五色沼黄緑館藍紫館多重殺人 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827974

感想・レビュー・書評

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  • バカミスはアートである、、、と作中人物が語る作者の渾身のバカミス。タイトルと本の薄さで粗筋を読まずとも分かるのはありがたい。
    面白いかと言われると、相変わらずクエスチョンなのだが、バカな(驚愕の)トリックが連発する事件と、本全体への仕掛けが凝っているのは間違いない。ページをパラパラめくってはいけない。

  • 五色沼黄緑館藍紫館――― 
    落成パーティに招かれた文化人方々。 事情も呑み込めず密室状態になった屋敷で起きる急転直下の連続殺人の真相は? 

     仰々しいタイトルですが例の如くあのシリーズです。 全力で遊んでます。

  • 倉阪鬼一郎先生にしか書けない作品!!!
    ここまでバカミスを貫いてくれると、もう芸術ではないだろうか!!
    無駄な(←褒め言葉)労力を込めて作り上げてくれた作品であることは間違いない!!
    最初の1ページ目いや、それより以前に既に倉阪ワールドに入っていた笑
    全ての人にオススメはできないですが、やっぱり大好きだーーー!

  • 館全体を覆う不思議のヴェールを剥がせばまたもや前作と同じ趣向。
    けれど今作ではWhyにまでも話は及ぶ。
    チクチクと織るように文章を書く倉阪さんをイメージしてほっこり。
    古典のオマージュあり。
    バカミス賛美あり。
    しかしこれはまた何処か奇形な愛...。

    三崎黒鳥館白鳥館〜と比べるとまだトンチンカンさは薄めなのかも知れんけど、思いがけず今の時世にも当てはまってるというか、書いたときの倉阪さんの想いが時を超えて僕に届いたというかそんな感じ。馬鹿馬鹿しいを愛せ!

  • これはミステリーなの?
    読み方が難しいけど、楽しんで書かれたんだろうな。

  • なんともバカバカしく,かつ,強引なトリックが,なんともいえない読後感を醸し出す,ザ・バカミスといえる作品。作者がバカミスを作ろうとして作ったバカミスは,寒い仕上がりになってしまうことが多いが,少なくとも寒い仕上がりにはなっていない。まごうことないバカミスとして,読み終わったあとに,なんともいえない気持ちになってしまう作品である。
    黄緑館と藍紫館という二つの館に正体された4人の来客と館主,そして使用人達。4人の来客のうち,3人までが殺害され,さらに使用人のうちひとりも殺害される。
    殺害方法もバカバカしく,ミステリの大家であるカーの傑作バカミスである「魔女が笑う夜」にヒントを得たというトリックなど,なんともバカバカしいトリックで殺人が繰り広げられる。ひとり目の殺人は,心臓が弱い被害者を,だまし絵を利用して殺害。ふたり目の殺人は,自殺した妻の顔をトイレの蓋に映らせて,驚かせて殺害(ひどい!),三人目は,密室と呼ばれる作品を利用して殺害(そもそも,黄緑館と藍紫館は,美術館の1階と2階で,「密室」や「虚無」というタイトルの作品があり,それらの作品により殺害されるというトリック。
    さらに,犯人は,館主の娘の別の人格・・・というオチで,さらにそれを作中作としてしまう。やりたい放題。
    おまけに,泡坂妻夫の「しあわせの書」を彷彿させる活字のトリック(ほとんどのページの特定の場所に「空」,「間」,「虚」,「無」を配置し,四隅を「か」,「ら」,「く」,「さ」にするという無意味かつ無駄な労力を掛けている!)。
    最後の最後で,からくさを並び替え,「くらさか」にし,テキストを過剰に支配する真の作者としてしまう上に,評し折り返し部分の著者のことばにまで,L字に「館は美術館」という文字を配置するという凝りに凝った作り。
    推理小説としては全く楽しめなかったが,本としては結構楽しかった。もう,ここまで来るとミステリではない。ギャグ小説という雰囲気。敬意を評し,★3をあげます。

  • 究極のバカミス。
    でも個人的には面白かった。
    ダメな人はダメなんだろうけど、この苦労を思うと何度も読み返し
    てじっくり考察したくなる。
    しかし、こんな事ばかり考えてるんだろうか・・・・からくささん、いや、
    くらさかさんは!?!?!?

  • なんじゃこりゃー!? しかし、馬鹿馬鹿しくすら思える仕掛けは凄いと思いました。

  • 倉阪さんのバカミスが好きだからこそ、少しだけ惜しい内容。

    「金赤館銀青館」で倉阪さん流<館シリーズ>の土台を作り、それを踏襲した…と見せかけた2作目「黒鳥館白鳥館」が色々と突き抜けすぎていて、この「黄緑館藍紫館」にも1作目→2作目程度の大転換を期待しすぎました。
    多分、1作目→本作の順に読んだら、地面がひっくりかえるような気持ちを味わうことができたと思います。

  • お疲れ様!
    く、く、くだらなすぎる、著者近影見るたびに笑っちゃう。
    でも三崎黒鳥館の脱力感には及ばないかな

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著者プロフィール

1960年、三重県生まれ。
早稲田大学在学中に幻想文学会に参加、分科会の幻想短歌会を主宰。
1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』(幻想文学会出版局)でささやかにデビュー。
1989年、第一歌集『日蝕の鷹、月蝕の蛇』(同上)を刊行。
平成とともに俳句に転向、「豈」同人。句集に『アンドロイド情歌』『悪魔の句集』『怪奇館』など。俳句関連書に『怖い俳句』『元気が出る俳句』『猫俳句パラダイス』などがある。
1998年より専業作家。ホラー、ミステリー、幻想小説など多彩な作品を発表。近年は時代小説の文庫書き下ろしを多く手がけ、オリジナル著書数は130冊を超える。
趣味はマラソン、トライアスロン、囲碁・将棋、油絵、鉄道など。

ホームページ「weird world 3 倉阪鬼一郎の怪しい世界」
http://krany.jugem.jp/

「2017年 『世界の終わり/始まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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