- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061828353
作品紹介・あらすじ
高校へ通わなくなって数ヵ月。16歳の木守比奈子は、大学教授である父親が研究でイギリスへ行くことになったため、古本屋の「緑金書房」に居候する。店を営む金子緑朗は亡き母の親戚だというが、どこで寝ているのかがわからず、また同居しているはずの大叔母も一向に姿を見せない。多くの謎を秘めた古書店で、比奈子の前に突如、現れたのは?そして、彼女を襲う事件が-。「8つの謎」が隠された異世界へ通じる古書店-。「建築探偵シリーズ」の著者による"古書と不思議"の物語。
感想・レビュー・書評
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これ講談社ノベルスとかじゃなくてハードカバーで児童書として出してほしい雰囲気。
メフィストでの連載だったようだから書籍形態としてやむを得ないのかもしれないけど銃とチョコレートとかミステリーランドのみたいなああいう装丁でもいいじゃないか!
どっかで見かけたレビューに「ナルニアとシェイクスピアに頼りすぎ」ってコメントがあって、まぁそうだわなとは思うけど、手っ取り早く共感を与えてワクワク感を持たせるにはいい小道具だぁなー。
オチがない!っていうのもあるけどまぁ、雰囲気勝ちでそこまで不満には感じなかった。
やっぱり 古本屋 とか 屋根裏部屋 とかテッパンだよ!児童書ファンタジー系好きのツボをすごーく心得た舞台装置がたまらんかった。
釣巻和で挿画したらすごーくハマるだろうなぁああああああ。舞台的にも、キャラクター的にも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ファンタジー要素の強いミステリー。
古本屋や猫、こちらにとあちらにある場所「月島」。
午睡譚、というように夢のような話だった。
「ナルニア国物語」も「シェイクスピア」も読んだことがないけれど、何となくあちらとこちらが「鏡の国のアリス」も彷彿とさせる。
(作中にも出てきたけれど)
クロさんの語りが落語のようでそれもまた夢のようで面白い。
逃げるということは、途中放棄ともとれるけど、結局逃げた先にも何かは待ち受けている。
何も無いところなどない。
比奈子が緑金書房に出会い、「あちら」と「こちら」で迷ったように。
いつも何かの選択に迫られていて、逃げ場所なんてないような気がする。
そんな時でも本は、受け入れてくれる。
夢も見させてくれる。
でもいつかは物語にも終わりが来る。
そんな時に本を、読書を逃げ続ける場所にしてはいけないな、と身につまされた。
作中に出てきた反町茂雄の本も読んでみたいので、ブクログに登録。
謎がすべて解き明かされるよりこの方がたしかに午睡譚、という感じかして読後感がふわふわと心地よかった。 -
ミステリ風味ファンタジー。
ナルニアの概要くらいは必須事項。
最後らへんはちょっと駆け足だったかなー。 -
ミステリーだと思って読んだら、ファンタジーでビックリした。
“古書店”に、“あちら”と“こちら”、“同じ”だけど“違う”場所。とか、設定や雰囲気は好きなんだけど…。
物足りないというか、なんか違うんだよなぁ。
“本の森”が良かった。ちょっと怖いけど、行ってみたい。
ダーク・レディの言ってた事は、どこまで本当なんだろう。
あと、ジャン・クロードが好き。もっと出てきて欲しかった。
(似)
映画「ハウルの動く城」
著者プロフィール
篠田真由美の作品





