- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061827905
感想・レビュー・書評
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ほんのりハッピーエンド風味なのが気持ち悪い、っていう新しい後味のジャンルなのか…?
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連続幼児失踪事件が未解決のまま、10年が過ぎた。当時週刊誌に誘拐の容疑をかけられた資産家の男の屋敷に、今また不穏な噂が囁かれる。独り暮らしのはずのその家に、若い男女が出入りするのが見られた、と。失踪児童家族会のメンバー6人は、我が子が生きて監禁されていることに一縷の望みをかけて、人呼んで「人面屋敷」に乗り込むが…。
なかなかにトンデモな設定に、セックスしないと…ならぬ、「殺人事件を解決しないと出られない部屋」。いつもの石持節である。
ミステリとしては、一応基本はちゃんと押さえられており及第点。思うに、凡庸なネタを派手なデコレーションで見せるのが、この作家の芸風なのか。すっきりとオチないのもいつもどおりだが、ネタがネタだけに、いつも以上に投げっぱなし感が強い。いくらカネがあろうと、(過去と現在と未来の)あの状況をどうにかできるとは思えないのだが。
クールな美少女とか、「彼女の若さと美しさに嫉妬しているんだろう」とされるヒステリックな「中年女」とか(しかも、それを女性キャラに言わせているところが卑劣な日本男児しぐさ)、ワンオペシンママ(ちなみに死別である。そこんところにこだわるクソどものために付言するならば)は「ろくに働けないんだから、まともな仕事に就けなくても当然」とか、いいかげんにしろと言いたくなる十年一日な女性蔑視表現で星1つ減。
2019/10/19読了 -
館シリーズを意識しているそうである。なるほど。
淡々と進むんだけど結構怖い。
個人的にはもう少しすっきり終わって欲しいところだが、物理でなく状況で閉鎖空間にするというのは面白い。 -
「人面屋敷の惨劇」というタイトルのわりには、やけにあっさりとした物語だった気がする。
序盤から中盤へかけての屋敷内での探索に時間をかけたため、本当に怖ろしい真相がさらりと流されてしまった感がぬぐえなかった。
「惨劇」という言葉は、現実に起こっている目の前の事件のことではなく、警察も突き止めることができずに隠されてしまった過去の事件のことを指しているのだろう。
クローズド・サークルで起きる事件を謎解いていく過程は面白い。
犯人の候補はたった6人しかいない。
しかも、それぞれ2名ずつのペアでアリバイは証明されている。
異常な心理状態の中で疑心暗鬼に陥っていく人。
その重圧に耐えられずに自滅していく人。
冷静に事態を分析し、真相へと近づいていく人。
限られた時間の中で犯人が選んだ殺害方法には疑問も感じるけれど、登場人物それぞれの性格設定がわかりやすく描かれていて、読んでいて混乱することもない。
読みやすい物語だった。 -
2012.2
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綾辻行人の館シリーズを意識した作品。
著者らしさ満点。論理的。
館シリーズよりも地味なのは致し方なし。
著者プロフィール
石持浅海の作品





