皇帝の新しい服 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828582

感想・レビュー・書評

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  • ー 「でもさ、瀬戸内海の孤島で、しかも戦国時代の水軍由来の神社で起きる連続殺人だろ。そんな落ち武者の一人や二人、いや一ダースくらい出てきてもおかしくないだろ」

    「ツボだ。石崎さんのツボなんだ」ユリが笑う。

    「そうなんだよ。ど真ん中なんだよ。横溝正史の世界だろ。くっそー、これで俺が被害者じゃなければなあ」石崎が拳を握りしめる。「ああ、俺はついてない。ついてないよ。やっと最高のシチュエーションに巻き込まれると思ったら被害者だもの」 ー

    面白い。
    孤島、昔から続く儀式、外から施錠される小屋、過去の事件、警告文、複数の花婿候補、そしてミステリィ研究会、、、絶対何か起きる、という期待感が素晴らしい。
    サクサク読めて意外な仕掛けがちょうど良い。

  • ミステリ。コメディ。メタ。
    初めて読む作家さん。本格ミステリかと思っていたが、完璧にコメディ路線。
    この作風は、個人的には東川篤哉さんが思い浮かぶ。わりと好きな作風。
    ミステリとしては微妙だったが、主人公たちの会話で十分に楽しめた。☆2.5。

  • 姦しい女子高生3人とうだつの上がらないリーマンと凶暴な女刑事が勝手に事件に巻き込まれる話。
    会話のノリツッコミ減らしたら、短編くらいに収まるんでないかね。

    とりあえず、このシリーズはもういいや。

  • いつもの登場人物たちが繰り広げるギャグの応酬。今回の謎解きは面白かったな。軽く読めますよ。

  • 女子高生三人組とダメサラリーマンが懲りもせずに事件に巻き込まれる孤島ミステリ。神社を守る巫女の一族、代々伝わる婿取りの儀式、何十年にも渡って繰り返される悲劇――。いつも以上に新本格ガジェット満載な設定なのに、あまり孤島っぽさがないライトテイストが安心安定の石崎クオリティ。驚くべき動機に基づいた一連の犯行が一瞬にして裏返り、乗っ取りによって構図が逆転する様は、タイトルに込められた真の意味も相俟って凄まじいまでの執念を感じさせますが、シリーズを通して見ると、どことなく『記録の中の殺人』と被った印象を受けるのがネックといえばネックです。今回、仁美の機嫌が始終悪かったのは、何だかんだでお見合いを受けた石崎さんに対する当てこすりのような気がします。

  • <あらすじ>
    仁美の知り合いの美蔵家が瀬戸内海の島で執り行う婿選びの儀式に
    ミリア、ユリ、仁美は海の幸ほしさに石崎を花婿候補に仕立て参加することに。

    その儀式は花婿候補4人の中から花嫁が選び婚約するというルールで
    今回花嫁となるのは美蔵恵理。儀式は昔から代々行われており
    恵理の母が花嫁のとき、殺人事件が起きていた。

    まず最初に、花婿の3人が睡眠薬を飲まされ溺死。婿選びは中止
    その翌年、花婿3人に脅迫状が届き、花婿が参加を辞退し儀式は中止に
    さらに翌年、花婿3人に脅迫状が届くも、儀式を強行したところ
    脅迫状を受け取った花婿の1人が銛で刺殺された
    そして次の年も、花婿3人に脅迫状が届き、その3人は参加を辞退
    残った1人だけで儀式を行い無事終了。2人は結婚し恵理の両親となる。

    いずれの事件も未解決のままとなっていた。
    そして今回、石崎のもとに脅迫状が届く。他の花婿候補2人にも届いたらしい。

    ミス研メンバーは過去の事件を含め、花婿候補4人の内3人に脅迫状jを
    届けるのには、婚約させたくないある理由があると推測する
    それは血液型。恵理の母が、祖母が浮気して産んだ子で、母が子供を産んだとき
    その血液型で祖父との子ではないとバレたくないからだ、と。

    そしてついに儀式が行われる。
    最初の事件の容疑者の登場とかで、警察の介入もあり、儀式は中断。

    そして美蔵家と警察に、ミリアが一連の事件の犯人は恵理の祖母であると推理披露
    恵理のDNA鑑定を依頼する。

    すると、恵理は血の繋がった正当な孫だった!
    推理が外れ落ち込むミス研だったが、そこで石崎は真相にたどり着く。

    果たして真犯人は?事件を起こした理由とは?


    <オチ>
    仁美がまた危険な目にあい、石崎は刑事の斉藤瞳にビンタされる

  • 久しぶりの女子高生&顧問、相変わらずのハチャメチャ全開で
    あっという間に読んでしまいました。
    一体いつになったら本筋に入るのかと思いつつも、
    前後の脈絡関係無し、相手の言い分関係無しの
    4人のトークが面白すぎる。
    謎解きに入ってからはかなりすっ飛ばしちゃったけど、
    結末もちゃんと納得できるし、
    楽しめた一冊でした。
    もっと頻繁に彼らに会いたいものです。

    表紙のイマドキ感はいただけないかな。
    ていうか、勝負賭けてきたということですか。確かに人目を引くけどね。

  • 面白かったんだけど、そろそろ同じ流れに飽きてきたかも。
    ていうか、石崎とミリア・ユリ・仁美の漫才はマンネリでもそれがこのシリーズの特色だから良いの。
    でも斉藤さんがなー。いい加減イライラする。同じタイプでも森博嗣のVシリーズに出てくる祖父江はまだ可愛いげがあるけど……勿論、紅子さんのが1000倍可愛いけどね!
    あのキャラは必要なんだろうか。斉藤さん。私は要らない。

  • まあ、シリーズを逆手というか、このシリーズだからの事件なんでしょうね。
    なかなかよかったです。

  • 読了、75点。

    **
    櫻藍女子学院高校ミステリィ研究会の面々は瀬戸内海の孤島に伝わる婿取りの儀式に、顧問の石崎を参加させようとする。
    その儀式はかつて事故や殺人などが起きた曰く付のものであったが会員の強引な説得により、参加させられることになる。
    石崎たちは今回の儀式では同じような事態を引き起こすまいと過去の事件の資料を集め様々な推理を行うが謎が解明されないまま儀式当日を迎え、、、、
    **

    初石崎幸二作品です。
    キャラクターの掛け合いが非常に楽しく面白く読ませてくれる作品、今まで完全にスルーしていましたがこれを機会に著者の作品に触れたいと感じました。

    作品のトリック的には多少の事前情報のおかげもあって7章までは完全に推測通りの論理展開ながらその後さらにツイストを効かせて面白い仕上がりと言う印象。
    正直なところ、作中で語られるように、この手のギミックが過去作にも使われるとすると、ネタ的に一般受けし難いんじゃないかといらぬ心配をしてしまいます。
    が私個人としては非常に興味の惹かれるネタだけに他のシリーズも楽しめるのではないかと期待しています。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。東京理科大学理学部卒業、某化学メーカー勤務。『日曜日の沈黙』で第18回メフィスト賞を受賞。著作は他に『あなたがいない島』、『長く短い呪文』、『袋綴じ事件』、『復讐者の棺』、『≠(ノットイコール)の殺人』、『記録の中の殺人』、『皇帝の新しい服』(いずれも講談社ノベルス)、『首鳴き鬼の島』(東京創元社)がある。

「2013年 『鏡の城の美女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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