豆腐屋の四季―ある青春の記録 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061830585

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  • 病気がちな自分を支えてくれた亡き母。子どもたちが離散するなかで老いていく父。そして、小さないのちの誕生を待ちわびて、千羽鶴を折る若き妻…。
    あらためて人生とは、子を産み育て、そして死んでゆくことの繰り返しにほかならないということを、気づかせてくれる。若き日の松下竜一はそれを「人の世の愛しさ(かなしさ)」と日記に綴った。

  • 昭和40年代のとある生活を綴った、心洗われるような真っ直ぐな歌。タイトルぴたりそのまま。

  • 1965年刊の随筆。緒方拳主演でドラマ化もされたベストセラー。
    作者は豆腐屋を父から継いで、生来虚弱な身体に鞭打ちながら働きつつ、作歌を重ねて朝日新聞に投稿する。その四季を綴る、それだけのお話。

    豆腐屋としてと言うよりは、一労働者、一表現者としての思索・発言が目に付きます。「労働」を愛し、「人」を愛そう、「モノ」を愛そうと一生懸命詠む歌の数々。僕には良し悪しはわからねど、心に響くというか、身につまされます。奥さんを題材に詠む歌のなんと美しいこと。作者が愛するものが、人が、なんと美しく優しく感じられること。

    とりあげられる歌には、朝日歌壇の選者による評もついているのでわかりやすいです。だから内容が濃い。とにかく濃い。

    作者のエゴや、他を省みない頑固さに幻滅する場面もあります。そりゃそうです、読む人を喜ばせよう、楽しませようとして書いたものでは無いので。そういうのをひっくるめて綴られた青春の記録。

    僕は涙無しには読めませんでした。

  • 未読

  • amazonリストマニア <a href="http://www.amazon.co.jp/gp/richpub/listmania/fullview/3K7C7LCDIYPG3/250-1975420-5893857?%5Fencoding=UTF8 " target="_blank">"読むたび泣く本"</a>by下山
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著者プロフィール

1937年2月15日~2004年6月17日。作家、市民運動家。大分県生まれ。母親の急死により父親を手伝うため、大学進学を諦め、家業の豆腐屋を継ぐ。20代半ばより作歌を始め朝日歌壇にしばしば入選。69年、『豆腐屋の四季』を公刊、TVドラマ化されベストセラーになる。70年、豆腐屋廃業。上野英信を知り記録文学に目を開かれる。72年から「環境権」を掲げ豊前火力発電所建設反対運動に取り組み、敗訴するも31年にわたりミニコミ誌「草の根通信」を発行(380号で終刊)、全国の市民運動家に交流の場所を提供する。ノンフィクション『砦に拠る』、『ルイズ 父に貰いし名は』(講談社ノンフィクション賞受賞)、『怒りていう、逃亡には非ず』、エッセイ『いのちき してます』、児童文学『どろんこサブウ 谷津干潟を守る戦い』等の作品は、『松下竜一 その仕事』(全30巻)に収められた。

「2018年 『底ぬけビンボー暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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