立花美樹の反逆 THANATOS (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828179

作品紹介・あらすじ

THANATOSシリーズ第7巻!

周囲に不審な死をもたらす「死神(タナトス)」と呼ばれる少年・立花美樹(よしき)が奥多摩の神社に消えた。彼を捜すはめになったのは高校生5人。彼らを待ち受けるは俗世塗(まみ)れの祭主、異様に聡明な巫女、口きけぬ美少女、喚く蓬髪(ほうはつ)老人、包帯怪人といずれも怪しげな新興宗教の者たち、そして大祭壇の死体消失から始まる不可能犯罪だった。高校生たちは美樹を捜し出し、無事に生還できるのか?

感想・レビュー・書評

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  • カルト系宗教施設ミステリー。美樹の暴走に巻き込まれた人々の右往左往と苦悩の巻。今作も面白かった。
    カルト宗教施設が舞台だけれども本当に怖いのはそこではなく彼以外の人間だったという話。今作の仕掛けには物凄く気持ちよく騙された。びっくりした。そっちか!ってなった。
    やっぱり美樹より真樹のほうが人間やめてる感が強い。あのこは底が知れなくて得体がわからなくて怖いなあ。
    それと前作で美樹がした僅かな後悔を引きずっているのを見て、美樹は本当は優しいものなんだなあと思う。やっぱり彼とは友達だったんじゃないかとも。

    そして完璧な敗北の日の話。これはぐうのねも出ないくらいの完全敗北だった。あの兄弟に一発かませる奴がいるとは思わなかった。
    高槻と湊が今回も大冒険繰り広げていて笑う。めちゃくちゃ頑張ってるじゃないか……高槻が益々狂犬じみていく。
    生き残るためにもがき続けて装備をめちゃくちゃ整えている彼は純粋にすごいと思うし頑張って生きてて欲しい。湊も。インテリお坊っちゃんがなんかずいぶん逞しくなった印象が……。
    名探偵、皆を集めてさてと言い。この話はさてと言った後のことがいちばん大事なのだと思う。こっぴどい敗北はしたかもしれないけれど結果的に探偵は死神を取り戻したわけで、これからどうなる?とそわそわしてしまう。

  • 目次見て、いったんとまった…はたして、章順序に従って読むべきか。最初から読むべきか。とりあえず最初から読んでは見たものの、意図がわからず…もう一度、今度は章順序に従って読んでみよう…。食べたくて仕方なくて和菓子詰め合わせを買おうと思ったけど、なかったから、次はちゃんと準備して。大根カレー食べてみたいのだけど、どこかにあるかな。
    カナさんぽいけど男だというしなぁ。そこまで美形になるのか…しかし高槻さんもないだろーと思ったらカナさんだった。超ごめん、カナさん…。しかし、高槻さんは何故受付で高木さんだったのに秋月さんになったんだろうなぁ。
    とりあえず、今後タナトス読むときは湊さんは明智さんビジュアルで想像するのである。

  • あっぴーの荒みぶりに涙が止まらない…うっ 「こんなこともあろうかと」シリーズがここまで活用されるのは後にも先にもこの巻くらいではなかろうか。

  • 今回は環境保護的新興宗教へ入信した美樹を取り戻しに行くお話でした。毎度のこと、ドタバタしてたし高槻さんも湊さんも頑丈。
    矢部くんとことん不憫だけど強運ではあると思いました。
    真相は、この新興宗教で美樹の死神力を検証してた…というか検証するためにピラルクーやピラニアを多摩川から拾ってきて祀り上げて美樹をおびき寄せた感じ?
    結局、美樹は本気で死神かもしれない。

    今回のハイライトは「当麻紗綾も草薙素子もいない公安なんてただの役所」と、「おれは人間をやめるぞ!ジョジョーッ!」です。
    「そうか明智警視ほど若く見えるか」「うるさい池内万作!」「矢部君の世代だと堂本剛版ではないんじゃないか」の金田一少年コントも笑いました。

  • タナトスと呼ばれる「死神」の双子の兄と探偵まがいの弟のミステリシリーズ。今回もちょー笑えた。いやー、この皮肉な感じ好きだわ……。今回はいきなり、「四章」から始まっていて、目の錯覚かと思った。ひして新興宗教がテーマ。高槻さんすっかり壊れちゃって……(よよ(笑))。サブカルネタも多かった。悪趣味極まる感じが好みなのです。

