光待つ場所へ

  • 講談社 (2012年6月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784061828360

みんなの感想まとめ

人間関係や心の機微を丁寧に描いた短編集で、登場人物たちの過去や未来に触れることで、彼らの物語がより深く感じられます。辻村深月の作品は、特に心理描写が巧みで、読者は感情移入を促される場面が多く、時には胸...

感想・レビュー・書評

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  • 4編からなるスピンオフ短編集

    ●しあわせのこみち
    『冷たい校舎の時は止まる』の清水あやめ

    ●アスファルト
    『冷たい校舎の時は止まる』の藤本昭彦

    ●チハラトーコの物語
    『スロウハイツの神様』の加々美莉々亜と赤羽環

    ●樹氷の街
    『名前探しの放課後』・『ぼくのメジャースプーン』・『凍りのくじら』
    天木・秀人・椿・松永郁也・芹沢理帆子・多恵さん

    これまでの作品で大きく扱われる事のなかった人々達が主役
    あの人たちの過去や・未来がほんのり覗けてとっても嬉しかった。

    辻村さんの作品は、特別に心理描写が巧過ぎる…行き過ぎている。
    こういう、感情もあったなぁ。こんな苦しみ・切なさあったなぁ。
    また、こんな人居た。確かに居た。
    人と人の繋がりや心情に凄く感情移入させられた。
    読んでいて、本当に胸にチクチク突き刺さる。だから、大好き
    自分を素直に表現出来ない人、心優しい人、沢山のタイプの違う人達の
    心の機微を描くのがとっても上手。

    自信なんてない毎日だけど、反省だらけの毎日だけど
    前に進むしかない。背中を強く押してくれます。

    日々は、繋がっていく、世界は、広がっていく。

    本作もそうだし『ロードムービー』もスピンオフ集
    また、何処かで彼や彼女達に会える日がとっても楽しみです。

  • 辻村深月作品を順に読んでいる方なら、「おぉ、あの人か」と思うのが多数……なのですが、何せ私は図書館勢……
    しかも超マイペースに読んでいるので、解説サイト頼らないと誰なのか分からず(苦笑)
    でも!誰なのか分からなくとも楽しめてしまいます♡笑
    どのお話も胸が苦しくなる場面がありつつも、最後はホッとしたり、胸キュンするような読後感。
    「誰に何と言われようと自分のままでいい」と思わせてくれるような話もありました。
    タイトル的にも今の季節にあう感じもあって、気持ちよく読めました。

  • スピンオフと知らず、先に読んでしまった。関係して既読なのは、凍りのクジラ、だけだったので、天才ピアノ少年だけしか、共感できなかった。悔しいのて、他も読もう。

  • *日々は、繋がっていく。世界は、広がっていく。
    大学の課題。抜きん出た作品として紹介されるのは、自分の絵だと確信していた。なのに・・・。恥ずかしさと、息苦しさと、駆け出したくなるような衝動。あの頃のすべてが詰まった、傑作青春小説全4編を収録!*

    レビューを読んで、他作品の「スピンオフ短編」だと知りました。道理で!と納得。繊細で緻密な作品だと思うけど、なんとなく唐突感が拭えず・・・。該当作品を読んでから、改めて再読してみたい。

  • 辻村深月さんの短篇集。
    読み終わって自分のレビューを書く前に皆さんのレビューをカンニング。
    そうかぁ賛否両論ですね。
    一連の辻村作品の関連性を知らずに読んでしまったっぽい人。
    関連性判っているけどイマイチ乗り切れない人。
    そうですね感想は色々有った方が面白いかもです。
    僕の場合は娘の指南の元、関連性と順番を守って、なおかつ元々こういう形式のスピンオフ的なお話が好きなので…
    とっても楽しく読ませて頂きました。時にWikipediaとかネット情報をチラ見しながら。
    で、最後の話は『少し不覚』にも泣いた。いい歳したオヤジのレビューでした。

    他の人も書いてますが、
    『冷たい校舎の時は止まる』
    『スロウハイツの神様』
    『凍りのくじら』
    『子どもたちは夜と遊ぶ』
    『ぼくのメジャースプーン』
    『名前探しの放課後』
    を先に読みましょう!

