第四の男 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 94
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828094

作品紹介・あらすじ

お嬢様学校・櫻藍女子学院の生徒が、見知らぬ車に乗せられ拉致される!が、彼女は途中で隙を見て逃げ出し無事保護された。その生徒の名は星山玲奈、大手食品メーカー会長の孫で、実母は十数年前に殺害されていた…。後日、警視総監宛に玲奈を攫ったという犯人グループより「別の女子高生を誘拐した…」との脅迫状が届く!絡み合う3つの事件!その真相とは。

感想・レビュー・書評

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  • お嬢様学校の生徒が、ある日の放課後誘拐された。しかし、なんとか彼女は隙を見て逃げ出し無事に保護された。その生徒は、大手食品メーカーの孫で、実母は数十年前に殺害されていた。後日、警視総監宛にこの生徒を誘拐したという犯人グループから『別の生徒を誘拐した』と脅迫状が届いて…


    続きもののようで、このお嬢様学校の女子高生2人組が活躍するシリーズ第4弾だった。前作は読んでないために、女子高生と女子高生が所属するミステリー研究会の顧問で会社員との関係がよく分からなかった。あと女刑事も出てくるのだけど、何度も色んな事件に女子高生たちが巻き込まれ、それで知り合ったのだろうというぐらいしか分からなかった。


    しかし、この顧問の会社員(作者の同名)と女子高生の関係が、なんだかなあといったかんじ。このシリーズが好きな人や私は前作を読んでいないから分からないだけなのか、なんとなく女子高生と仲良くしている作家の願望小説ってかんじがしてしまう(たぶん、会社員と作者の名前が同じだからかも)。
    それに、女子高生はお嬢様学校の生徒なのに頭が悪い(回転的な意味で)。今時の女子高生を描いたのかもしれないけど、回りくどいというか、会社員が犯人として疑われるところなど犯人と決めつけたりして話を聞かないところや『早々』を『パヤパヤ』と聞き間違えた女子高生の下りとかうんざり。


    それでも事件は、誘拐と数十年前の強盗殺人の2つを取り上げていて、こっちの話が面白い!そんなあの人が犯人なんて!という展開でもなく、え?は?あれだけ持ち上げてこの終わり?ってかんじ。確かに、ミスリードはされていた。だけど、強盗殺人で問題となる点とその謎ときがイマイチだった。肩透かしにあったようなかんじ。


    なんとなく、モテない男の妄想に付き合わされたかんじがするお話でした。


    2018.1.7 読了

  • 櫻藍女子学院生徒連続誘拐事件。ミス研の後輩が登場したり、久々に死人が出なかったり、過去作を振り返る話題が多かったりと、全体に総集編的且つ懐かしさ漂うテイストで、ロジックがしっかりしている割に何とも拍子抜けな真相もシリーズ初期作を髣髴とさせます。その一方、過去の事件の真相解明はDNAが鍵となり、いまの石崎幸二が昔の作品を書いたらどうなるのか?という疑問への答えとなる作品に仕上がっていました。そんなニッチすぎる試みに、果たして需要が伴っているかどうかはまた別の話ですが。

  • 久々に読んだシリーズ。間何作か飛ばしてるけど何作飛ばしてるのかもうよくわからない。相変わらず会話主体で進んでいく感じ。この独特なノリはもうこのまま突き進んでほしい気がしてきた。

  • ネタもここまで引っ張れば笑うしかないという感じで。

    だからDNAと自虐ネタはもういいって。

    と思ってはいるけどこのまま突き進むんだろうな。
    ここまでくれば、それもそれで一興。

    女子高生誘拐事件と誘拐された女子高生の母親に降りかかった過去の事件とは?

    という感じですね。

  • ミリア&ユリ・シリーズ。ボケとツッコミの会話中心で軽く読めるがトリックはなかなか本格的。次作も楽しみ。

  • なかなか普通に安定した面白さですね。
    まあ、過去の事件で最後はDNAですがね…

  • 2011/11/22読了

  • 「ミリア&ユリ」シリーズ

    <あらすじ>
    ~~~
    事件①:櫻藍女子学院ミステリー研究部に所属するお嬢様・星山玲奈が
        何者かに拉致されそうになったけど無事逃げ出した。
    事件②:玲奈を拉致しようとした犯人から警察宛に
        櫻藍女子学院の生徒(誰かはわからず)を誘拐したと脅迫状が3通届く。
    事件③:16年前、魚咬島の別荘で玲奈の母が密室内で何者かに殺害される。
        現場には犯人のものと思われる血痕が残されており
        当時島に来ていた大学生3人組が怪しいとされるも、犯人は未だ不明。
    ~~~

    ミリア・ユリ・仁美・石崎は玲奈の勧めで共に魚咬島の別荘へ行く。
    一方、事件②の脅迫状に貼付された切手から3通とも唾液が検出され
    1通目と2通目は別人で未登録者の唾液で、3通目は何と石崎の唾液だった。
    そして刑事・斉藤が別荘で合流し、事件①②の真相が明らかとなる。

    すべては事件③の真相を解き明かしたい玲奈の一人芝居だった。
    事件①は、玲奈が警察に脅迫状を送りつけるための布石で
    事件②の脅迫状の切手で警察がDNA鑑定するよう仕向けるためだった。
    脅迫状1・2通目の切手には、玲奈が事件③の犯人だと思っていた3人の
    大学生の内の2人の唾液を用した。が、結果警察の反応がよく判んなかったので
    3通目の切手に石崎の唾液を使って、ちゃんとDNA鑑定してるか確認したのだった。

    結局、事件①は玲奈の狂言で、事件②で誘拐は行われておらず
    事件③で残された血痕と大学生3人組の内2人のDNAは一致せず
    しかも3人組の残り1人も血液型の相違で容疑者から外れてしまった。

    果たして事件③の密室殺人の真相は?
    そして血痕の持ち主【第四の男】は誰なのか?


    <感想>
    斉藤VS石崎が抜群の安定感。派手さがなく『長く短い呪文』テイスト。
    ラノベ的だけどちゃんとした純ミステリーで面白かった。

  • DNAネタをこねくりまわすの好きですね…。
    現在の誘拐事件と16年前の殺害事件、この二つの事件が絡みつつ話は展開していくのですが、いつもの石崎+ユリ・ミリアチームは事件の当事者ではない。このため、伝聞の中でひたすら推理している状況のせいか、シーンの転換が少なく、なんだか物足りない読後感。
    何が足りないんだろう。ユリとミリアの暴れっぷり? 孤島のシーン? 石崎の推理パート? うむむ…微妙…。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。東京理科大学理学部卒業、某化学メーカー勤務。『日曜日の沈黙』で第18回メフィスト賞を受賞。著作は他に『あなたがいない島』、『長く短い呪文』、『袋綴じ事件』、『復讐者の棺』、『≠(ノットイコール)の殺人』、『記録の中の殺人』、『皇帝の新しい服』(いずれも講談社ノベルス)、『首鳴き鬼の島』(東京創元社)がある。

「2013年 『鏡の城の美女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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