  • (ネタバレします)
    こるもの発作が治らずそのまま読んでしまった。このままでは高里イヤーの予定がこるものイヤーになってしまうかもしれん。両方読めばいいか。それにこるものは積ん読数自体が少ないからな。
    うーむ、だんだん水槽蘊蓄が減っているというか、物語と絡まなくなってきてるな。その代わり今回は宗教絡みの蘊蓄というか、色々出てきてそっちで話を進めてる感じ。
    この人、語り口がライトなのがなんというか個人的にやはり勿体無いなあ!と思ってしまう。なんというか、これ、深刻に書けば(本文中でも言及されてたけど)京極夏彦みたいになる可能性も秘めてる作品なんだよね。それに更に今回は笑わせるために大量のオタクネタも動員、なんというかホント、語り口でラノベになってるんだけど、こるもの、恐ろしい子!って感じだった。まあ他のシリーズとかを見るにキャラもの第一、というスタンスなんだろうけど。
    高木にはまんまと騙された。というか久しぶりに登場じゃない?よかった、忘れられてなかった。やたらビジュアルを強調させられてたから、高槻そこまでイケメン設定じゃないよな?とは思いながら読んでたんだけど。
    そいで解決編でのひっくり返しといい、うむ、なんだか久々にアンチミステリ感があったな。
    次作は横溝チックらしいんだけど、うー、ああいう血族どろどろものは苦手なんだよな。そしてそこでシリーズ止まってるというね。ぐぬぬ。

  • 目次見てなんだこれ?って思ったけど納得。
    章書いてあるから時系列が分かったけど、書いてなかったらごっちゃになってたかもしれない。
    もう一度、章の順に読み返してみたい。

  • THANATOSシリーズ七作目。
    章の順番がバラバラだが、分かりにくくなっているだけのようにしか思えなかった。どんな意図があるのかな?
    ストーリーは魅力があるので、シンプルなミステリとして読みたかった。
    海洋生物薀蓄はもう少しあってもいいな。

  • THANATOSシリーズ第7弾。
    間違えて先に8作目を読んじゃったけど、あまり支障なし。
    カルト教団に入信したミキちゃんを、真樹が手駒総動員で連れ戻しに行く話。

    高槻さんに湊さん、出屋敷さんはもちろん、自然科学部員やカナさんまで、今までのメンバー総出演。叙述トリックではないけれど、誰がどの名前で潜入してるのか、よく読むと分かるんだけど、そこか〜ってものも。

    今回双子の出番少なめだけど、真樹にしろ美樹にしろ、大人たちにいいように利用されて、いろいろブラックな要素が増えてきて、どこに向かっていくのか楽しみでもあり、恐くもあり。
    そして相変わらずのオタクネタ。細かすぎてすべて拾えてる訳じゃないけど、オーズのネタが一番面白かった。

  • タナトスシリーズ第7弾。
    周囲に死をもたらす”死神”美樹がカルト教団へ。弟の真樹は手駒を送り込んで彼を呼び戻そうとするが…
    人里離れた教団でもやはり熱帯魚と巨大水槽。事件も派手だが、最後の高槻たちの大冒険に全部持っていかれた感じ。前作でも使った斧はもう経費でおとしてあげてもいいのでは…
    今回は双子の出番が少なかったが、それぞれこれからどうなっていくのか不安なラストでもある。

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著者プロフィール

1977年生まれ。大阪府出身。
追手門学院大学文学部卒。
『パラダイス・クローズド』で第37回メフィスト賞を受賞し、2008年にデビュー。
以来、「THANATOS」「完全犯罪研究部」「レベル99」シリーズ上梓のほか、ドラマCDのシナリオも数多く手がける。
2018年に上梓した『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』 (メディアワークス文庫)が、新聞や小説誌の書評コーナーに取り上げられ、大きな話題に。
近著に『レベル95少女の試練と挫折』『五位鷺の姫君、うるはしき男どもに憂ひたまふ 平安ロマンチカ』『探偵は御簾の中 検非違使と奥様の平安事件簿』『探偵は御簾の中 鳴かぬ螢が身を焦がす』『FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01 』(共著)などがある。

「2022年 『探偵は御簾の中 白桃殿さまご乱心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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