視覚障害を抱えつつも、家族の献身的な支えの中で執筆を進め、2010年、第44回メフィスト賞を受賞しデビューを果たす。現在、福岡県北九州市在住。

「2013年 『死美女の誘惑 蓮飯店あやかし事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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