  • 日々は、繋がっていく。世界は、広がっていく。
    大学の課題。抜きん出た作品として紹介されるのは、自分の絵だと確信していた。なのに・・・。
    清水あやめは、田辺颯也が制作した三分間フィルムに、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わう。「私は何になりたいのだろう。どこへ行きたいのだろう」やるせない感情に襲われた彼女の耳に飛び込んだのは、底抜けに明るい田辺の声だつた。
    恥ずかしさと、息苦しさと、駆け出したくなるような衝動。あの頃のすべてが詰まった、傑作青春小説。

  • p37
    私は自分の感性や、孤独であることに酔ってしまっている。イタイのだ、それはとても。
    p77
    友達って定義にはいろいろあるだろうけど、友達が成功したときにそれを素直に喜べるのが、俺にとっての友達だ

    p156
    だって嘘に必要なのは、楽しませることだ。

    題名の
    光待つ場所へ、の意味
    何かに瞑想、暗いところにいるそれぞれの主人公が、何かのきっかけで光待つ場所へ一歩踏み出す話だからだと感じた。
    「人が階段を一段のぼるとき、扉を開ける瞬間を見てみたくて、書きました」辻村さん
    ・しあわせのこみち
    他人との関わりを拒み、絵を書くことを逃避としている主人公が、自分と真逆(実は似ている)な田辺との出会いで変わっていく。
    ・アスファルト
    溜まり場となっている主人公の家。いつも誰かといるせいか、気づくと誰とも交わらない時間を欲していた。ある夜、部屋を真っ暗にし、ケータイの電源も落とし、友人が来ても無視して一人だけの時間を過ごす。
    ベルリンはその夜と似ていた。自分がその中に溶け込んでいない事を理解する。主人公を拒むことがないかわりに、受け入れる事もしない。
    しかし旅で老婆と出会い、実は人間がすきなことに気づく。(光)
    ・チハラトーコの物語
    幼い頃芸能人らしいことをしていた主人公。気づくと、他人を楽しませるためにウソをつくようになる。
    そこからウソをつく。しかし主人公は
    あくまでも「人を楽しませるために」嘘をつく。
    そんな自分をどこか冷淡な目でみている。
    磯山ミオをきっかけにふっきれ、変なプライドがおちる。(光の方)
    ・樹氷の街
    合唱コンクールの話。伴奏が下手な倉田にイラつき、クラスのやる気も下がる。
    そこに松永があらわれる。彼の弾くピアノにだんだんとクラスが変わり、今まであまり知らなかった松永のことも知るように。
    この話は、光待つ方にいくのは主人公天木だけでなく、クラスメイトな気がする。松永の圧倒的なピアノにクラスメイトが必死についていく。(光の方へ)
    樹氷の街の歌詞にもあるように、この話が「光待つ場所へ」というのが一番わかりやすい。

  • 先日直木賞を受賞した辻村深月の短篇集。

    この作品以前に発表された長編(「冷たい校舎の時は止まる」、「スロウハイツの神様」、「名前探しの放課後」)の登場人物達が主人公となっているため、それらを読んでいない人には理解できない記述も結構あるが、逆に作者の初期作品からの愛読者にとっては、登場人物たちの「その後」あるいは「その前」に触れることが出来る、作者からのプレゼント(あるいはおまけ)のような作品。

