- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061828728
作品紹介・あらすじ
天才建築家驫木煬(とどろき・よう)が、山奥に建てた巨大な私邸<眼球堂(がんきゅうどう)>。
そこに招待された、各界の才能と謳われる著名人たちと、放浪の数学者十和田只人(とわだ・ただひと)。彼を追い、眼球堂へと赴いたルポライター陸奥藍子(むつ・あいこ)が見たものは、奇妙な建物、不穏な夕食会、狂気に取りつかれた驫木、そして実現不可能な変死体。誰が殺した? でも、どうやって? ――一連の事件の真実(ほんとう)の「真実」を、十和田と藍子は「証明」することができるのか?
密室! 館! 不可能犯罪! 本格ミステリのガジェット満載にして、清新かつ斬新なトリック! 刮目せよ。これがメフィスト賞だ!
感想・レビュー・書評
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新本格全盛の頃を思い出す、なんだか懐かしいクローズドサークルもの。ミステリに慣れ親しんでいるとトリックも犯人もわかってしまうかも。あまり新鮮さがなく カタルシスを感じることもない、後日談が雑すぎてもったいない。とか色々あるけど森博嗣が帯に書いているとおり確かに「潔い」し、こういうミステリ書いてくれ る人は最近少ないので貴重だ。眼球を模した建物という発想も面白い。せっかく天才集めたのだしもうちょっとケレン味があった方がよかったかな。
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再読です。シリーズ途中で止まっていたのを読み進めるにあたって大分時間が経ってしまったのであらためて1冊目から読み返そうと思いました。初読は2013年。当時こういうものを書かれる作家さんがメフィスト賞を取られたことが嬉しいと思ったのをはっきりと覚えています。
クローズドサークル、いかにも何か起こりそうな見取り図と、本格好きがワクワクする1冊。トリックはなんとなく覚えていましたが、ラストの展開はすっかり忘れていて再読でも楽しめました。1冊目は探偵が意外と普通だったのにちょっとびっくり。
続きを読むにあたってチェックしていて気付いたのですが、このシリーズは文庫化に際してかなり加筆修正されているようですね。続きは文庫で再読しようと思います。変わった部分も楽しみです。 -
すみません、ここまで読んできて何ですが、いわゆる「クローズド・サークルもの」は大きく2つの種類に分かれるのだと気づきました。
1つは、明日は我が身の37564もの。もう1つは、単に閉鎖空間で(連続)殺人が起こる、というだけのもの。ここらへんはシチュエーションというより味つけ準拠で、「えっなんでこの状況であんたたちそんなノンキなの?」みたいなものもあるのだが、とにもかくにも。
そして本書は――「いわゆるクローズド・サークルもの」の中にはこういうのが少なくないのだが――状況は前者だが実際の雰囲気は後者、という作品である。
視点人物に同行者(しかもみずから好きこのんで追いかけ回している相手)がいる時点で、この2人の間で「明日は我が身…?」「誰も信用できない!」といった疑心暗鬼が稀薄なのはしかたがないが、それ以外の招待客たちも不自然なほどにノンキ…と言って悪ければ、礼儀正しい。
もっとモメようよ、もっとギスギスしようよ!!! …と、性悪読者としてはもどかしいが、得体の知れない脱出不可能な建物に死体および殺人鬼かもしれない人間と閉じ込められているわりには、みんな拍子抜けするほどに人としての形を保ち続ける。
パニクるでも、大糾弾大会を開くでも、推理合戦をするでもなく、書かれるものはと言えばあまりに陳腐な「天才」たちのやりとり。真相が明かされるや180度キャラ変わりする、怪人20面相が変装剥ぐシーンですかみたいな大時代なノリ。いろいろとツラい。
ミステリとして破綻はしていないので(ありきたりだけど)最低限のラインはクリアしているが、「クローズド・サークルが好きだから」と、わざわざ手に取る必要はないと思う。
2015/7/19~7/22読了 -
森博嗣の帯が付いていたが、この著者が森氏に影響をうけていることが内容からも伺える。森博詞と西尾維新と、あと自分の知らない誰かを足して3で割った感じ。中々に楽しめたが、前述の2作者を超えたとは思えない。
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メフィスト賞受賞作だそうな。
最近のミステリーはキャラに趣向を凝らせたりストーリーが突飛だったり素直じゃないのが多い中(私が読んでるのがそうなだけかもですが)、珍しく比較的正統派な話運びのお話でした。 -
ミステリの様々な名作を彷彿とさせるが、裏を返せば見た事があるということにもなる。
センスを感じるので、何か一つ独自の武器が前面に出て来れば更によくなると思う。
著者プロフィール
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