- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061830639
感想・レビュー・書評
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連城さんっていろっぽ~いってイメージであまり読んではきませんでしたが、文春の「死ぬまで使える・・・本格ミステリー100」にかなり上位でこの本が紹介してあり、やっとGET。
確かにこれはミステリーです。
しかも、往年の谷崎文学や川端文学に雰囲気が似ている気がして
結構ぐっときました。
血を見るのは苦手ですし、○○組のナントカも苦手ですが、
「桐の柩」が好きです。 -
男女の情愛が絡んだミステリーを書いて、この作者に叶う人はなかなかいないと思う。
大正から昭和初期を舞台にした短編が5作。どの作品も雨が似合うような湿っぽさと哀しみや虚無を孕んでいる。どぶ川の匂いが立ちこめる軒の連なった貧民街の景色がまるで映画のように心に色を落としていく。
特に、「藤の香」と「桐の柩」に感銘を受けた。
匂いフェチである私にはこの作品は興奮しっぱなしだった。
エロティックで、どろりと鼻腔に女の芳しい体臭が入り込んでくるような、そんな錯覚を何度も感じた。物語のトリックの詳細は忘れてしまっても、この匂いは忘れられない…… 笑
この作品を読んでいるときに、たまたまバルトークの弦楽四重奏曲を聴いていたのだけれど、この曲が作品にばっちりはまった!
音楽と小説のそれぞれお互いを相乗的に劇的にする効果があった。 -
時代劇っていうだけでまだ苦手。
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おもしろかった。
情感豊かに、という表現になるのかな…しっとり美しくほの暗い。時代背景も相まって、世界観に没入してしまう。
トリックも華麗、動機もせつない。美しいミステリーだなーー -
2015年12月23日読了。
2015年232冊目。 -
読んでる時、自分の息がこの美しすぎる感覚を壊しまいそうとも思った。読み終わると、仄かの隔世感が覚える。
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推理作家協会賞短編賞受賞の表題作を含む5編の短編ミステリー。どれも殺人を含むミステリーだが、物語の中心に薄幸な女性がおり、その背景が悲しく読後に余韻を残す。
著者プロフィール
連城三紀彦の作品






『戻り川心中』いいですよね!
連城三紀彦さんの作品は20代の初め頃、かなり昔ですが、はまって当時出ていた...
『戻り川心中』いいですよね!
連城三紀彦さんの作品は20代の初め頃、かなり昔ですが、はまって当時出ていた本は全部読みました。
内容はうろ覚えなんですが、幻想的な雰囲気のミステリーに酔いしれていました。
私の大好きな作家の伊坂幸太郎さんとお会いした時に「ラッツシュライフ」が連城三紀彦さんの作品に似ていますね。と言ったら、「実はファンなんだ」と伊坂さんもおっしゃられていました。
コメントありがとうございます。
まことさんも連城三紀彦さん、ハマられた時期があるんですね。
もし、わたし...
コメントありがとうございます。
まことさんも連城三紀彦さん、ハマられた時期があるんですね。
もし、わたしが20代のはじめ頃に連城作品と出逢っていたら、もう酔いしれて戻ってこれなかったかもしれません 笑
それほどまでに美しく妖しい雰囲気ですよね。
そしてそして、伊坂幸太郎さん!
わぁお話、羨ましいです(〃▽〃)
それに「ラッシュライフ」から連城作品を導き出す、まことさん素晴らしいです!
お返事ありがとうございます。
連城三紀彦さんは、やっぱり代表作は『戻り川心中』ですよね。
他にも、美し...
お返事ありがとうございます。
連城三紀彦さんは、やっぱり代表作は『戻り川心中』ですよね。
他にも、美しくて妖しいお話がいっぱいですが…。
伊坂幸太郎さんの『ラッシュライフ』が連城さんの『暗色コメディ』に似ていると思っていたんです。
その時お話したのと同じことが、あとから発売された伊坂さんのムック本にも載っていてびっくりしました。
あの日のことは一生忘れられない思い出です。(その日の飲み会の幹事を私はやらせていただいていたので、役得でした♡)