    四篇の短編の中では、デビュー作である「冷たい~」の登場人物達の大学生活を描いた一編目の「しあわせのこみち」が、個人的には最も印象的だった。

  • 短編集。
    「名前探しの放課後」の秀人、天木、椿と「凍りのくじら」の郁也が交わる短編がよかった。郁也、友達ができてよかったね、と親の心境。中学生の合唱コンクール、という誰もが記憶にある微妙な学校行事を題材。クラスによって雰囲気別れるよね。私は賞とは縁がないクラスが三年続いたなー。歌わない人がいたりするパターン。もちろんこの話のクラスはだんだんとまつまっていくんだけど。

    「スロウハイツの神様」の後日談もよし。「太陽の座る場所」のキョウコの出世作の映画の話題が出てきたり。

    辻村作品を全部読んでから、間を埋める感じで読むと一番楽しめる作品。

  • 最近「イヤミス」という言葉の雰囲気が正確に掴めてきた気がした。まさにこの短編集は「イヤミス」だわ。ミステリーじゃないけど、ミステリー畑出身作家だから良いよね。ほんとに胸に突き刺さる登場人物たちの過剰な自意識。わたしはもっと出来るはず。こんなんじゃない、もっと誉められるべき。痛い。ほんと、辻村深月の過剰な自意識の描写は痛すぎて、自分まで沼に沈みそう。
    今作はスピンオフ短編集も兼ねてるようなので、過去作品読み直そうー、と思いました。

  • 「人が階段を一段のぼるとき、扉を開ける瞬間を見てみたくて、書きました。」扉を開けた先には、光が待っている。そう思うと、勇気が湧きます。自分と他人の違いや、社会との折り合いに戸惑いながら自分の扉を開けて行く。
    誰でも他の人には見せられない一面を隠していて、それを持て余しながら生きてるのが辻村さんの世界で、そこが描かれてるところに毎回切ないような安堵のような不思議な気持ちになります。辻村作品を読む度に、本が好きで良かった…と思います。そこを!そこを書くか!と。
    あと、過去の作品の登場人物を大切にしてるなと。一つの作品だけで終わらなくて、成長を見守るように、色んなところに出てくるのは読んでるこちらとしても嬉しいですね。

  • 心のうちが分かりすぎて苦しい

  • 4つの話からなる短編集ではあるけれど、それぞれが同著者のスピンオフ作品なのか。今までに読んだ作品をすべて細かく覚えているわけではないが、読み進めるたびに「あれ、この人ってあの作品の…」と思うことが度々。

  • 辻村作品のスピンオフ短編集。
    元の作品を読んでいないと楽しさが半減するのではないかと思うので、辻村すごろくに沿って読んだ方がいい作品。

    「しあわせのこみち」は「冷たい校舎の時は止まる」の清水あやめ
    「アスファルト」は同じく「冷たい校舎の時は止まる」の藤本昭彦
    の大学生の時のお話。

    「チハラトーコの物語」は「スロウハイツの神様」の加々見莉々亜のその後。

    「樹氷の街」は「ぼくのメジャースプーン」「凍りのくじら」「名前探しの放課後」で出会える面々の中学生時代のお話。

    どれも馴染みのある登場人物たちなので、それぞれの人生のある時期を知ることができて、なんだか嬉しい。

    「樹氷の街」が一番好きだな。

    それ以外の三作は、主人公がそれぞれ自意識が強くてみんなこじらせているなーというかんじ。
    でもだからこそ愛おしいのですが。

  • 自分の学生のころのもやもやした思いをあーそういう気持ちあったよなーという感じで思い出させてくれました。

  • スピンオフ作品であることをしらなかった。
    もったいない!

    『スロウ・ハイツの神様』のチハラトウコ。
    『凍りのクジラ』の松永郁也、理帆子
    は既読だったので、本当に良かった。

    『冷たい校舎の時は止まる』
    『名前探しの放課後』
    『ぼくのメジャースプーン』
    を続けて読もう。

    ・しあわせのこみちしあわせのこみち:天才と恋愛
    ・アスファルト:言葉。孤独と人とのつながり
    ・チハラトーコの物語:嘘つきの真実さ
    ・樹氷の街:多恵さんの思いのまっすぐさ

  • やはり「冷たい校舎~」の人物は好きになれない。
    どこか自分以外を馬鹿にしたものの見方をしていると感じてしまう。

    相変わらず、スロウハイツのあの方は格好良かったり、メジャースプーンの彼らが織り成す人間関係はみていて悪い気にならなかったりする。

    話よりも、登場人物に目がいってしまう作品だ。

  • 清水あやめ
    藤本昭彦
    チハラトーコ(加賀美りりあ)
    天木、郁也、秀人、椿

    それぞれが主人公の4編。最初の3人は、冷たい校舎の〜や、スロウハイツの後日談。最後の話は名前探しの〜の前段です。面白かったなー。清水あやめと昭彦は、ふたりともちょっと普通からズレたところを持ってたから、それぞれに、自分の屈折したところを受け入れたり、人を本気で好きになったり、友人を大切に感じたりする瞬間を見せてもらえてよかった。チハラトーコは誰だっけ?ってなったけど、赤羽環が出てきてやっと分かった。スロウハイツの加賀美リリアちゃんだ。この子もまたなかなかに屈折してる。辻村深月さんの小説の登場人物って、達観した少し大人びてるけどどこかに歪みがある人が多い気がする。人物の描き方がめちゃくちゃうまい。りりあちゃんについ共感と応援を感じてしまう。彼女は最後には女優として少し道がひらけた感じでハッピーエンドなのかな。小説家としての才能もあるようだし、成功しますように。最後の話はほっこりで良かった、天木たちの中学時代の話。やっぱりみんなで1つの行事に取り組むって青春で楽しくて思い出になって懸命に取り組んだ達成感があって良いよね。

  • まだ読んでない作品の続き(?)があるので「樹氷の街」は読まずに寝かすことに。

    ・しあわせのこみち ★★★
    私は天才でもないし頭もよくないので共感できる部分が少なかったな〜
    ただ絵は習ってたので久しぶりに描きたくはなった笑

    それにしても冷たい校舎のみんなは環境が変わっても戻れる場所というか仲間っていう絆で結ばれてて良かったなと。

    ・アスファルト ★★★
    昭彦が登場!昭彦って主役っぽいキャラなのに、冷たい〜でも結構早く消えてあんま記憶にない!笑

    大学生になって今までとは違う人間関係で戸惑い傷ついてるのが自分と全く同じで、なんだか懐かしい気分に。
    しかも一人暮らしやとさらに孤独に隠に篭れる環境で。。

    私も一人旅で海外に行くことで自分を取り戻してきたし、昭彦もそーなりそーで良かったなと。

    社会人になって仕事や生きる事に忙しくなり、過去の事を振り返る時間がなくなりなんだか懐かしい気持ちを思い出した。

    ・チハラトーコの物語 ★★★
    チハラトーコって誰やっけ?スロウハイツに出てきた人っぽい。。と思いながら読んでもやっぱり思い出せず。
    読後に調べて何となく思い出すがあんまり印象に残ってない笑


    ・樹氷の街 ★★★★★
    メジャースプーン、名前探しを読み終わったので読んだ。
    メジャースプーンが小学校、今回の樹氷は中学校、名前探しは高校という時系列。

    松永君が出てくるのは知ってたが、秀人、ふみちゃん、天木が出るとは知らず出てきた瞬間テンション上がった!

    しかも多恵さんや里も理帆子も出てきて嬉しい。
    特に多恵さん!!

    松永君と多恵さんの関係はすごく好きで、ちょっと感動した。

  • 番外編的な物語はいいよね。終わってしまってからもう一度あの世界を味わえるし。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。23年に発表された『この夏の星を見る』は映画化された。
そのほか『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』『噓つきジェンガ』など著書多数。

辻村深月の作品

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